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日本が第2次大戦中フィリピンで米国と戦わなければならなかった理由

太平洋戦争においてフィリピンが激戦地であったことをご存じの方は多いかと思います。では、なぜ日本は彼の地で米国と戦わなければならなかったのでしょうか。無料メルマガ『心のビタミン』では、その理由の1つに「植民地支配への抵抗」があったと記しています。

両陛下の「比島戦没者慰霊」を正しく伝えられない日本メディア

1月29日、フィリピンを公式訪問中の天皇皇后両陛下は、マニラから約70km離れたラグナ州カリラヤに日本政府が建立した「比島戦没者の碑」に供花し、大東亜戦争で犠牲となった日本人戦没者を慰霊されました。

27日には戦争の犠牲になったフィリピン人が眠る「無名戦士の墓」に供花されており、フィリピン人と日本人それぞれへの慰霊を今回の訪問で果たしました。

フィリピンは海外の地域別で最多の約51万8,000人の日本人が戦没した激戦地です。今回の訪問の主目的は日本との国交正常化60周年を機とした友好親善ですが、両陛下の強い意向で現地での戦没者慰霊が実現しました。

戦後70年の昨年のパラオに続く海外での慰霊となりました。両陛下が、パラオとフィリピンの慰霊を強く希望され実現されたことは、深い意義が込められていると私には思えます。

ところが日本のメディアが伝えるニュースを見ていると、フィリピン人の犠牲者、特にマニラ市民約10万人の犠牲者が強調され、しかもまるで日本軍が殺戮(さつりく)したかのような印象を与える内容も散見されました。いわゆる戦後のGHQによる極東軍事裁判史観の闇が未だ日本の社会を覆っていると言えます。

ここで、比島においてなぜ日本軍が米軍と戦わなければならなかったのか、その歴史背景と戦闘そのものの事実を再考してみたいと思います。

西洋列国による武力収奪「植民地時代」

武力に特化した西欧文明列国が、15世紀頃からその軍事力で世界の略奪を始めるまでの地球上は、それぞれの地域の特性に応じた自然と共生した部族社会、あるいは日本のように天皇や国王を中心とした分かち合いの国家が平和裡に併存していました。このような心豊かな国々では、闘争もなく、よって武力の必要が無く、人を殺傷する武器そのものが必要ありませんでした。

ただし、武士の勃興した日本だけが、西欧の膨張に対応するかのように、ヤマトごころを体現したサムライ達が官僚として国を経営するようになっていました。このお陰で大東亜戦争勃発時の時点で、地球上でまともな有色人種の独立国は日本しかなく、他はすべて白人たちの国家かその植民地だったのです。つまり、日本は有色人種の最後の希望の星としての役割が与えられていたとも言えます。私は、これも地球レベルの神様の絶妙な采配のような気がしてなりません。

さて、西洋列国による武力収奪で、世界の大半である有色人種地域は、西欧白人によって西回りと東回りで逐次占領、収奪・搾取されました。いわゆる植民地時代です。西欧人にとっては、有色人種は家畜以下の存在で、射撃の標的あるいは奴隷としての価値でしかなかったのです。約500年続いたこの悲惨な植民地主義が終焉(しゅうえん)を迎えたのは、第2次世界大戦からです。その植民地主義に幕を閉じさせたのが、実は日本だったのです。

比島における米国支配の背景

フィリピンは、アジアで初めて西欧の植民地になった国で、1529年、スペインとポルトガルとで植民地世界を分割する取り決め「サラゴサ条約」によって、一方的にスペインの植民地に編入されました。スペインの植民地時代には、フィリピンの人々は、何とかしてスペインの暴政から解放されようと独立運動を続けていましたが、その度スペインに弾圧され、力で屈服させられていました。

その後、1898年(明治30年)にアメリカとスペインによる米西戦争が勃発し、この戦争に勝ったアメリカが、以後フィリピンを植民地として支配することとなります。

この米西戦争もいわくつきです。スペインは植民地膨張の劈頭、西回りに世界を席巻しており、キューバも支配下においていました。そのキューバで独立運動が起こり、紛争から自国民を保護する名目で米国も駆逐艦「メイン号」をハバナ港に派遣しました。ところが謎の爆沈で乗員260名全員が死亡しました。これを米国メディアは、スペインの仕業と大々的に報道し、「リメンバーメイン」のかけ声のもと、米西戦争に勝利したのです。

この米西戦争で、米国はフィリピンの独立解放軍を支援すると約束して、占領していたスペイン軍と戦わせましたが、結局見殺しにしました。その経緯もあり、米国の植民地支配の当初は、アメリカ人は現地の人々の猛烈な抵抗にあい、アメリカ軍はその勢力を押さえ込むために数十万人規模の虐殺を行うなど、暴力で押さえ込んでいました。しかし、スペインの暴力的な植民地政策から学んだアメリカは、フィリピン人の独立心を上手くやりこめる融和政策を採るようになります。

比島における2度の日米激戦

このような背景の下、第2次世界大戦が欧州で始まります。劣勢の連合国、特に英国を助けるために、「中立法」があるために先制できないでいた米国は戦争を始める「きっかけ」として、「最初の1発」を日本に撃ってもらわなければならなかったのです。そのため、「対日石油禁輸」を強行します。当時、日本は100%米国から石油を輸入していました。備蓄は半年分。つまり半年後には、日本のすべての活動が止まるのです。

窮鼠(きゅうそ)猫を噛む。ついに日本は、最大の脅威である米国の太平洋艦隊が集結する真珠湾を奇襲するとともに、石油を確保するために、南方、つまりインドネシアのパレンバン等の油田奪取を決断したのです。この「南方作戦」の道筋にあたる比島は米国領であり、他の東南アジアはフランスや英国、オランダ等白人の植民地だったわけです。

これらの白人植民地軍を一気に撃破することにより、東南アジアのみならず中東やアフリカ諸国の人々に独立心を目ざめさせたのです。特に、当時世界の7つの海を制し、地球の40%を支配していた英国の、その植民地支配の源泉であったシンガポールを母港とする東洋艦隊を一瞬のうちに日本軍が殲滅(せんめつ)したことが、戦後の植民地主義解消に最大限貢献したとも言われています。

つまり、比島においては、大戦の初頭に日本軍が在比米軍を撃破しています。この時の戦いはバターン半島で行われ、マニラでは起こっていません。ちなみにこの時の米軍は12万5,000名。対する日本軍は4万5,000名でした。

米軍の敗戦の将は、マッカーサー元帥でした。その後は、日本が占領統治しており、やがて独立も果たさせました。そして、1944年10月23日のレイテ沖海戦から比島における米国の本格的反攻が開始され、マニラも戦場となり、米軍の圧倒的な無差別砲爆撃で瓦礫の山となり、フィリピン人10万人も犠牲となりました。このフィリピン死守の戦いから「特攻(特別攻撃)」が生まれたのです。

戦没慰霊祭におけるフィリピン代表のことば

戦没者慰霊祭においてはフィリピン人代表が、かつて次のようなスピーチも行っています。

当時、白人は有色人種を見下していました。これに対して日本は、世界のあらゆる人種が平等であるべきだとして戦争に突入していったのです。

 

中でも神風特別攻撃隊は、そうした白人の横暴に対する力による最後の「抵抗」だったと言えましょう。

 

そして、アジアで唯一抵抗してくれたのです。

 

かって日本の統治を受けた台湾や韓国を見て下さい。立派に経済的な繁栄を遂げているでしょう。

 

これは日本統治下で施した「教育」の成果です。

 

ですが、アメリカの統治を受けたフィリピンでは、自分たちがモノを作ることを学ばせてもらえなかった。

 

人々は鉛筆すら作ることができなかったのです。アメリカが自分たちの作ったモノを一方的にフィリピンに売りつけてきたからでした。

欧米人のアジア観に多大な影響を与えた神風特攻隊は、フィリピンの人々に敬われ、そしてその勇気が称賛されているのです。

特攻隊員の遺した言葉

その特攻隊員が飛び立つ前に、友人である整備兵に遺した言葉です。

もう戦いは続けるべきではない。

 

しかし、敵を追い落とすことができれば、七分三分の講和ができるだろう。

 

アメリカを本土に迎えた場合、恐ろしい国である。

 

歴史に見るインディアンやハワイ民族のように闘魂がある者は各個撃破され、日本民族の再興の機会は永久に失われてしまうだろう。

 

このため、特攻を行ってでも、フィリピンを最後の戦場にしなければならない。

 

しかし、これは九分九厘成功の見込みはない。では、何故見込みがないのにこのような強行をするのか。

 

ここに信じていいことがある。

 

いかなる形の講和になろうとも、日本民族がまさに滅びんとする時に当たって、身をもってこれを防いだ若者たちがいたという歴史が残る限り、五百年後千年後の世に必ずや日本民族は再興するであろう。

和をもって貴しとなす

金融、戦争、原発、環境破壊等々、形を変えながら競争原理の現代文明が滅びの道を歩んでいます。滅びの道から永久の道に切り替わるには、対立するものをも許し認め1つの和とする「ヤマトごころ」しかないのではないでしょうか。

私には、両陛下が背中で、魂レベルで世界に示していると見えました。

あとは、われわれ日本人が、そのヤマトごころの「和をもって貴しとなす社会」を再現することだと思います。

image by: Wikimedia Commons

 

心のビタミン
日々心に浮かんだエッセイを綴り発行します。内容は、家族の絆,自然との一体感,社会の真実の三分野で、それらを霊性の向上でまとめたいと思います。
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