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日本の官僚は世界と戦えるのか? アジアの制度と比較してわかった衝撃事実

シンガポールの官僚と話す機会を得て、日本のヤバさを痛切に感じたという前参議院議員・田村耕太郎さん。メルマガ『田村耕太郎の「シンガポール発 アジアを知れば未来が開ける!」』の中で、このまま霞ヶ関官僚の劣化が止まらなければ日本人全員が損をすると警鐘を鳴らしています。

霞ヶ関の人材が劣化するだけのワケ

申し訳ないが、シンガポール政府の官僚と話していると霞ヶ関の官僚がいかに劣化しているだけかがわかってしまう。その背景には制度がある。

シンガポールの官僚制度

霞ヶ関官僚の給料はシニアになればまあまあ恵まれてくるが、大卒時点でオプションである投資銀行や渉外弁護士と比して非常に劣る。シンガポールでは最初から最後までそれらの給与に劣らない待遇にしてある。

今日私をインタビューした人間は課長クラスだが、ボスは同期入省でそのまたボスも同期という。おいおい同期で一番できない奴が私のインタビューに来たのかと思ったが、同期で自分以下の職階のものが半数以上だという。

民間にも他省庁にも出入り自由。民間で思い残すことなく成功して国のために戻ってくる同期とか財務省や首相府に出向してそこが気に入ってそこに居座ることにした同期とか多才

年間120時間つまり15日間ほど外部トレーニングを受ける義務をすべての年次の官僚に課している点も素晴らしい。これをほめると「当たり前でしょ。それが何か?」という反応。しかも多くのプログラムから選べる。うちの学校に来るもよし、他のアジア諸国やアメリカに研修もいける。プレゼンテーションスキルからビジネスマネジメントまで幅広いプログラムが用意されている。全て予算が用意されていて、旅費から研修費から滞在費まで全部国が出してくれもちろん有給扱い。「最新の理論や情報がアップデートされ、自信になるし、他国の官僚とのネットワーキングになる」とも。

>>次ページ では日本の制度はどうなっているのか?

日本の官僚制度について

という制度を説明したら、沈黙。「この制度だったら、シンガポールの有能な人材は間違いなく1人も政府に入らないだろう」と。

自信にあふれ、本当に豊富な知識や思考フレームワークを持つ官僚たちとの「シンガポールの未来」についての議論は面白かった。後ろ向きの仕事に疲れ果てトレーニングも受けてない霞が関官僚とは差が開くばかり。そういう意味でも日本のヤバさが際立ったミーティングであった。これじゃあTPPとかの交渉でも勝負にならないよ。英語も下手だし。政府の無駄の撲滅もいいが、無駄のない政府から「有能な政府」に変えていかないと皆が損するよ!

image by: wikipedia

『田村耕太郎の「シンガポール発 アジアを知れば未来が開ける!」』 Vol.161より一部抜粋

著者/田村耕太郎(前参議院議員)
早稲田大学、慶応大学大学院、デューク大学法律大学院、エール大学経済大学院を各修了。シンガポールを拠点に、歯に衣着せぬ鋭い論調で「日本の良い箇所・悪い箇所」を指摘するメルマガは、世界で勝負したいという人必読。
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