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目標は論理、目的は感情。ビジネス戦略は右脳と左脳でうまくいく

仕事をする上において、「目標と目的を明確にする」ことが重要なのは周知の事実ですが、その2つは真逆の概念で作られなければいけないということ、ご存知ですか? 無料メルマガ『サラリーマンで年収1000万円を目指せ。』の著者・佐藤しょ~おんさんは「目標は論理、目的は感情」と明快に言い切ります。

目標はロジック(論理)、目的はエモーション(感情)

ビジネスを効率よく進めるには、目標と目的を明確にする必要がある、というのは多くのビジネスセミナーで解説されています。これを改めて説明する気は無いんですが、最近はこれすら知らない人が多いので、ちょっとだけ書いておきます。

目標とは、ゴールであり、どうなりたいのか? という最終形です。

対して目的は、なぜそうなりたいのか? という理由の事です。

例えば、年収1000万円になるぞ! というのは目標です。この目標を設定しただけで走ると途中で息切れがした時に、踏ん張りというか粘りが出て来ません。なぜかと言うと諦めてしまえば良いからです。

諦められないようにするには、ここに目的という名の理由が必要になります。つまり、なぜ年収1000万円になりたいのか? という理由です。これが強ければ強いほど(例えば、子供を海外に留学させたいとか)、

諦めるわけにはいかないぞ!

という気持ちが立ち上がるから、頑張れるというわけですね。

このふたつ、単語としては似ているようで、親戚のように思えるんですが、実態は真逆の概念で作られているんです。

目標というのはこれはロジックであり、論理なんです。だから数字や理屈で作られているんです。という事は、これは左脳の領域で生み出されるんです。

ところが目的というのは感情なんです。こころの情動であってここに論理的理由は存在しないか、しても極めて個人的要素が強くて他の人にも当てはまるとは言えないのです。従ってこの目的は右脳の領域で生み出されるという事です。

これをもう少し別な概念で説明すると、目標つまり左脳で作るものは、具体的になり、目的つまり右脳で作るものは抽象的になるという事でもあります。

>> 次ページ 目標を感情的に作って大失敗した組織とは?

この違いを認識しないと、目標を感情的に作ってしまうんです。これが先の大戦で日本が犯した過ちでした。だってあの戦争には目標なんて無かったんですよ。八紘一宇なんてスローガンは具体的に、いつ、だれが、何をするという5W1Hに置き換えられないでしょ。そもそも大本営は戦争の最終形(どうなったら目標を達成したと言えるのか)を全く持っていなかったんですから。

だって当時だって論理的に考えたら、日本の戦力でアメリカ本土に侵攻して、これを占領出来るとは思えないわけですよ。じゃ、何をどこまでやるのか? という議論はあったのかというと、これが無かったんですよね。目標はロジックですから、論理と数字で明快になるわけで、その手法であの戦争を構築していくとどうやっても結論は、「日本は勝てない」にならざるを得ないんですね。

そこで大本営が取ったやり口が、目標を目的に転化させて感情とか、根性で戦争を語るようにしたんです。これを言葉にしたのが五族共栄とか八紘一宇というスローガンなのです。

つまりビジネス的にいえば、最初の目標設定の段階から歪んでいたという事です。

会社でもそういうのって頻繁に見かけますよ。

あのライバル企業に勝つぞ!

って、それは目標じゃありませんから。勝って嬉しいというのは明らかに感情でしょ。感情は論理じゃありませんから、これで突き進むと、次に具体的に何をどうしたら良いのか? が見えてこなくなるんです。ましてやその先に想定しておかなきゃいけない、条件分岐や選択肢を決めるための優先順位という具体論はあさっての彼方に飛んで行ってしまいます。

これとは逆に、目的は徹底的に感情に訴えた方が効くんです。

目標を達成したらボーナス50万あげるからさ、なんてのを目的にするよりも、その50万を使って何が出来るのか、誰が、どう喜ぶのかという感情に訴えて「頑張れ!」と言った方が相手には効くんですよ。

右脳と左脳をバランス良く切り替えて使う時に、人間は能力を最大限発揮出来るのです。ですから、ビジネスでも右脳(目的)と左脳(目標)をバランス良く戦略的に作るのが重要になるんですね。

『サラリーマンで年収1000万円を目指せ。』
著者/佐藤しょ~おん
高卒、派遣社員という負け組から、外資系IT企業の部長になった男の、成功法則を全て無料で公開。誰にでも、どんな状況、状態からでも自分の力で人生を変えるための情報と知性を発信する。
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