目標は論理、目的は感情。ビジネス戦略は右脳と左脳でうまくいく

 

この違いを認識しないと、目標を感情的に作ってしまうんです。これが先の大戦で日本が犯した過ちでした。だってあの戦争には目標なんて無かったんですよ。八紘一宇なんてスローガンは具体的に、いつ、だれが、何をするという5W1Hに置き換えられないでしょ。そもそも大本営は戦争の最終形(どうなったら目標を達成したと言えるのか)を全く持っていなかったんですから。

だって当時だって論理的に考えたら、日本の戦力でアメリカ本土に侵攻して、これを占領出来るとは思えないわけですよ。じゃ、何をどこまでやるのか? という議論はあったのかというと、これが無かったんですよね。目標はロジックですから、論理と数字で明快になるわけで、その手法であの戦争を構築していくとどうやっても結論は、「日本は勝てない」にならざるを得ないんですね。

そこで大本営が取ったやり口が、目標を目的に転化させて感情とか、根性で戦争を語るようにしたんです。これを言葉にしたのが五族共栄とか八紘一宇というスローガンなのです。

つまりビジネス的にいえば、最初の目標設定の段階から歪んでいたという事です。

会社でもそういうのって頻繁に見かけますよ。

あのライバル企業に勝つぞ!

って、それは目標じゃありませんから。勝って嬉しいというのは明らかに感情でしょ。感情は論理じゃありませんから、これで突き進むと、次に具体的に何をどうしたら良いのか? が見えてこなくなるんです。ましてやその先に想定しておかなきゃいけない、条件分岐や選択肢を決めるための優先順位という具体論はあさっての彼方に飛んで行ってしまいます。

これとは逆に、目的は徹底的に感情に訴えた方が効くんです。

目標を達成したらボーナス50万あげるからさ、なんてのを目的にするよりも、その50万を使って何が出来るのか、誰が、どう喜ぶのかという感情に訴えて「頑張れ!」と言った方が相手には効くんですよ。

右脳と左脳をバランス良く切り替えて使う時に、人間は能力を最大限発揮出来るのです。ですから、ビジネスでも右脳(目的)と左脳(目標)をバランス良く戦略的に作るのが重要になるんですね。

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著者/佐藤しょ~おん
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