楽天モバイルの通信エリアを支えてきたKDDIのローミングが、大きな転換点を迎えています。KDDIは2026年9月末をもって、楽天モバイルへのローミング提供を契約通り終了する方針を明らかにしました。『石川温の「スマホ業界新聞」』では、著者でスマホ/ケータイジャーナリストの石川温さんが、KDDIによるローミング終了が楽天モバイルに与える影響を整理するとともに、自社基地局網の現状やAST SpaceMobileによる衛星通信の可能性を踏まえ、楽天モバイルがKDDIへの依存から脱却できるのかを考えていきます。
KDDI、楽天モバイルへのローミング提供を9月末で終了へ――ルーラルはローミング継続。頼りのASTは大丈夫か
2026年8月7日、KDDIの松田浩路社長が楽天モバイルのローミング提供を契約通り、9月末で終了すると宣言した。
これまで、若干、含みを持たせた発言を繰り返していたが、さすがに契約満了まで2か月を切った段階となれば、きちんとした方針を示す必要があった。
9月末でこれまでの契約は終了するが、対象は繁華街や住宅地のみとなり、ルーラルエリアなどは10月以降も継続する見込みだ。
ローミングの終了は楽天モバイルユーザーに大きな影響が出るだけに、本来であれば楽天モバイルが先に発表すべき案件だろう。両社とも「ユーザーに迷惑はかけない」という気持ちがあるならば、もうちょっと早くアナウンスしても良かったのではないか。
楽天モバイルの「パートナー回線エリアマップ」を見ると、関東圏などはべっとりと濃いめのピンクで塗られている。一方、パートナー回線エリア、つまりKDDIのローミングエリアはごく限られた場所のように見える。
一方でKDDIが提供するローミングエリアマップを見ると、関東圏でもかなりの場所がオレンジ色となっている。
楽天モバイルは「ここは自社エリアです」とアピールする一方で、KDDIとしては「いやいや、実際はローミングでも提供されているでしょ。そうおっしゃるなら、ローミングを打ち切りますよ」というわけだ。
楽天モバイルのエリアマップ通りであれば、関東圏などは契約が終わっても、特に問題はなく、ユーザーからの不満は出ないはずだ。
ただ、6月になって、一部のローミングエリアが打ち切られた際、同時に楽天モバイルユーザーから不満の声が噴出した。
KDDI関係者によれば「6月の打ち切りは本当にごく一部に過ぎない」ということで、10月以降、繁華街や住宅地でのローミングが終了したら、相当なクレームが上がる可能性も考えられる。
今回、KDDIはルーラルエリアにおいてはローミングを引き続き提供するとしている。
ただ、楽天モバイルは年内にもASTによる「Rakuten 最強衛星サービス」を開始する予定だ。
当然のことながら、楽天モバイルとしては今後、ルーラルエリアでは基地局の建設は行わず、ASTでカバーできると見込んでいるのだろう。
と考えると、KDDIによる楽天モバイルへのルーラルエリアでのローミング提供は意外と短い期間で終了することもあり得そうだ。
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