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これが民泊の実態だ! 騒ぐ宿泊客よりタチが悪い無責任な貸主たち

規制緩和で一般の方も参入しやすくなった「民泊ビジネス」。これにより日本に訪れる外国人観光客が増加、そして部屋を貸す人たちの収入も増加というサイクルは一石二鳥のように思えますが…実は法律違反や規約破りが相次ぎ、大迷惑を被っている人も少なくありません。無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』では、「賃貸マンションにおける民泊の実態」を取り上げています。

嘘で固めて民泊を続けるしたたかさは半端じゃない

こんにちは! 廣田信子です。

先日、渋谷の中心街に多くの担当マンションをもつ友人と話して、民泊の深刻さを実感しました。

どのマンションも、土地柄、区分所有者が居住しているマンションはほとんどなく、ほとんどは賃貸されて、事務所使用も可能です。築年数が古いので、ほとんどオートロックはありません。前に書いたように、民泊に狙われやすい条件がそろっている訳です。

外部区分所有者がほとんどでも、理事会はしっかり機能していて、民泊は認めないと規約に盛り込んでいます。

私としては、外部区分所有者ばかりなら、利益が上がるなら民泊認めてもいいじゃない…とならなかったことに対して、どんな議論があったのかを聞くと、「テロや犯罪に係る人が紛れ込んでもわからない、もし、何かあったらどうするんだ」ということで一致したと言います。自分が住んでいなくてもマンションの環境を守ろうという管理組合の良識のようなものを感じて、私は、ちょっとうれしい気がしました。

それに対して、管理組合の目を盗んで民泊で稼いでいる人は、それは、したたかだと言います。

若いIT企業の社長だと言う人、事務所として借りた部屋を民泊に使っているのですが、最初から、うちは海外からのお客が多いからと伏線をはって、事務所として賃貸借契約をしています。明らかに外国人旅行者の出入りがあっても、民泊ではないと言い張ります。

部屋の片づけと清掃にくる専門業者も、大量のごみを出すときに、昨日は、事務所でパーティをしたのでと社員を装います

オーナーに賃貸借契約を解除してほしいと申し入れるのですが、オーナーに対して、証拠があるのか、損害賠償請求すると開き直ります。なんとか証拠をと思って、その部屋の様子をうかがっていた理事長を、不審者がいると警察に通報までしたと言います。

また、ある民泊実施者は、なんと中央官庁の国家公務員。事実を突き付けて、やめるように言っても、予約が入っているからと、のらり、くらり、引き延ばそうとします。理事長が、職場に言いつけると言って、やっとやめたといいます。

なにしろ、国が強力に推し進めている民泊ですから、法律にも、管理規約にも反しているものでも、やっている方は強気です。

民泊は、今や目先の利く人の、やらなくちゃ損のサイドビジネスです。お金になりさえすれば、どんなことをやってもOK。証拠をつかまれないようにして、プライバシーを楯に脅しを掛ける、どうしても面倒なことになったら、さっと逃げればいい…、こんな人たちに、管理組合は翻弄されているのです。

人の迷惑を何とも思わず、嘘で固めて、お金になれば何をしてもいいと思う人をたくさん生み出して、どうするんですかね。管理組合がんばれ!

image by: Shutterstock

 

まんしょんオタクのマンションこぼれ話
マンションのことなら誰よりもよく知る廣田信子がマンション住まいの方、これからマンションに住みたいと思っている方、マンションに関わるお仕事をされている方など、マンションに関わるすべての人へ、マンションを取り巻く様々なストーリーをお届けします。
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