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野良猫への餌やり、やめました。でも行く末が心配…助けてください!

NY在住の猫好き医学博士、しんコロさんが読者からの質問にお答えする『しんコロメールマガジン「しゃべるねこを飼う男」』のQ&Aコーナー。今回はゴミを荒らすのをやめさせるという目的で、野良猫に餌付けをしてしまったことを悔やむ質問者さんからのご相談です。人間本位の考えで餌付けをするとかえって猫たちを不幸にしてしまうことを痛感し、懺悔する質問者にしんコロさんが授けた解決策とは?

餌付けをしてしまった野良猫たちの行末が心配…

Question

今日は質問というより悩み、いや、懺悔。ん~。助けてください。実は、「野良猫(たぶん)にゴミを荒らされるのをやめさせる」と言うことを理由にして、半年ほどまえから職場に来る野良猫(たぶん)一家4頭ぐらいに餌を与えていました。私も猫好きの端くれ、こういうことは続けていたら不幸な命が増え続けることも頭にはありましたが、随分我慢した末とうとう与えてしまいました。色々な声があるとおもいますが、スタートは本当にやむを得なくでした(言い訳ですね。ごめんなさい)。

餌を与えたことは本当に駄目なことをしてしまったとあらためて思ってます。そしてここは集合住宅で、他の住民の方の利用スペースにその猫たちが最近マーキングや糞をするようになり、餌やりをやめることにしました。これもまた本当にこちら(人間)都合になってしまい、本当に心が痛く、申し訳ない気持ちで。ご迷惑をおかけしたかたには勿論お詫びをしました。

しんコロさんのお考えをいただきたいのは、このあとねこたちはどうしていくだろうというところです。わりと毛並みはきれいな子たちなので、家があるのかもしれないのですが、これまで少なくともうち(私のところ)では毎日よるごはんにありつけていました。量もしっかりな量を食べていました。これが突然与えられなくなったら。。中途半端に手出しをして、本当に後悔と反省と猫たちの行く末の心配でどうにもならず、ここへ思いを打ち明けさせていただきました。

これを読まれる読者の皆様にも「何て事!」と非難されるでしょう。本当に反省しています。でも苦しいんです。しんコロさん、助けてください。そして、こんな身勝手な内容でごめんなさい。

しんコロさんの回答

質問者さんはやって来た野良一家の愛らしさとゴミ荒らし防止から、きっと良かれと思って餌やりを始めたのでしょうね。その後、長期的にはねこ達にも地域にも良くないとお気づきになられて、近隣の方々にもお詫びをされたとのことですね。質問者さんの懺悔なお気持ちや、ねこたちの行く末を心配するお気持ちをお察しします。

さて、そのねこたちや地域に対して質問者さんができることとして、地域に野良ねこを捕獲して慣らし里親に出す支援をしている団体がないかまず調べてみるのはいかがでしょうか?もしそういった団体が近くになければ、TNR(Trap:捕獲、Neuter:不妊手術Return:元の場所に放すこと)活動をしている地域団体や、TNR 活動に協力している動物病院に連絡を取り、彼らが対応できるか、もしできなければ他にできる団体を知らないか問い合わせてみるのはいかがでしょうか。

TNR をしてもねこのゴミ荒らしは減らないとか、餌を与える人たちの免罪符だという意見もありますが、TNR が長期的には野良ねこのむやみな増加を実際に防いでいるという学術的な研究報告もされています。そして野良の増加を防げれば、必然的に地域の衛生状態の向上にも結びつきます。

参考までにTNR 活動を支援している公益財団法人のサイトを貼り付けておきます。このサイトの中にTNR 依頼申請や協力病院の情報などがあります。

 image by: Shutterstock

 

しんコロメールマガジン「しゃべるねこを飼う男」

著者:しんコロ
ねこブロガー/ダンスインストラクター/起業家/医学博士。免疫学の博士号(Ph.D.)をワシントン大学にて取得。言葉をしゃべる超有名ねこ「しおちゃん」の飼い主の『しんコロメールマガジン「しゃべるねこを飼う男」』ではブログには書かないしおちゃんのエピソードやペットの健康を守るための最新情報を配信。
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