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小林麻央を襲った乳がん。左右のサイズが違うと発症率が高い—英報告

日本人女性の12人に1人が罹る言われている乳がん。最近では歌舞伎俳優・市川海老蔵さんの妻で元タレントの小林麻央さんが闘病中であることが発表されました。そもそも「乳がんにかかりやすい人」というのはいるのでしょうか? 無料メルマガ『Dr.ハセのクスリとサプリメントのお役立ち最新情報』で、英国リバプール大学の興味深い研究が紹介されています。

左右のバストのサイズが違う人は、乳癌になりやすい

従来は日本女性の乳癌発症率は低く、大豆食や海草を多く摂るためではないかと言われていたのですが、最近では西洋食を食べる機会が増えたためか、乳癌の発症率が高くなってきており、大きな問題となっています。

さて、以前「左利きの女性は乳癌になりやすい」というショッキングな研究結果をお知らせしましたが、今回は「バストの左右の差が大きいと、乳がんになりやすい」という話題です。普通、女性のバストは非対称的で、左右の大きさが全く同じという女性はほとんどいないとの事ですが、気になる報告なのでお知らせします。これは英国リバプール大学のDiane Scutt博士らが、医学誌Breast Cancer Researchに報告したものです。

Breast asymmetry and predisposition to breast cancer

研究では、初診検査時には特に乳腺疾患が認められなかった女性で、その後に乳癌を発症した患者さん252例を対象に、乳房の左右差を調べました。そして、同年齢の健康な女性252例の結果とを比較したところ、乳癌を発症した女性では、健康な女性よりもバストの左右の大きさの違いが激しい事が分かったそうです。その差を計量的に調べると、乳房のサイズ差100mlごとに乳癌の発症率が50%も増大していたとの事です。

今のところこのような乳房のサイズの左右差が、何故乳癌の発症率の差に現れるかは明らかではありませんが、バストサイズの左右の差の少ない女性は、思春期に乳房が大きくなる時に生じる乳癌リスクホルモンに対して耐性があることが考えられるそうです。

ちなみに、女性ホルモンであるエストロゲンは癌のリスクファクターであることがわかっていますが、同時にこのホルモンは乳房の成長に重要な役割を果たすことも知られています。

しかし、この考えに対して批判的な意見もあり、わずか100ml程度の差は乳房の大きさには直接関係なく、また乳房が大きいほどエストロゲンへの曝露が多く乳癌のリスクが高いとの考え方にも疑問を持つ専門家もいるようです。 そして、この結果だけで不安になる必要はなく、今後の研究を待つべきとのことですので、あまりご心配なさりませんよう…。

image by: Shutterstock

 

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