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なぜ「パズドラ」は未だに人気なのか? ガンホーの戦略をMBAが分析

抜群の認知度を誇るオンラインゲームメーカー「ガンホー」が運営する「パズドラ(PAZZLE&DRAGONS)」。リリースした途端に爆発的なブームとなってから4年を経過した今でも、人気は健在です。無料メルマガ『MBAが教える企業分析』では、その秘密を徹底分析しています。

ロングテール

今回はスマホゲームで認知度ナンバーワンの企業を分析します。

ガンホー(オンラインゲームメーカー)     

今回はガンホーといえば、やはり「パズドラ」ですので、リリースから4年たった「パズドラ」にフォーカスをあてます。

◆戦略分析

■戦場・競合

■強み

1.長い期間、楽しめる(飽きない)

2.無課金でも十分楽しめる

⇒上記の強みを支えるコア・コンピタンス
★「長くユーザーに楽しんでもらうノウハウ」

上記のような「ユーザーを飽きさせないノウハウ」があるからこそ、強みを実現できているといえます。

■顧客ターゲット

◆戦術分析


■売り物

2012年2月のリリースから4年が経過しており、日本のダウンロード数は4,100万件を超えています。北米で1000万ダウンロードを突破。

■売り値

■売り方

■売り場

※売り値や売り物などは調査時の情報です。最新の情報を知りたい場合は、企業HPなどをご確認ください。

まとめ(戦略ショートストーリー)

幅広いスマホゲームユーザーをターゲットに「長くユーザーに楽しんでもらうノウハウ」に支えられた「長い期間、楽しめる」、「無課金でも楽しめる」という強みで差別化を実現しています。

積極的にTVCMを展開することで認知度を高めるとともに、無料で試してもらい、ゲームの面白さ(パズル+RPG)を体感してもらうことで消費者の支持を得ています。

■分析のポイント

「ロングテール」

ガンホーは平成27年度の決算で減収減益となったことを公表しています。前年と比べて

となっています。主な原因は、「パズドラ」の売上減となります。

ガンホーの売上の約9割を「パズドラ」関連の売上が占めていますので、「パズドラ」の売上が下がるということは、ガンホーへの影響が非常に大きいということですね。

単純に「パズドラ」の人気が落ちてきたということで終わらせずに、もう少し深堀りしてみます。

2016年1月から3月期の決算説明会において、森下社長が「一つ一つのゲームをロングテールで育てていけるというのが我々の一番の強みだと思います」とコメントされています。

森下社長は「ロングテール」を「息の長い」というような意味で使われているように見受けられますが、もともと「ロングテール」とは、売れ行き順に商品を横軸に並べ、販売数を縦軸にとったグラフを書いた時に現れる人気のない商品が並んだ長い「しっぽ(テール)」のことを指します。

イメージ図はこちら↓

例えば、Amazonではこの長いしっぽ(人気のない商品群)が、全体の売上の3分の1を占めているようで、重要視されています。

このロングテール理論をガンホーにあてはめてみると、商品を課金者へ、販売数を課金額に置き換える形になります。具体的には、課金者を課金額順に横軸に並べ、課金額を縦軸にとったグラフを書くと、恐らく少額課金者が並んだ長い「しっぽ(テール)」が現れることになります。

ここでのポイントは、非常に多くの課金者がいれば、例え少額の課金であっても、掛け合わされることで、莫大な額になるということです。

ガンホーはMAU月間アクティブユーザー数を最も重視していますが、このMAUが多ければ多いほど、課金するユーザーの比率を低く抑えても多くの課金者を確保することができ、ロングテールが生み出す売上の恩恵を受けられるということになります。

そして、このMAUですが、減少傾向であるとはいえ、2016年3月のMAUは、2013年3月のMAUと同水準となっています。つまり、3年前の水準は維持しているということであり、一時期の爆発的なブームの後も人気を維持しているということです。これはすごいことです。

競争が激しく、長く人気が続かないスマホゲーム業界においてリリースから4年以上経ったゲームが3年前の水準の「MAU」を維持しているということは驚異的ともいえます。

今後もMAUの維持・拡大という挑戦的な目標を掲げていますし、リリースから5年、10年たったときに「パズドラ」がどのような存在になっているか楽しみですね。

世界にも拡大していくようですので期待したいです。

image by: Shutterstock

 

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