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イギリスのEU離脱で得する人、損する人

イギリスのEU離脱が波紋を呼んでいます。資本主義の行き詰まりとも言われる中、今後、世界はどうなるのでしょうか? 『毎日5分! 経済英語NEWS!』の著者・八木翼さんが「Brexitで得する人、損する人」を分析しています。

【損する人】

・イギリス人(労働者)
(移民に職を奪われなくなると勘違いしているが、国際競争力が弱まり逆に仕事はなくなる。)

・イギリス人(消費者)
(輸入品に関税がかけられ、高い商品を買わされることになる。)

・世界に生きる人
(わずかだが、GDPは下がるので、世界でもそんすることになる。)

・短期投資家
(下落したことで下げ相場のパニック売りで損を出す。)

【得する人】

・日本人
(円高により輸入品が安く購入できる。)

・長期投資家
(Brexitのリスクは限定的で、企業の業績にさほど影響はない。また、ドル円は、イエレンの金利引き上げ延期が発表されれば、円安傾向に戻る。)

・長期投資家
(1時的な株安で、株を割安で買える。)

というわけで、我々日本の個人長期投資家は、得する人になりますね。為替は中央銀行の政策次第な部分があります。ゆっくりとニュースを見てみましょう。

原文

【Wall Street eyes low rates, earnings after Brexit rout】

With markets reeling after Britain’s vote to leave the European Union, some on Wall Street expect cooler heads to prevail over the next several sessions as investors focus domestically on the outlook for the U.S. economy and company earnings.

和訳

ウォールストリートは、低金利、Brexit後の利益を見越す

市場が、イギリスのEU脱退で巻き戻される中、何人かは、投資家が、国内の米経済や企業利益の見通しに注目し、今後数回で克服するという、市場の冷静な見解を予測している。

経済コラム

まあ、私もBrexitについてはそこまで心配していませんが、少し気になるとしたら、不動産価値です。イギリスはこれまで金融の中心であったため、一等地に数多くの金融機関が建物を建てています。もし、金融機関らが撤退するようになれば、不動産価格が下がる可能性があります。現在、不動産はバブル気味です。

【10大都市のマンション価格2012年:(注)2015年はほぼ+30%】

  高級物件 の1坪単価   50坪分
1.モナコ $14万5000(1600万円) 8.0億円
2.モスクワ $6万4000(700万円) 3.5億円
3.ロンドン $6万4000(700万円) 3.5億円
4.NY $4万6000(500万円) 2.5億円
5.香港 $4万5000(500万円) 2.5億円
6.パリ $3万7000(410万円) 2.2億円
7.東京 $3万7000(410万円) 2.2億円
8.シンガポール $2万9000(330万円) 1.7億円
9.ローマ $2万8000(310万円) 1.6億円
10.ムンバイ:インド $2万8000(310万円) 1.6億円

もし、この不動産バブルが崩壊すれば、世界を揺るがしかねない危機に発展する可能性があります。まあ、それでも影響は限定的だとは思っています。

それにしてもイギリス人は教養がありませんね。比較優位の原則を多くの人が理解できておらず、今後イギリスは貧しい時代に突入しそうです。

イギリスは財政赤字も多大ですが、クルーグマンが指摘しているように、日本と同じ、自国通貨建ての国債ですので、デフォルトの可能性は、非常に低いです。

Brexit: The Morning After

 

『毎日5分! 経済英語NEWS!』
著者/八木翼
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