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車1台で年60万の損。タワーマンションで噴出する「空き駐車場」問題

近頃進む車離れで、タワーマンションの「空き駐車場」が深刻な問題となっています。無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』の著者・廣田信子さんは、実際にタワーマンションに住む人の声を聞き、今話題の「民泊」の問題とも絡めながら、住人、そして購入を考えている人達が取り組むべき「未来の問題」について考えます。

タワーマンションの駐車場問題は?

こんにちは! 廣田信子です。

設備が充実した近年の大型マンションは、機械式駐車場設備が、大型車でも、ハイルーフ車でも対応できるような仕様になってきるので、車が入らないというような問題はなくなってきています。

ただ、付置義務があるため、どんな便利なところにあっても駐車場はかなりの台数が確保されていることから最初から空きがあるところも多いです。で、さらに、空き駐車場はどんどん増えています

駅前にあるタワーマンション等では車が無くても困ることがありません。私の知人も、「コンシェルジュがタクシーの手配もしてくれるので、玄関からさっとタクシーに乗れ、外出先の駐車場の心配もいらないので、もうタクシーばかりになってしまって…。しかも、都心なので、どこに行くのもタクシー代は2,000円ぐらいで、いくら使っても5万円もタクシーに乗れないので、駐車場料金5万円払って車をもっている意味がないし手放したわ~」と。これから、ますますこういう方が増えると思います。

で、1台5万円の料金設定のところは、1台5,000円の郊外と比べて、空きが出たときの減収も大きいのです。1台減るごとに、年間60万の減収となります。で、空き駐車場を外部に貸したいと思ってもセキュリティの問題があり、合意形成は簡単ではありません。

そんな話を、定年退職後にタワーマンションを購入した理事の方としていたら、

「今は民泊禁止と言っているけど、民泊はもう止められないと思うし、いっそのこと、民泊したい人から管理組合がお金をとって管理すればいいと実は思ってるんだよね。駐車場だって、空を放置するなんてもったいない。すでに、民泊で、共用施設にも堂々と外部者が入ってきているんだから。駐車場に外部者が入ってももういいじゃないか…。

年金暮らしになって、これ以上、管理費等の負担が増えることは困るから管理組合の収入はしっかり確保していくべきだ。セキュリティというなら、その分、ホテル並みに防犯カメラをつけて警備の人員を増やしていけばいい…。

ただね…これは今の状況では言い出しにくいよ。どの時点で、この議論が表に出るかだね。間違いなく、2020年の東京オリンピック前には、怒涛のようにこの方向に流れ込むと思うよ」

…と。マンションを外部者に貸すことで管理組合が積極的に収入を得る…ということの是非がそう遠くなく議論になる。その予感は私にもあります。

都心のタワーマンションの空き駐車場問題は、いろいろな要素と絡みながらどのような方向に進むのでしょうか。

image by: Shutterstock

 

まんしょんオタクのマンションこぼれ話
マンションのことなら誰よりもよく知る廣田信子がマンション住まいの方、これからマンションに住みたいと思っている方、マンションに関わるお仕事をされている方など、マンションに関わるすべての人へ、マンションを取り巻く様々なストーリーをお届けします。
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