ヘッドフォンを発売して今年で50周年を迎えるDENONが、29日に新製品を発表した。冒頭のスライドショーではニッポノフォンが日本で初めて製品化した蓄音機の画像が写し出され、同社が創業100年を超えるオーディオメーカーであることをアピール。さらに1967年に発売された初のヘッドフォン「SH-21」は本物が展示された。
今回登場する新製品は2009年に登場した同社のロングセラーモデル「AH-C710」の後継機にあたる「AH-C720」、上位モデルとなる「AH-C820」、弟モデルの「AH-C620」である。ドライバーは新開発のφ11.5mmを採用。高域の再生限界40kHzをクリアーしたハイレゾ対応モデルとなる。製品解説は開発を担当した成沢真弥氏がおこなった。まず、披露されたのはシリコン製のソフトケース。3モデルに共通する付属品でイヤフォンをしっかり保護しつつケーブルを素早くクルクル巻きながら収納できる。
iPhone用リモコンを搭載したハイコスパな「AH-C620」
iPhone / iPod / iPad対応のリモコンを備えているのがエントリーモデルの「AH-C620」である。
ネオジウムマグネットを使ったφ11.5mmダイナミック型ドライバーを採用している。ハウジングはアルミと樹脂のハイブリッド構造で3モデルで最も軽い6.6gとなっている。ケーブルのタッチノイズを軽減する「ラジアル・カスケード・ダンパー」を搭載。ブラックとホワイトの2色展開で、4サイズのシリコンイヤーピースとコンプライのイヤーチップが付属する。9月中旬発売予定で予想実勢価格約1万円。
低音の量感で迫る正統派後継機「AH-C720」
弟モデルと同じくφ11.5mmダイナミック型ドライバーを採用した「AH-C720」。
ハウジングもアルミと樹脂のハイブリッド構造だが、こちらは音質を重視したのかやや重めになっている。「ラジアル・カスケード・ダンパー」も搭載。スペック的には「AH-C620」とほとんど変わらないが、音質はこちらの方が迫力重視で音にメリハリがあり特に低域の量感に優れている。ブラックとシルバーの2色展開で、4サイズのシリコンイヤーピースとコンプライのイヤーチップが付属する。9月中旬発売予定で予想実勢価格約1万5000円。
ドライバーを2基同相で動かす最上位機「AH-C820」
最上位機種になる「AH-C820」はシングルではなくデュアルでドライバーを使う「デュアルエアーコンプレッションドラバー」を採用。
2基のドライバーを向かい合わせにに配置して同相で動かすことにより、振動板の面積を2倍に増やし、量感ある低音を再生するという。他メーカーでは2基のドライバーを逆相で動かすプッシュプル方式を採用した製品もあるが、中域の制動力が弱くなる、振動板の面積がシングルと変わらないなどの弱点があるとのこと。それぞれ2本のケーブルが直接接続される「デュアルダイレクトケーブル」を使い2基のユニットは接続されている。カラーはシルバーのみで、4サイズのシリコンイヤーピースとコンプライのイヤーチップが付属する。9月上旬発売予定で予想実勢価格約2万2000円。
このあとも50周年を記念してワークアウトやジョギングなどに最適なフィットネスヘッドフォン「AH-C160W」の登場が予告された。そして、最後に同社の新フラッグシップモデルにあたる「AH-D7200」が12月に登場予定であることが明かされた。
ハイレゾ対応イヤフォンの「AH-C620」、「AH-C720」、「AH-C820」。フィットネスヘッドフォン「AH-C160W」。そしてDENONの新フラッグシップモデルにあたる「AH-D7200」。
今回の発表会では、全5機種のアナウンスがなされた。2016年は、DENONヘッドホン販売50周年を迎えることもあり、例年以上に精力的に商品を発表・販売していくという覚悟も垣間見ることができた発表会だった。