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子供のいじめ被害を見抜くために知っておきたい5つのSOSサイン

3年前にいじめ防止対策推進法が施行されたものの、現在でもいじめを苦に自殺する子どもが跡を絶ちません。しかし、我が子がいじめに遭っているのかどうかを判断するのは難しいのもまた事実。教育評論家の親野智可等(おやの ちから)さんは無料メルマガ『親力で決まる子供の将来』の中で、数々の「子どもがいじめられている時に出すSOSサイン」を紹介するとともに、有効ないじめ対策についても記してくださっています。

いじめ!? 子どものSOSに気づくには?

SOSのサインはたいてい、「なんとなく普段と違う」のなかに潜んでいるもの。

表情や持ち物など見た目に変化はないか体重や体調などはどうか、口数や話の内容に変わりはないか、遊びや登下校、金遣いなどの行動面はどうか、親友の転居など環境が変化してはいないか、などに気をつけましょう。そこにSOSのサインが隠れている可能性があります。

SOSの見た目のサイン

SOSの体のサイン

SOSの言葉のサイン

SOSの行動のサイン

SOSの環境のサイン

参観日は家以外の子どもを知る絶好のチャンス

わが子が友達といるときにどんなふるまいをしているかを知ることも、子どもの変化に気づくためにはとても重要。

授業参観はその絶好のチャンスですが、授業中だけだと友達との関係まで観察できません。できるだけ早めに学校に行き、休み時間の過ごし方を見る、居残って掃除中の様子を見るなど最大限に活用しましょう。

また、参観日以外でも、いつでも学校の様子を見に行くことはできます。気になるときは遠慮なく見に行きましょう。

休み時間の過ごし方

1人で過ごしているか友達と過ごしているか。1人の場合、好きで1人なのか、だれかといたいのに1人なのか。友達を避けていないか、避けられていないかなどをチェック。

掃除の班行動

先生の目が行き届かない掃除時間は子どもの素の姿が出るもの。人間関係はどうか、役割分担や協力はどうか、気になることはないか、などをチェック。

帰り仕度の様子

授業中の緊張が解け気持ちが解放された瞬間に、本来の姿が観察できる。カバンを取りに行く途中や支度の最中で、友達との関わりに気になることはないかなどチェック。

会話から子どもの日常を知る

たとえば子どもの学校での様子が知りたくて、「友達はいるの?」「休み時間はなにをしているの?」「だれと遊んでいるの?」といった直接的な聞き方をすると、「別に」「いない」といった返事しか戻ってこない子も多いもの。

とくに親にあまり質問されたくないタイプの子や高学年の子に対しては、「お母さんが子どもの頃はドッジボールがはやっててね…」「○○くんは最近元気にしてる?」など、親が自分のことから話したり、気軽なおしゃべりをするような形で話をきり出すと、子どもも自然と話しやすくなります

子どもと直接かかわりのある大人、とくに担任の先生とはなるべく会話を

子どもは外では家とまったく違う姿を見せていることもあれば、ふるまいを場によって使い分けていることもあります。担任や元担任、保健の先生、学童クラブの先生など、わが子に直接かかわっている大人に話を聞けば、子どもの意外な一面を知れることも。

とくにいちばんの情報源、担任の先生とは、学校へ行くつどひと言でも会話をし、日頃からいい関係をつくっておくことが大切です。

いじめにどう対処する?

もしも自分の子どもがいじめにあっていることがわかったら、必ず念頭に置かなくてはいけないのは、いじめられる子には原因も非も責任もないということ。

そして、とにかく子どもの話をよく聞くこと。急かさず、問い詰めず、その子の痛みをしっかり理解するよう、100%受容的、共感的な姿勢が大切です。

受容とは、その子自身のすべてを、ありのままに受け入れること。そして共感とは、その子と同じ気持ちになり、悲しさや悔しさを自分自身の心の痛みとして感じること

そう意識することで、子どもは安心し、親を信頼して、より気持ちや事実を話しやすくなります。対策を練るには不可欠な情報も、子どもが話してくれないとなにも得られません。肝心なのは、最初の親の姿勢なのです。

1.子どもの話をよく聞く

親がしっかり向き合いうなずきながら聞くと、子どもは自分が受け入れられていることを実感でき、安心します。また、子どもの「疲れちゃうよ」に「そう、疲れちゃうんだ」と共感的に繰り返したり、「息が詰まるんだよ」に「苦しいんだね」など、共感的に言い換えることも有効です

信頼できる親以外の大人から聞いてもらうこともひとつの方法

親だとかえって話しにくい場合や、親子の間に信頼関係がないときには、信頼できる第三者に聞いてもらうこともひとつの方法。たとえば、祖父母、おじさん、おばさん、担任、元担任、保健の先生、塾の先生など。ただし、とても繊細さを要することなので、人選には細心の注意を。

2.子どもを安心させる

いじめられている子にとって、家は唯一の心安らげる場所。家では1人でのんびりと好きなことを楽しめるよう環境づくりをしましょう。また家族とのスキンシップは子どもに安心感を与え、心を安定させます。ときには遊園地など非日常的な場所に連れ出すことも◎。

学校以外の世界をもたせ、ほめて自信をつける

塾、習い事、スポーツ少年団など子どもが学校以外の場所で、いろいろな人間関係をもてるようにすることも効果的。私にはここがあるから大丈夫、と思える場所が学校以外にあればそれがその子の支えになります。自信がもてるなにかと出合える可能性も。

子どもを守るため、登校拒否や転校の覚悟も

どんなに努力をしても状況が改善しないときや、とにかく緊急に子どもを守る必要がある場合は、登校拒否や転校を選択してでも子どもを守ることを考えましょう。転校すれば、今までの人間関係をすべてリセットし、新しい第一歩を踏み出すことも可能です。

担任に対策を依頼。ただし細心の注意を払う

担任や校長の尽力で解決することも多いもの。緊急に担任や校長に依頼するときは手紙より電話がお勧め。直接の面談で依頼するときは、母親だけでなく父親も同行するなど、複数の大人がきちんとした服装で出向き、ことの重大さを認識してもらうことが大切。

気をつける点

元気づけるつもりでつい口にしがちな「勇気を出せ」などは、出せないから困っている子どもにとっては、逆に言葉が詰まってしまう原因に。

「お前が○○だからいじめられるんだ」など、受容、共感とは真逆の、子どもを否定する言葉も絶対に禁句。子どもを追い詰めるばかりなので注意して。

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初出『ESSE』扶桑社

image by: Shutterstock

 

 『親力で決まる子供の将来
5年連続でメルマガ大賞の「教育・研究」部門賞を受賞!家庭教育メルマガの最高峰。教師生活23年の現場経験を生かし、効果抜群の勉強法、子育て、しつけ、家庭教育について具体的に提案。効果のある楽勉グッズもたくさん紹介。「『親力』で決まる!」(宝島社)シリーズは30万部のベストセラー。
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