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「高い授業料だ」と呟く人が商談に向いてない、これだけの理由

「高い授業料だった」というフレーズ、よく耳にしますよね。実生活でも上司や同僚が口にしたシーンに遭遇した方もいらっしゃるのではないでしょうか。ところが…、無料メルマガ『ビジネス発想源』の著者・弘中勝さん曰く、この言葉を使うタイプの人間は商談で損をするばかりか、詐欺にも遭いやすいのだとか。一体どういうことなのでしょう。

安い授業料

よくテレビドラマや小説などで、「高い授業料だった」というセリフが出てきます。

高額のお金を騙し取られてしまったり、大損をしてしまったりした時に、結局は手元に残るものがなくて戒めを教わったという意味で「高い授業料」という言葉を使います。つまり、授業を受けるつもりではないのに授業だけで終わってしまった時の言葉です。

「高い授業料だった」と後悔してしまうのは、すごく大きな原因があります。それは能力不足とか運がなかったことなどだけではなく、もっと根本的な話です。それは、最初から授業料だと思っていないことです。

「失敗しても、いい授業にはなるだろう」と最初から思っている人は、失敗した時に「高い授業料だった」とは言いません。

間違いなく得られると思っていたものが得られなかった場合に出る言葉であって、授業料を払うつもりで払っていない。それなら、最初から授業料を払うつもりでいればいいのです。授業料を払うつもりでいれば、「何の授業で何を得たいのか」という意識でいるから、いろいろなものが見えます。

詐欺師も、こういう人は苦手です。何もわからずにワクワクしている人は簡単に騙せるのですが、「早く騙してどう騙してくれるの?」とワクワクしているような人は、ものすごく警戒します。

騙しの手口を見ようとしているので、目先の利益しか見えてない人に比べると、いろいろなことがバレてしまう恐れがあります。余裕がある人は怖いのです。

最初から「これは授業料のようなものだ」と余裕を持ってお金を使う人には、良い結果がもたらされやすくなります。例えば、高額の原材料の仕入れを検討する時、余裕のない人は、「こんな高額の買い物をするんだから、もし失敗だったら、殺してやるからな」という勢いの形相で商談をしてきます。つまり、相手を大して信用していません。「信用できないなら、来るんじゃねーよ」と、相手だっていい気分はしません。

それに比べて、授業料を払うつもりの人は、損する、得するではなくて、「勉強させてもらいますよ」という姿勢で来るので、「どうぞどうぞ。絶対に損はさせませんよ」と、相手は自信を持って対応してくれます。それどころか、授業料を払ってくれるのだからと、「こういう情報もありますよ」と、さらに良質の情報を追加してくれたりします。「失敗なんていう授業になったら面目ない」という気持ちで、真剣に付き合ってくれるのです。

結局、授業料どころか、成功とともに信頼や情報などのいろんなおまけがついてくる、ということになります。

私はよく「安い取材料」という言葉を使います。何かにお金を投じる決断をする際に、「取材と思えば安い」と考えるのです。もし失敗したり、損をしたりしたとしても、その話をメールマガジンに書けたり、取引先に経験談として語ったりと、ネタがもらえるわけですから、少なくともそのネタ元の取材料にはなります。

どうも騙されている感じがする場合には、「安い取材料ですし」と話しておくと、相手はものすごく警戒をします。たとえ騙して品質の悪いものを売りつけても、後で何を書かれるか、どのように拡散されるか、今後騙しにくくなるんじゃないかと思うわけです。

そもそも、それを安い取材料と思っている人は、いろんな情報をがんがん取材していて、かなりの選択眼を持っているんじゃないかと思ってくれるようなのです。だから、品質のない人は辞退していくし、品質に自信のある人はもっといろんな情報をくれます。

「高い授業料だった」と後で後悔しないように、最初から「安い授業料だ」と思っておく。お金を払うことは授業なのだ、と最初から思っておけばいいのです。

【今日の発想源実践】(実践期限:1日間)

image by: Shutterstock

 

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【著者】 弘中勝 【発行周期】 日刊

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