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在NY猫好き医学博士が語る、日本で報道されぬCIAの恐ろしい技術

先日、トランプ大統領が「オバマに盗聴された!」と発言した問題で、ジョン・マケイン上院議員はトランプ大統領に対して主張の撤回、もしくは証拠を示すように呼びかけています。私たちはこのニュースを「海の向こうの他人事」として聞いていますが、メルマガ『しんコロメールマガジン「しゃべるねこを飼う男」』の著者でNY在住の医学博士・しんコロさんによると、CIAの技術があれば私たちの生活を24時間監視することも可能だ、という衝撃的な持論を展開しています。

科学の視点と社会の分断

さて、先週は研究が立て込んで忙しくしていました。面白いデータが取れ始めていて、そこを掘り下げて行きたいと思っていた矢先に、どうやらそのことに他の研究チームも気付き始めているかもしれないという内部情報が入ってきたのです。なので、急いで頑張らないといけない状況に追い込まれているわけです。

「がんばる」とは言っても、僕たちが医学研究を行うときは、闇雲に手当たり次第がむしゃらに実験をするということはありません。これまで解明されている研究データに基づいて、新しい疑問を投げかけ、理論的に仮説を立てて、そしてその仮説を検証するための実験をデザインします。実験結果が仮説を立証するものとなったら、再現性があるか検証し、そしてさらに掘り下げて全体のストーリーを構築します。

「仮説」というのも、当て勘やあてずっぽのことではなくて、常に仮説には根拠と理由がなければなりません。そして、そのような根拠と理由に基づいた仮説を立証したいという思いがありながらも、常にそれをひっくり返して疑う姿勢をもっていないと科学者は務まりません。「かくかくしかじかだから、こうだろう」という仮説を構築するスキルと、「いや、そんなことはない、なぜならアレやコレやの可能性があるから」という冷静に検証する意識の両方を持ち合わせなければならないのです。頭の中で肯定と否定のオンパレードです。その中で最も行わない行為が断定をすることとあいまいにすること」です。なんだか相反することをしているようですが、そこを矛盾しないようにするために科学的な発想が大事なワケです。

ちょっとカッコイイ風なことを語ってしまいましたが、こういった科学的な心の持ちようはこれからの時代にとても大切だと思うのです。というのも、ここ最近の社会(とくにアメリカ)が「分断された」された状態のときに、できるだけ中立な判断を下すことができると思うからです。先日ツイッターで「電気ショックを2匹のラットに与えると、お互いのせいにしてどちらかが死ぬまで戦う」というつぶやきをしました。そして、「矛先をどちらに向けるべきかよく考えるべき」ということを訴えました。簡単な話、アメリカではトランプが大統領になった後もトランプ派とオバマ派で皆が喧嘩をしているわけです。基本的な心理として「信じる」か「疑う」かしかしないから、そういった喧嘩と分断が起き、非常に感情的になります。「信じるか疑うか」という発想から転換を図って、「現象を見て検証する」という姿勢を持っていたいものです。

というのも、2016年は何を信じて良いか本当に混乱する時代だったからです。その混乱が社会を分断したといっても良いかもしれません。大手マスコミの流す情報と、代替メディアが流す情報が全く逆ということも頻繁にありました。大手マスコミは代替メディアを「偽ニュース」と断定してしまいます。そして大手マスコミが発信するような情報しか、日本には伝えられていません。だから、日本の皆さんが知らされていないことが本当に沢山起きています

例えば、アメリカの経済状況が危機的なバブルだということはインターネット上で多くの専門家が警鐘を鳴らしているのに、ロイターやCNNには「順調な成長で危機とは無縁」的なことがシレッと書いてあります。それに関連して「偽ニュース」とは別で流行っている言葉が「Alternative Factsもうひとつの事実)」です。通常、事実というものは一つなのですが、どれが嘘なのか偽なのかも混沌とした状況だからこそ生まれた言葉だとも言えます。こんな時代だからこそ、「大手メディアが言っていたから本当に違いない」と鵜呑みにするのはよくありませんし、かといって「大手が言うことはすべて嘘」と食ってかかるのもよくありません。科学的な「現象を見て検証」というプロセスができないと、先に挙げたようなラットのような結末となり、人権問題や不和や摩擦が生じると思うのです。そんなことを日々感じて生活しています。

私生活をカメラで24時間公開!

さて、話は変わりますが、以前ブログのコメントかメールかツイッターで「しんコロ家に監視カメラを設置して、24時間しおちゃんの行動を皆が見られるようにしてください」という依頼がありました。つまりこれって「24時間、お宅を監視させてください」というのと同じことです。ざっくり言えばストーカー行為です(笑)。しおちゃんの行動が見られるようにするということは、僕の生活もあるわけですから、タイミングによってはフルチンでフリツケをしていることもあるかもしれないのです。そんなものを見てしまった日には、「不快なものを見せられた!」と苦情をぶつけられることでしょう(笑)。もちろん、僕はフルチンでフリツケはしていませんが、24時間監視カメラで誰かの家を覗いたら、何かしら見たくない場面に出くわす可能性もあるわけです。

でも、もし僕が本当にカメラを設置してみなさんが世界のどこにいてもスマホで我が家を覗けるようにしたらどうでしょうか?我が家にはベビーモニターがあるので、技術的には可能です。もしそうしたら、みなさんは見ますか?「うんうん、みるみる!しおちゃん見るためなら、しんコロのフルチンも我慢するから!」というお答えも返って来るかもしれません。でももし条件として、「あなたの家にもカメラを設置してお互いに24時間監視できるようにするのが条件です」と僕が言ったらどうでしょう?当然のことながら「そんなの嫌だ!」とおっしゃると思いますが、もし公平にするとしたら、お互いに丸見えにするのが筋ってものですよね?(笑)メルマガ読者のみなさんは良識ある方々ばかりだと僕は思っていますが、一方で世の中には「他人のプライバシーは探りたいけど自分のプライバシーは守りたい」と思う人もかなりいるはずです。パパラッチの仕事がなくならず、週刊誌のスクープ記事が売れるのもそういった人間の心理があるからでしょう。ストーカーやパパラッチにプライバシーを探られるのは怖いですが、組織的にでストーカーやスパイをされていたらどんな気持ちになるでしょう?怖すぎですよね。

日本で報道されない話

なんでこんな話をしているのかというと、つい先日興味深いニュースがあったからなのですが、その前にちょっと想像してください。もし日本の警察や公安がみなさんの携帯電話を盗聴していて、スマートテレビを通じて家庭内で起きている映像や音声を記録していたとしたらどう思いますか?そしてそういった技術を可能にするためにみなさんが払った税金をしこたま使っていたとしたら、いかがでしょう?そりゃブチ切れですよね!しおちゃんに家を監視されていたのとは訳が違いますから。

さて、それに関連した興味深いニュースが二つあるのですが、まずは先日トランプがツイッター上で「オバマがトランプタワーの電話を盗聴していた!最低な奴だ!」と発言したニュース。世の中の反応は想像通り「トランプは根拠なく暴言を吐いている、オバマはそんなことしていない」というもので 、また世の中は喧嘩です。「盗聴していたに違いない!」「いや、していたにわけがない!」とメディア上では大騒ぎとなりました。そして二つ目のニュースは、先週3月7日に機密文書などを暴露する「ウィキリークス」が新たに「Vault 7」という一連の機密情報の公開を始めたことです。「Vault 7」によれば、CIAはiPhoneやアンドロイドのスマホ、サムスン電子製のスマートテレビ、ファイヤーフォックスやグーグルクロムなどのウェブブラウザなどをハッキングすることで持ち主の行動を監視できるのだとか。それらのハッキング技術に関する機密文書がバラされたのだそうです。また、自動車の事故防止システムにも侵入して遠隔操作できるのだとか!スパイ映画の中のような話です。

そんなCIAのスパイ技術を使ったら、テレビを見ていたと思ったら、実は逆に見られていた!なんてことも可能だそうで、電源を切っても実際はカメラとマイクがこっそり作動していて、家の中で起きている情報をリアルタイムで監視できるのだとか。これを受けてサムスン電子は「使わない時はカメラをテープで覆うか、もしくはコンセントを抜いて」などというコメントをしたとか。もちろん、犯罪と関係ない一般市民を監視するほどCIAはヒマではないでしょうが、近年は音声認識やAIの進化、ビッグデータを扱う技術が飛躍的に進歩していることを考えると、ごっそりと一般市民のプライバシーを記録し、その中から犯罪性のあるものや、CIAが都合よく使える内容のものを人工知能がスキャン抽出、そして可視化するなんてことも、可能かもしれません。

 image by: Shutterstock.com

 

しんコロメールマガジン「しゃべるねこを飼う男」』より一部抜粋

著者:しんコロ

ねこブロガー/ダンスインストラクター/起業家/医学博士。免疫学の博士号(Ph.D.)をワシントン大学にて取得。言葉をしゃべる超有名ねこ「しおちゃん」の飼い主の『しんコロメールマガジン「しゃべるねこを飼う男」』ではブログには書かないしおちゃんのエピソードやペットの健康を守るための最新情報を配信。

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