日本一、世界一、業界一。なんでも一番は気分がいいものですよね。がしかし、無料メルマガ『ビジネス真実践』の著者で戦略コンサルタントの中久保浩平さんは、目指すべきは目の前のお客さまにとっての一番であって、その努力の先に結果として日本一、世界一、業界一という評価がついてくる、と説きます。
顧客にとってのNo.1
広告やWEB、街の看板やのぼりなどを見ていると時々、
業界売上No.1
店舗数全国一
実績No.1
顧客満足No.1
○○地区No.1
日本一の○○店
など色々な日本一、世界一、業界一といったフレーズを見かけます。
あるいは、No.1を目指します! といったフレーズなんかもあります。
そんなフレーズを目にすると「元気があっていいなぁ。」なんて思ったり「ほんとにそのとおりになってるのかなぁ。」などと勝手に想像してみたり…。
例えば、ラーメン屋さん。
日本一うまいとんこつ専門店。
日本一うまい中華そば。
なんて看板を掲げていたとしても、来店するお客様100%全て、「うん、日本一だね。」と感じることはほぼないでしょう。
最低でも100人中1人や2人は「思ってたのと違うな?」と感じると思います(味の善し悪しは別にして)。それはでも当然のことですよね、味は人それぞれ好みがありますから。
たとえ「評判のとんこつ専門ラーメン店」に行ったとしても、その店の味付けに微妙に合う合わないもあるでしょうし。
何が言いたいのか? と言うと、
日本一! とかってことじゃなくて、目の前のお客様にとっての一番を目指すのが商売、ビジネスの根本にあるってことです。
あるお客様にとっては、このA店が日本一。
あるお客様にとっては、あっちのB店が日本一。
A店であってもB店であっても、お客様にとってはどっちも日本一です。そんなお客様の中で一番の存在にあることを目指しましょうよってことです。
目の前のお客様にとってみなさんの会社やお店が一番である。
そんな風に感じてもらう。
その為にできること、工夫は惜しまない。
そんなことを繰り返していく中で、いつの間にか、本当の地域一番、日本で一番、業界No.1といわれるようになっている。
かっこいいと思いません?
こんな話があります。
以前、お世話になっていたA社の社長さん。とあるメーカーの販売代理店を営んでいらっしゃいます。
全国に多数ある販売代理店の中で、4年連続売上No.1の時期があったそうです。事務所内には、その輝かしい実績を物語る表彰状が額縁に入れられ、綺麗に並べられてあります。
この時というのは、とにかく商品をドンドン売り、営業マンを増やし、商圏規模を拡大し会社を大きくすることに力を入れていた、いやっ、入れすぎていたと仰っていました。とにかく会社を大きくしようとすることだけに躍起になっていたと仰っていました。
その結果が、4年連続全国で売上No.1だった、という話。
その後は、業界内に新規参入があり価格競争に巻き込まれ、顧客離れも続出。その煽りを受け売上が激減していきました。倒産こそ免れましたが、余儀なくリストラ、規模縮小という事態になったそうです。
それからというものの地域密着に徹した戦略にシフトチェンジし顧客との繋がりに最も力を注ぐようになりました。
過去ほどの輝かしい実績まで行かなくとも、顧客から愛される企業として今尚、頑張っていらっしゃいます。
このA社の社長のお話を聞き、売上全国一番を目指すことも目標や志しとしては良いことですが、その前に、顧客との感情の繋がり、顧客が御社を一番! と感じてもらう、また、そう言って貰う、このことの方がよほど重要なことでは、と痛感しました。
また、企業としてではなく1人の営業マンとしてであっても、他の誰でもない「あなたが担当だから。」と感じてもらう、そんな風に言ってもらう。
そんな顧客を1人作ることを目指すことが、遠いようでトップ営業マンになる近道である、そんな風にも感じます。
なんて言ったところで、じゃぁ実際どうするの?ってことになると思いますが、難しく考えることなく、お客様に
「なぜ私を選んでくれたのか?」
「なぜ弊社を選んでくれたのか?」
「なぜ当店を選んでくれたのか?」
その辺りをよくよくお客様に聴くことからはじめ、お客様との語らいを繰り返していけば良いと思います。
そんなことを繰り返していくだけでもお客様との関係はかなり違ってくるでしょう。いや、それだけでなく改善点や伸びしろなど今まで見えなかったも見えてくるでしょう。
目の前のお客様にとってまずは、1番の存在になる。それがやがて気がつけば、業界、地域で1番、といわれる存在になっていくのではないでしょうか。
今日のまとめ
『顧客にNo.1と感じてもらうこと。』
- 最も好意にして下さっている顧客の名前を書き出す。
- そのお客様に対して「なぜ弊社(あるいは私)を選んでくれたのか?」という質問をしてみる。
※但し、価格以外の判断理由を聞いてみること。
image by: Shutterstock
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