「スキルアップをしたい」と思っていても、現状のステージからなかなか抜け出せないという悩み、よく聞かれます。今回の無料メルマガ『ビジネス真実践』では著者で戦略コンサルタントの中久保浩平さんが、どうすればその一歩を踏み出せるようになるのかをレクチャーしています。
意識を変えると言っているようじゃ無理
自分の能力やスキルを高めてさらなるステージを目指すという方は、たくさんいらっしゃいます。ですが、そのような思いや、やる気はあるものの実際に能力やスキルが目に見えてレベルアップしているという人は極少数派です。
その主たる理由は、現在いるステージ(場所・取り巻く環境)から抜け出せないという人がほとんどだからです。現在あるステージに安心していたり、居心地がよかったり、と、今いるステージをなかなか捨て切ることができないでいるのです。
たとえば、「○○の資格を取ってレベルアップを目指す!」と決め、教材を購入し自宅で通信教育を始めたとします。週に3日(月・水・金)の21時から23時までの2時間は、必ず勉強の時間に費やすと決めたにも関わらず、飲み会の誘いがあり、断りきれずに金曜日の夜、21時には居酒屋にちゃっかりと座っている。「まっ、1日くらいいいか。明日その分取り返せばいいや」と。要は、自分で決めたことであってもちょっとした隙や誘惑に負けてしまうんです。
人は強いものでもないですし、誘惑には負けてしまうものなので、別にそれが悪いとは言いませんが、自分で決めたことにすら取り組めないのであればいくら意識が高いといっても、それでは成長にもレベルアップにも繋がることはありません。当然、さらなるステージへ上ることは出来ません。
今より能力・スキルを高め、ステップアップしたいのであれば、それこそ時間活用が重要ですし、現在のステージを捨てきる勇気を持つことが重要なのです。「そうはいっても付き合いがあるし…」と言ってしまった時こそ要注意です。そのセリフこそが、今あるステージに安住している証拠で、そこから抜け出せない原因なのです。
たとえば、月に1度、仲間内で集まり、色々と互いのビジネスについての課題点や目的、目標なんかを語り合うというようなビジネス勉強会を始めたとします。勉強会が終わると、親睦会と称してそのまま居酒屋に流れ込みます。その親睦会が、幸か不幸か思いのほか盛り上がります。もう翌月からは、親睦会がメインになってしまい勉強会はそこそこに、居酒屋でワイワイやるのが楽しくなっていきます。そして、いつの間にか何のきっかけで集まったのかすら誰も思い出せないほどに。あるいは、誰も「ちゃんと勉強会はやろうぜ」と言い出せなくなる。
極端な例ですが、居心地の良さから抜け出せないというのはこういうことです。向上しようとする意識がどれだけあっても、実際に態度や行動が伴わなければ全く意味がありません。次から次へ自分の能力を高めていく人というのは、決して現在あるステージに安住することはありません。自ら進んでその時々のステージから抜け出していきます。そして、新たなステージで、これまでとは考えや行動が違った人達と出会います。それの繰り返しです。
自分にとって、今より高いステージはどこか? 自分にとって、価値あるステージに辿り着くには何が必要か? 何をどのようにしていけば、次のステージを目指して進んでいけるのか? など考え、態度や行動で示すことでしかステージアップは図れません。意識を変えようなんていうことだけではどうしようもありません。
自分の能力でもスキルでもなんでもいいですが、「とにかくさらなるステージを!」という人は、どのような環境に自分の身を置く事がベストなのか、今いるステージに安住しているのなら、それをどう捨てきるか、を考えておく必要があります。それこそが、自分なりの次のステージを目指す地図となり、自分自身をさらなる高みへ誘います。
■今日のまとめ
『さらなる高みを目指すなら意識を変えようじゃ無理。』
- 現在の自分にとって1段階上のステージとはどういうものか? イメージし、具体的に書き出してみる。
- 上記に書き出したステージに上がるために捨てなければならないものはなにか? 到達するために必要なことはなにか? ノートに書き出す。
- 上記2点を年に少なくとも1回は定期的に実践する。
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