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面接で「膝みせて」。美女軍団シンガポールエアラインCAの苦悩

12日に米朝首脳会談が開催されたシンガポールは世界中から注目の的となりましたが、お祭り騒ぎの裏で「シンガポール・ガール」が抱える闇の部分を明かし、自らのCA体験を例に一石を投じたのは、健康社会学者の河合薫さん。河合さんは自身のメルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』で、世界一採用基準が高いことでも知られる「シンガポールエアライン」の美女CA軍団の労働条件についてユーモアを交えつつ、その過酷さについて指摘しています。

※本記事は有料メルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』2018年6月13日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:河合薫(かわい・かおる)
健康社会学者(Ph.D.,保健学)、気象予報士。東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(Ph.D)。ANA国際線CAを経たのち、気象予報士として「ニュースステーション」などに出演。2007年に博士号(Ph.D)取得後は、産業ストレスを専門に調査研究を進めている。主な著書に、同メルマガの連載を元にした『他人をバカにしたがる男たち』(日経プレミアムシリーズ)など多数。

「シンガポール・ガール」のリアル。膝小僧見せて!

半年前までは誰も想像していなかった「会談」が行なわれました。日本中の記者たちが集い、NHKは一日中現地の様子を中継し……、トランプ大統領とキム委員長は合意文書に署名

なんか……映画だなぁ~などと思ってしまったのは私だけでしょうか?

つまり、先日の会談も含め、これまでの米朝、トランプ大統領とキム委員長、「一発触発だ!」とつい先日まで騒ぎまくっていたメディアや専門家の人たち、直前の「やらないかもね~」etc etc……、そして、改めて先日のツーショットで感じたお二人の年齢差…、そのすべてが、完璧に演出されたストーリーのようで。

その裏に隠れているであろうリアル」に、逆に興味が湧いてしまったのであります。

とはいえ、私は外交の専門家でもなければ、北朝鮮通でもない。ましてやトランプ一族と知り合いでもありません。ですので、今回はシンガポールのことについてお話します。

シンガポールといえば、SQ。SQといえば「Superior Quality」 。「最新鋭の翼とやさしいおもてなし」を基本理念とするシンガポールエアラインです。

実は私が「国際線のCAになりたい!」と憧れたのは、大学時代、アラバマ大学に短期留学する際、シンガポールエアラインで渡米したのがきっかけでした。

機内でサービスをしてくれるCAがとにかく美しい! 英語、日本語、中国語、フランス語を使いこなし、腰まで大きくスリットの入った制服を着こなし、エキゾチックな瞳とちょっとばかり焼けた肌が美しくて、かわいくて。

「かっこいい!!国際線のCAになろう!」

それまで「世界を股にかける仕事をしたい!」という漠然とした夢が、具体化したのです。

そこで当時、学生に人気だったANAの国際線CAを志願。とまぁ、ここでSQではなくANAを目指すところが、私のアホさ加減というかノー天気さなのですが(苦笑)。とにもかくにもあの時、シンガポールエアラインの超美しいCAに出会ってなければ、今の私はなかったのであります。

実はSQのCA採用試験は、世界一厳しいことでも知られています。CAの美しさも「Superior Quality」の大切な要素という価値観のもと、CAたちは「シンガポール・ガール」と呼ばれ、シンガポールの象徴なのです。

トレードマークでもある、胸元が大きく開き、スリットが大きく入った衣装はサロンケバヤと呼ばれ、女性をもっとも美しく見せるシルエットが施されています。

CAの採用の面接では「膝を見せて!」と言われると、SQを受けたことがある同期が教えてくれました。膝が小さい人は、採用時に少々ぽっちゃりしていても痩せさえすれば脚が細くなる。ところが膝の大きな人はどんなに痩せても、スラリとした脚にはならないというのです!

しかも、肌はツルツルでなくちゃダメ。鼻の頭にニキビが出来たり、お肌がかさついていたらアウト! 

外見だけでなく中身も大切で、特に言葉は母国語だけでなく、英語は品よく話せないと、これまたアウト!

さらに、CAの定年は30歳! そう30歳です!

私がANAに入社した時、CAの定年は60歳でした。でも、教官(当時35歳くらい)はいつもこう言っていました。「あなたたちは60歳定年は当たり前って思うかもしれないけど、私(教官)たちが入社したときは30歳だったのよ」と。

そうなんです。かつてCAの定年は30歳で、その年齢を超えて飛び続けたあるCAに合わせて、定年も伸びていったといわれています。

現在、ANAでは60歳を超えても客室乗務員として働けますし、今年度からは選択の幅を広げ、地上職として働き続けることもできるようになりました。

ちなみにアメリカ系エアラインには、定年という概念がありません。年に一度の保安訓練をパスすれば、ずっと飛び続けられます。

なのにSQは、今だに30歳! めでたく採用されても、サロンケバヤが着こなせない体系になると解雇されるという話も聞いたことがあります。

いやはや、今の日本では「女性差別だ!」と大騒ぎになりそうですが、CAの美しさも「Superior Quality」という価値観を、創業以来貫いているのがSQなのです。

ん? 30を過ぎると美しくないってこと??…あまり深く考えるのはやめておきましょう。ちなみにSQには男性の客室乗務員もたくさんいますが、男性に定年があるかどうかは不明です。

image by: Sorbis / Shutterstock.com

※本記事は有料メルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』2018年6月13日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

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デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』(2018年6月13日号)より一部抜粋

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米国育ち、ANA国際線CA、「ニュースステーション」初代気象予報士、その後一念発起し、東大大学院に進学し博士号を取得(健康社会学者 Ph.D)という異色のキャリアを重ねたから書ける“とっておきの情報”をアナタだけにお教えします。
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