職場で「時間のムダ」と思われているもの、それが「報告会」です。そんな長いだけで話がなかなか先に進まない報告会について、無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』の著者で接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんは、思考を一切引き出さないムダなものだとした上で、その改善方法を紹介しています。
思考を引き出す会
どんな職場でも、無駄な時間を使わされるというのが一番嫌なものだと思います。やりたい仕事も溜まっている仕事もあるような状況で、無駄だと感じてしまうような時間を強制されると、とてもテンションが下がりますよね。余計な労力だって使うことになるので、極力そういう場面は避けたいところです。
そして、そんな無駄な時間を使わされてしまう典型例が、思考を引き出すことのない会ではないでしょうか。
よくあるのが、報告会です。会議やミーティングなどという名目で、「こんなことがありましたよ」「こんな結果が出ましたよ」という報告をするだけの会のことですね。個人的には、これほど、時間の無駄だと感じることはありません。
なぜこれが無駄に感じてしまうかというと、紙やメールなどの事前資料で済んでしまうからです。読めばわかる、見ればわかるというような報告のために時間を使わされるのは、本当に無駄でしかなくて、それならば、別の方法で共有すればいいだけですよね。
本当に時間を使う必要があるのは、その報告(共有)を受けて、そこからどうしていくかを話し合い、決めていくことです。「こんなことがありましたよ」で終わるのではなくて、「だから、これからどうしていく?」。「こんな結果が出ましたよ」で終わるのではなくて、「その結果を活かしてどう動く?」が大事なわけです。
こうして、参加者それぞれの思考を引き出す会になっていなければ、その会の意義はとても薄いものになるでしょう。ですから、会議や簡易ミーティングなどに時間を割くなら、必ず参加者の思考を引き出すことが求められます。
ただ、こういう話をすると、「いや、でも、意見を言わせようとしても、なかなか意見が出てこないんですよね」ということを言われます。でもこれも、やり方の問題だったりします。
なかなか意見が出てこないという会の場合、その会の中で報告(共有)をして、意見を求めようとします。即座に意見を出せる人ばかりの集まりならいいでしょうが、例えば経験の浅い新人さんや、普段あまり意見を言わないような人が集まっていると、そりゃ意見は出ません。考える時間も足りないし、急に言われても困るよと嫌気がさす人もいるでしょう。
だったら、最初からそのことを伝えておけばいいのです。事前に、報告と共有を済ませた上で、「今度のミーティングでは、この結果を踏まえて、これからどうするか意見を出してもらうから考えておいてね」と伝えておけば、考える時間も余裕も生まれます。
慣れていない頃は、大した意見が上がらないかもしれませんが、何度もそうして続けて習慣化することで、徐々に意見もまとまり出し、短い時間でも充実した会になっていくのです。そうして、とにかく参加者に思考をさせ、向上のための意見を出し合うことができれば、よくわからない会に、無駄な時間を割くこともなくなります。
ぜひ、自社や自店で行なっている会について考えてみてください。
今日の質問です。
- あなたの店や会社で行なっている会議や話し合いは、思考を引き出すような会になっていますか?
- なっていないとしたら、どうやって思考を引き出せるようにしていきますか?
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