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三木谷氏「日本の半分が楽天スマホを使うようになる」の荒唐無稽

去る7月17日に行われた、楽天市場の加盟店に向けたイベントで「携帯キャリアへの参入」について語った、楽天の三木谷浩史CEO。そこで「日本人の半数は楽天スマホを使うことになる」「ドコモ、au、ソフトバンクを抜いて日本一のキャリアになる」と大風呂敷を広げた三木谷氏ですが、ケータイ/スマートフォンジャーナリストの石川温さんは、自身のメルマガ『石川温の「スマホ業界新聞」』で、以前から指摘されているネットワークの整備に関する疑問点などについて明確な対策を示さなかった三木谷氏を「荒唐無稽」と一刀両断しています。

三木谷浩史CEO「日本人の半分が楽天のスマホを使うようになる」━━キャリア参入に向けて「技術力でブレイクスルーする」と宣言

楽天が、加盟店向けのイベント「Rakuten EXPO 2018」を7月17日に開催。三木谷浩史CEOの基調講演があるということで取材に行ってきた。

キャリアへの新規参入に関して言及があるかと期待していたのだが、基調講演の最後になって「携帯キャリアへの挑戦」として、参入の目的が語られた。

三木谷CEOとしては「6、7年前はスマホからのアクセスがPCを上回るなんて考えれなかった」として、改めてスマホからの楽天へのアクセスが重要になっていると力説。いまでは、楽天市場における流通総額の66.5%はスマホからのアクセスになっているという。特に元日においては、76.7%までスマホの流通総額比率が高まるとのことだ。

三木谷CEOは、楽天がキャリアに参入する一つの理由として、「家計における通信費の比率が上がっている」というのをあげた。ただ、ソフトバンクも参入当初は料金競争を仕掛けてきたが、結局、他の2社と横並びになっていっただけに、楽天の意思表示も聞き流しておいてよさそうだ。

楽天では、9700万の会員を抱え、ポイントプログラムにおいても、対応店舗が70万店、累計発行額1兆ポイントという点が強みであるとした。

特にEコマースのマーケットプレイスの流通総額が国内ナンバーワンであり、クレジットカードもショッピング取扱高6.1兆円、MVNOも3年で150万回線を獲得したことが、キャリア参入への自信につながっているようだ。

三木谷CEOは「いずれ、日本人の半分は楽天を使う」と言い切り、将来的にはソフトバンク、KDDI、NTTドコモを抜いて、国内ナンバーワンのキャリアになるとした。

楽天に関してはネットワークの整備について、かなり疑問視されているが、三木谷CEOは「いままでにない技術でブレイクスルーする」と胸を張った。

ただ、それが具体的にどういった技術で、いつ投入するかなどについては、一切明らかにされることはなかった

今回、イベントには楽天市場に出店している通販サイト関係者4000名以上が参加していることもあり、「楽天がキャリアになり、日本人の半分が使うことで、通販サイトへのアクセスが増え、楽天経済圏が拡大する」とアピールしたかったようだ。

楽天市場に参加する通販サイト関係者という、身内のような人たちの気持ちを煽るには理解できなくもないが、もうちょっと具体的に「どういった技術でブレイクスルーするのか」「なぜ、日本人の半分が使うキャリアになれるのか」という点をしっかりと説明してほしかった

あのソフトバンクでさえ契約者数ではNTTドコモをいまだに超えられていないことを考えると、三木谷CEOの発言はかなり荒唐無稽に聞こえてしまうだが、大丈夫だろうか。

image by: shutterstock

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日経トレンディ編集記者として、ケータイやホテル、クルマ、ヒット商品を取材。2003年に独立後、ケータイ業界を中心に執筆活動を行う。日経新聞電子版にて「モバイルの達人」を連載中。日進月歩のケータイの世界だが、このメルマガ一誌に情報はすべて入っている。

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