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自己肯定感の高い子は親からどのような声掛けをされているのか?

太平記には、「獅子は子が生まれて3日経つと、万じんの石壁より子を放り投げ、這い上がってきた子供だけを育てる」との言い伝えが、あるべき教育観として記されています。そんな「〇〇ができたら」的な考えに異を唱えるのは、長く人材育成に携わってきた石丸智信さん。石丸さんは自身の無料メルマガ『起業教育のススメ~子供たちに起業スピリッツを!』で今回、自己肯定感ひいては主体的な成長を育む教育法を紹介しています。

自己肯定感を高める発信とは

人の成長、人財育成を考えていく上においては、まず相手の存在を認めることが大切と言えます。

私たちは、相手の存在を確認するために、相手に対して色々と発信をしています。例えば、相手への声掛けや顔の表情、態度などを通じて発信してしますね。相手の存在を認める発信としては、言葉が主な手段と考えがちですが、相手に対して言葉では肯定的なことを言っているのに、表情や態度、声のトーンは、そのようになっていないこともあります。

本号では、相手への発信として、言葉だけでなく顔の表情や態度などを含めた発信をテーマに考察していきたいと思います。

自分から相手への発信には、肯定的な発信と否定的な発信があります。肯定的な発信とは、褒める、認める、励ます、共感する、受容する、労うなどといった肯定的な意味が込められた声掛け、表情、態度のことです。

反対に、否定的な発信とは、怒鳴る、罵る、見下す、無視、認めないなどといった否定的なニュアンスが込められた言葉掛け、表情、態度のことです。

また、肯定的な発信と否定的な発信をさらに2つに分けることができます。

分ける基準としては、条件を付けるか付けないかです。

に分けることができます。

ここからは、子どもたちへの肯定的発信と否定的発信について考えてみます。

例えば、子どもたちが逆上がりができなかったとしましょう。皆さんは、逆上がりはできましたか? 私は、逆上がりをはじめとした鉄棒や跳び箱、マット運動などといった器械運動は苦手でした。

逆上がりができない時の条件を付けない肯定的な発信としては、

「○○(名前)が逆上がりができようとできまいと、○○は私たちの子どもだからね

というような声掛け、態度などが考えられます。また、条件が付いた肯定的な発信は、

「○○は逆上がりさえできるようになってくれればいいんだけど…

などといったニュアンスの言葉掛けや表情、態度などが挙げられます。条件を付けた否定的な発信として考えられるのは、

逆上がりもできないような○○だったらダメだよ

といった意味が入った発信となります。そして、条件を付けない否定的な発信は、

逆上がりができてもできなくても、○○はダメ!

というようなメッセージが込められた言葉掛けや顔の表情、態度が考えられます。

この4つの発信の中では、子どもたちが自ら成長していって欲しいということで、子どもたちの存在を認めようとしているので、条件を付けない肯定的な発信が理想だと言えますね。

肯定的発信と言っても、条件を付けるということは、文字通り、何らかの条件を満たさないと相手のことを認めないということになります。

子どもたちに限りませんが、条件を満たさないと認めてくれないので、周りからの評価を必要以上に考えるようになり、何をやってでも条件を満たして評価を得ようと考えてしまうかもしれません。加えて、周りからの目が気になってしまって、主体性を持って成長していこうとは考えられないのではないでしょうか。

昨今言われている子どもたちをはじめとした若者の傾向として、自分に自信がないとか、自分自身に対する肯定感や重要感が希薄とか、そういったことが、メディア等を通じて聴きます。また、経営者をはじめとした組織のリーダーの方々からも、そういった傾向があることを聴く機会がありました。

条件を付けない肯定的な発信をすることによって、子どもたちは、「自分は無条件に認められているんだという安心感が得ることになり、自己肯定感・重要感を高めることにもつながるでしょうね。

また、自己肯定感・重要感を高めることは、自分自身に自信を持つことにもなり、自らが主体的に成長していこうという姿勢にもつながると思うので、子どもたちが、自ら伸び伸びと成長していく上では、子どもたちに向けての条件を付けない肯定的な発信も大切なことだと言えるのではないでしょうか。

※ 参考文献:『コンサルタントの「解答力」』野口吉昭・著/PHP研究所

image by: Shutterstock.com

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【著者】 いしまるとものぶ 【発行周期】 週刊

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