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「改善」と「その場凌ぎ」の違いが分からぬ経営者が会社を潰す

「早く何とかしないと」という状況に陥ってからその場凌ぎで乗り切っている経営者は、いずれまた窮地に追い込まれると断言するのは、無料メルマガ『ビジネス真実践』の著者で人気コンサルタントの中久保浩平さん。中久保さんは今回の記事で、その場凌ぎの恐ろしさを説くとともに、そこから抜け出す方法を解説しています。

結局、お手あげ

経営、事業運営をしていると様々な問題や課題が山積みになり、「ヤバイ!このままでは…」「早くなんとかしないと…」という状況になってから、ご相談をされる方がちょこちょこといらっしゃいます。正直、そうした状況になってからご相談いただいても手の施しようが無いという場合があります。

詰め将棋のごとく、完全に行き詰ってからでは次の一手が打てません。大抵、そうしてご相談される方というのは、計画や準備といったものが、言葉は悪いですが、適当であったり、数字数字を追いすぎて軸がブレまくっている、という場合が多いようです。

ですので、ほんとに抜本的な改善や改革が必要になってくるので、そうしたことをご助言・ご提言したところで、改善していく時間すら無いので受け入れられない、ということになってしまい、挙句の果ては、現状さえなんとかなれば…と小手先のテクニックやノウハウモノなんかに走っていきます。そして、たまたま上手く行ってしまいます。しかし、しばらく経てば、また同じように「何とかしなければ…」なんてことを言っているのです。

その場凌ぎで取った行動が、たまたま上手く行き、「なんとかなるもんだ」と慢心して、ほんとに必要な改善や改革をせずまま、その場をやり過ごしてしまう。その結果、成長どころか、また同じ苦境に逆戻り…は、まだマシなほうで、以前より追い込まれるケースも少なくありません。まさにネガティブワールドにどっぷりです。

このようにその場凌ぎで凌ぎきれることは、成長もないし会社としても強くなれずノラリクラリで行ってしまう体質が出来てしまうので、ほんとに一番恐いです。

とある建築関連の会社で、「最近、受注がメッキリ減ってしまった。なんとかしなければ…」と行き詰っていました。半年くらいして、その会社に行ってみると、「同業者が増えてきて、益々ヤバイ…」なんてことになっていて、窮地に追い込まれていました。「でも、半年前にちゃんとした手を打っていれば、周りに新参が増えたところで、別にどうってことなかったんじゃないですか?」なんてことを尋ねてみると…、「営業マンも増員しましたし、お得意先周りも、徹底しました。他社より価格も下げてなんとか乗り切りました」と応えてくれました。

確かに、策を講じたことになるのかも知れませんが、それはあくまで「その場凌ぎ」に過ぎず、手を打っていないと同じことなのです。結局は営業マンの数を増やし、価格競争の渦に自ら飛び込むなどしてその場は凌げた、だけに過ぎません。

要は、半年前…何も手を打っていなかったことになります。半年経って、周りに新参が増えて戦々恐々としてしまっているということは、何も変わっていない、ということなのです。つまり、その場だけで何とかなっても次にどんな脅威にさらされるかという注意や危機管理が散漫であったり、会社の変化、成長といったものにまで行き届かず、目の前にある事象だけを捉えているだけで、 完全に本来のあるべき姿を見失っているのです。「受注が減った」という経験を活かしきれていないのです。

と、このような話をすると、「うちはそんなことはない!」「俺は大丈夫だ」と思う人も多いと思いますが、結果的に、同じような憂いな目に会う、会社やお店は結構あったりします。勢いだけで上手く行っている会社やお店に多かったりします。

「今のままでは…変えていかないと…」「何とかしなくては…」。口ではいくらでも言えます。が、結局は何も取り組んでいないし、先送りにしてしまう。そして、行き詰った時に、はじめて気がつくのです。それでは、結局、何もやっていないのと同じことなのです。あるいは「とにかくなんとかしないと」という言葉を免罪符にして「その状況」を先送りしているだけ、逃避しているだけなのです。

なんとかしないと、というだけでなんとかなるはずもありません。なんとかしないと、と、その場凌ぎで何とかなったところで、その先、また同じようなことを繰り返すことになります。その場凌ぎではなく、ブレない先を見据えた準備・行動を普段からしておくことは、ほんとに大切です。行き詰ってからでは遅いのです。

■今日のまとめ

「その場凌ぎは所詮その場凌ぎ」

image by: Shutterstock.com

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【著者】 中久保 浩平 【発行周期】 毎週:火・木午前8:00発行※祝日の場合は翌日

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