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カリスマ稲盛和夫も尊敬する「二宮尊徳」はどんな人だったのか?

京セラの創業者で経営のカリスマと呼ばれる稲盛和夫氏。そんな彼が「魂を磨いて生きる」お手本として名を挙げるのは、二宮尊徳です。現役弁護士の谷原誠さんは自身の無料メルマガ『弁護士谷原誠の【仕事の流儀】』で、稲森氏の著作を引きながら、人格を高める仕事の仕方について記しています。

稲森式人格を磨く方法

こんにちは。弁護士の谷原誠です。

京セラの創業であり、JALを再生させた稀代の経営者である稲森和夫氏のベストセラービジネス書に『生き方』(サンマーク出版)があります。この書籍の中で、稲森氏は、「人格を練り、魂を磨いて生きることが大切だ」と説いています。そして、人格を練り、魂を磨く方法としては、山にこもり、滝に打たれるなどの修行は必要ではなく、俗世間で日々懸命に働くことこそが大切だと説きます。その例として二宮尊徳を挙げます。

二宮尊徳は、生まれも育ちも貧しく、学問もない農民でしたが、朝から晩まで田畑でひたすら誠実、懸命に農作業に努め、働き続けました。ただひたすらに農作業に邁進したということによる能力で疲弊した農村を次々と再生させる、という偉業を成し遂げています。そして、ただひたすら農作業に邁進したという業績で、徳川幕府に登用され、諸侯の中で殿中に招かれるまでになります。その立ち居振る舞いは、作法を習ったわけではないのに威厳に満ちていたと言います。

稲森氏は、この二宮尊徳の例を挙げ、田畑での精進が、自分でも意識しないうちに、彼の内面を耕し、人格を陶冶し、心を研磨して、魂を高い次元への練り上げていったのではないか、と考察しています。

他人を騙そうとして働いたり、なるべくサボりながら高い給料をもらいたい、などと考えていたら、もちろん人格を磨くことはできないと思います。貨幣経済においては、そもそも仕事とは労働をしその対価として誰かがお金を払ってくれるものです。お金を払う、というのは誰かの役に立っている、ということです。役に立たなければお金を払ってはくれません。その誰かの役に立つ行為を真剣に誠実にやり抜いていく行為は、人格を高めることにつながるものだと思います。

私は弁護士ですが、ただお金のために働き、なるべく楽をしようとしていたら、生活は堕落し、劣悪な人格者になりそうです。しかし、困っている人の権利を守り、困っている人を助けることに全力を傾け続けるならば、人格が磨かれていくものだと思います。

仕事を通し、人生の修行をすることについて、もう少し考えてみたいと思います。

「俺は、依頼に対して、全力を尽くして遂行する…そして、その結果に生じるすべての責任を追うのも、俺のルールだ…」(ゴルゴ13)

今回は、ここまでです。

image by: shutterstock

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【著者】 谷原誠 【発行周期】 不定期

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