アメリカで感謝祭の翌週の火曜日に広がっている#GivingTuesdayというハッシュタグ。寄付を呼びかける社会ムーブメントについて伝えてくれるのは、『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』の著者でNYに住むりばてぃさん。1年を無事に過ごすことができたことを感謝し、ギフトを贈る習慣と結びつき、浸透するアメリカの寄付事情を紹介しています。
与える火曜日、Giving Tuesday
去る11月27日(火)は、ギビング・チューズデー(Giving Tuesday)。直訳すると「与える火曜日」とよくわからないが、要は、寄付をする日。毎年、11月の感謝祭翌週の火曜日に呼びかけられる社会ムーブメントである。
ニューヨークにあるNPO非営利団体の92Yと国連が2012年に共同で呼びかけたもの。2018年で7年目とまだまだ歴史は浅いが、すでに世界中の国々で何かしらのギビング・チューズデー活動が見られ、50カ国は独自に公式サイトを作成し大々的に呼びかけているという。
ご参考:
●The global movement
皆さんの中にも、ソーシャル・メディア上で#GivingTuesdayというハッシュタグをみかけたという人がいるかもしれない。アメリカでは、大小規模関係なく、そこかしこで#GivingTuesdayと呼びかけがされている。例えば、地元の学校の設備を良くするための寄付金や、特定の団体への寄付金などなど。当然、赤十字などメジャーなNPO団体も寄付を呼びかけており、特に近年では自然災害が多いため、寄付金は非常に重要で助かっているとコメントしている。
ちなみに、2017年のギビング・チューズデーのアメリカの寄付総額は2億7,400万ドル(1ドル113円換算で約312億円)、250万人が寄付をしたそうで、2016年と比較して55%増と年を重ねるごとにムーブメントは広まっているそうだ。
ご参考:
●How to make a difference this Giving Tuesday(動画ニュース)
もともと、感謝祭は、その年の収穫を祝い、1年を無事に過ごすことができたことを感謝する日なので、その感謝の気持ちを込めて家族や親しい友人にギフトを贈る習慣がある。
そこに合わせて1年に1度の大セールのブラック・フライデー、中小企業を応援しようというスモール・サタデー(カード会社のアメリカン・エクスプレスが主導して始まった地元店舗での買い物促進キャンペーン)、翌週月曜日のEコマースのセールのサイバー・マンデーと買い物促進キャンペーンが続くので、ホリデーの重要な精神として誰かに「与える日」を作ろうと呼びかけられたのだ。
もともと、ホリデー期間に寄付をするという人は少なくなかったと思うが、改めて、#GivingTuesdayと呼びかけることで、より多くの人が寄付をしようと考えるようになっていると思う。
ちなみに、寄付金はちゃんとしたNPO団体への寄付であれば税金控除の対象となるので、税金対策の一環として寄付する人も多い。特に、昨年の税法改正により、控除対象となる個人の寄付総額が変わったため、ニュースになっているが、「税金控除関係なく寄付したい方は多いし、控除対象にするために昨年より多く寄付する人もいるだろう」という金融関係の専門家がコメントしていたりする。
ご参考:
●How to make the most of Giving Tuesday
ところで、寄付の方法にはシンプルに現金を贈る他、飛行機のマイルやカードのポイントを寄付できたり、特定のハッシュタグをツイートするだけで食の支援団体に寄付する企業などなど、その仕組みは様々となっている。
ご参考:
●Here’s What Businesses Are Doing For #GivingTuesday
あまりにも寄付の呼びかけが多いので、どこを選んだら良いかをアドバイスする記事も多数掲載されるほどとなっており、なかなか興味深い。
ご参考:
●How To Make A Good Charitable Choice On Giving Tuesday And Beyond
●Giving Tuesday campaigns that’ll help you make a difference
1年が終わるからこそ、今年できることはないのかな?と改めて考える人が多いのかもしれない。
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