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対話が弾み良い子に育つ。小学1年生から始める親子作文のススメ

何を書いても、どう書いてもいい作文だからこそ、しっかりとした方法論と長い時間が必要な作文の勉強。すべての勉強の基礎となる日本語の力を身につけるため、メルマガ『言葉の森 オンラインマガジン』では、「親子作文」をオススメしています。子供との対話が生まれ、コミュニケーション力と創造性を育み、親子の思い出も蓄積されていくなど、良いことずくめの「親子作文」。親子でどのように取り組んでいけばいいのでしょうか?

小学1年生から始める親子作文のすすめ

作文を書くのは、お子さんでもお母さんでもどちらでもかまいません。子供が低学年でまだ十分に書けないときは、お母さんが書いてあげてください。子供は、その作文に絵をかくだけでも、お母さんが書いた作文を読むだけでも、又は読んでもらうだけでもいいのです。 お母さんが楽しそうに作文を書くうしろ姿が、子供を作文好きにします。読書も作文も勉強も、親が楽しそうに取り組む様子が子供の勉強姿勢につながるのです。

●子供のコミュニケーション力が育つ

低学年の子供にとっては、寺子屋オンラインの少人数クラスにひとりで参加するのはまだやや不安があります。しかし、お母さんと一緒であれば安心して、みんなの中に参加できます。

そして、自分の作文を発表したり、人の発表を聞いたりしているうちに、自然に友達とのコミュニケーションができるようになります。最初は恥ずかしがっていた子が、すぐにしっかり話すようになり、やがてみんなの話の司会ができるようになります。コミュニケーション力がついた子は、生活全体に自信を持てるようになります。

●親子で書くから子供には負担がない

子供にとって作文は、初めて学ぶことばかりです。日常の会話に、カギカッコや、「わ」と「は」の区別や、句読点などは音としては聞こえません。普段話しているのと同じ言葉なのに、文章に書くときだけは文章のルールを守らなければならないのです。

子供に作文を書かせてから直す教え方では、作文を書くことが負担になります。書かせる前に、正しい書き方の文章を読ませる工夫が必要です。それが、親子で書く作文で自然にできるのです。

●作文の題材選びを通して豊かな経験が増える

小学生の子に自由な題名で作文を書かせると、多くの子が「今日のこと」「昨日のこと」「友達と遊んだこと」など、すぐ近くにあった印象に残っている話を書きます。本をよく読んでいる子は、本と同じような空想の物語ばかり書くこともあります。もちろん書きたいことを自分で決めて書くことは大事です。

しかし、せっかくの作文の勉強を生かすなら、親子で題材選びをしていくといいのです。季節の行事、料理や工作、小さな理科実験など、わずかな時間で親子で楽しめるさまざまな企画が考えられます。

寺子屋オンラインクラスでは、そういう企画を授業の資料として提供するので、身近な生活の中で豊かな経験ができるようになるのです。

●読書、対話、音読、暗唱の勉強を続けるときに、作文の勉強が役に立つ

小学生の勉強の基本は、日本語の力をしっかり身につけることです。算数や英語は、やる子とやらない子の差がはっきり出るので、ついその差の方に目を向けてしまいがちですが、すぐに差が出る勉強は実は浅い勉強です。学校でやるようになってからやっても十分に間に合います。誰でもできて差がつかないように見える日本語の力こそ、その後の学力の最も確かな土台になるのです。

日本語の力は、国語のドリルを解くことで身につくのではなく、生活の中での読書、対話、音読、暗唱などで身につきます。しかし、単独でこれらの練習をするのでは、目標も結果もあいまいになってしまいます。

作文の勉強が週に1回あると、その作文の勉強に合わせて読書の紹介、親子の対話、音読や暗唱の発表などが自然の流れでできるようになります。

●作文を書くことをきっかけとして、親子の知的な対話が生まれる

読解力、思考力、表現力のもとになるのは、語彙力です。語彙力は、学年が上がると読書の質によって力がつくようになりますが、小学生のころは、読書よりも親子の対話によって育ちます。言葉の森の作文では、作文を書く準備として自然に親子の対話が生まれます。

例えば、「がんばったこと」という題名で作文を書く場合、「お父さんにも、子供のころのがんばったことを聞いてみました。すると」というような両親への取材が課題として出てくるからです。この取材が、学年が上がるにつれて、「友達との協力」についての取材や、「地球環境問題」についての取材に発展します。

すると、対話の内容が自然に高度になるので、親子で楽しく話をするだけで子供の語彙力やものの考え方が育っていくのです。

●問題を解く勉強を超えて、自分で創造する勉強の面白さを知る

学校の勉強のほとんどは、問題を解く勉強です。だから、答えや答え方を覚えれば、どの問題も解けるようになります。しかし、この答えのある勉強に慣れてしまうと、勉強は答えを教えてもらわないと解けないと思うようになります。それが、成績優秀な子にも意外と多い指示待ち型の子供が育つ背景です。

作文の勉強は、答えがひとつではありません。どう書くのも自由なので、自分の個性を生かして書くことができます。だから、作文を書く勉強をしていると、自然に自分らしく書こうと思うようになります。これが、自分で作り出す勉強の面白さにつながっていくのです。

●小学生のときから親子で一緒に書いた作文が大切な思い出になる

子供時代の思い出は、写真にもビデオにも残すことができます。更にもうひとつの新しい残し方が作文として残すことです。作文には、事実の描写とともに、そのときに感じたことや思ったことが描かれています。この蓄積が大切な思い出になります。

小学1年生の親子作文からやがて自分で書く作文へ、そして中学生の意見文から高校生の小論文へという文章の蓄積が、そのままその子の成長の記録になるのです。

●お母さんが作文の書き方を理解すると、やがて作文を教えられるように

お父さんやお母さんの世代では、学校で作文の勉強はほとんどありませんでした。おじいさんやおばあさんの世代では、もっとそういう勉強はありませんでした。だから、子供の作文に協力することで、自分も作文の勉強をすることができます。

小学校低学年の作文課題は誰でも楽に書けますが、学年が上がるにつれて書くことがだんだん難しくなります。しかし、子供の作文に取材面などで協力していると、やがてその経験をもとに、子供に作文を教える感覚がわかるようになります。

言葉の森の森林プロジェクトは、作文講師資格講座を行っています。講座を受講することも大事ですが、更に大事なのは自分で作文を書いたり協力したりする経験です。子供の作文に関わっているうちに、作文を書く力とともに作文を教える力もついてくるのです。

image by: Dean Drobot, shutterstock.com

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