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国際機関が「日本は消費税26%必要」発表の大ウソ。黒幕は財務省

去る4月、経済協力開発機構(OECD)が「日本の財政健全化のためには、消費税を最大26%まで引き上げる必要がある」と勧告しました。これを「財務省の策略だ」と指摘するのは、メルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』の著者、元国税調査官で作家の大村大次郎さん。大村さんは、財務省の影響力が強いOECDの実態を暴き、例の勧告において欧米の間接税と税率のみを比較する姑息さに「騙されてはならない」と警戒を呼びかけています。

日本の消費税の増税を欧米諸国はどう見ているのか?

4月15日に配信されたロイター通信の記事に、以下のようなものがありました。それをまず読んでみてください。

消費税最大26%まで引き上げを=OECD対日報告   経済協力開発機構(OECD)が15日公表した対日経済審査報告書は、日本経済の人口減少に対して警鐘を鳴らし、プライマリーバランス(財政の基礎的収支)を黒字化するためには消費税率を最大26%まで引き上げる必要があると指摘した。

同日都内の日本記者クラブで会見したグリア事務総長は「消費税率の10%への引き上げは不可欠」と指摘し、その後も「徐々に税率を引き上げることが財政改善につながる」と強調した。報告書は日本経済について、2050年までに人口が1億人程度まで減少することに伴う高齢化と債務拡大という長期の課題に直面しているとし、財政持続性を担保する具体的な計画を示すべきと指摘。税収拡大の手段として主に消費税が望ましいとしている。

消費税のみにより十分な水準の基礎的財政黒字を確保するためには、税率を20-26%まで引き上げる必要があるとしている。今年10月に予定されている10%への引き上げの影響は、各種対策の効果によって2014年の増税より大きくないとしている。(4月15日配信 ロイター通信)

このメルマガでも、何度か触れましたが、このOECDの勧告というのは、「国際世論」などでは決してありません。OECDは、これまでも何度か日本に対し消費税引き上げの勧告をしています。何も知らない方は、これを見ると「やはり日本は消費税を上げるべきなのだろう」と思うでしょう。しかし、騙されてはなりません。これは日本の財務省の常とう手段なのです。 OECDは一応、国際機関です。しかし、日本の財務省はOECDに対し、強い影響力を持っています。日本のOECDへの拠出金がアメリカに次いで第2位です。そして、OECD内の事務方トップであるOECD事務次長には、日本の財務省出身の河野正道氏が就任しているのです。またOECDの要職には、日本人がたくさん就いています。

本来、国際機関が日本の消費税などにそれほど強い関心を持つことはありません。というより、国際機関が一国の税制に口出すことなどは、普通はできないはずなのです。そういうことをすれば、普通の独立国の政府であれば、猛反発するはずです。が、日本政府は反発するどころか、それを錦の御旗のようにして、消費税増税の根拠としようとしています。

なぜOECDが日本に勧告をしたのかというと、日本の財務省がOECDに働きかけて、日本に勧告を出させたからなのです。つまり、財務省は日本国内の不満を抑えるために「国際機関から勧告があった」という形をとろうとしたのです。

そして、このOECDの勧告では必ず、ヨーロッパ諸国の間接税と比較されます。日本の消費税はヨーロッパ諸国に比べて低いという結論に持っていこうとするのです。

が、ヨーロッパ諸国は、低所得者に対して、所得補助や住宅補助などの手厚い支援を行った上で、消費税を課しているのです。そういう支援がまったく充実していない日本に、消費税だけを導入しようとするのは、無理な話なのです。

そういう「総合的な検討」がまったくなされずに、ただただ消費税を引き上げろというのは、非常に乱暴な話です。本来、国際機関がこんな暴論を押し付けてくるはずは絶対にないのです。

では、欧米諸国は実際に、日本の消費税増税のことをどう思っているのでしょうか?

まあ、欧米諸国はどこも日本の消費税などにそれほど関心は持っていません。が、アメリカの新聞が今月初めに日本の消費税についての記事を書いていますので、それをご紹介しましょう。

4月5日付のアメリカの大手新聞であるウォールストリート・ジャーナルは、日本で10月に予定される消費税率引き上げについて「安倍晋三首相は増税によって、景気を悪化させようと決心しているように見える」と揶揄する社説を掲載しました。

この社説では、「現在の日本の経済指標はさえない内容」「日本経済は中国や欧州など世界経済の減速の影響を受けやすい」と指摘しています。またアベノミクスの「第3の矢」とされる成長戦略は「全く始まっていない(効果が見られない)」と断じています。そのため安倍氏にとって「増税は自傷行為になろう」と皮肉ったのです。

ウォール・ストリートジャーナルは、もちろん日本の資本などは入っていませんし、日本の思惑などはまったく気にすることなく、自由に発言できる立場にいます。そして、アメリカを代表する報道機関でもあります。

このウォール・ストリートジャーナルの社説こそ、欧米諸国が日本の消費税に対して感じている本音にもっとも近いものだと思われます。

消費税増税対策として「前売りチケットを活用すべし」

消費税の増税時の経過措置では、遊園地などの入場料金も、消費税増税前に購入しておけば増税後に入場したとしても、8%でいいことになっています。ディズニーランドやUSJに年に何回も行く、というような人もいますよね?そういう方は、増税前に入場券を大量に買っておくことをお奨めします。

ディズニーランドの入場券は、消費税増税後に若干の値上げが検討されています。またUSJもディズニーランドと呼応して値上げをする可能性が高いです。しかし、2019年9月30日までに購入したチケットであれば、2019年10月1日以降に入場するものであっても、値上げ前の料金でいいのです。なお、ディスニー・ランドでは、日付指定の前売りチケットは2か月前から買えます

またディズニーランドでは、日付指定のないオープンの前売りチケットも販売しています。これは1年間有効です。このチケットも、2019年9月30日までに購入すれば、値上げ前の値段でいいのです。

年に何回も行く人は、9月30日までの大量購入しておくといいでしょう。ディズニーランドのファンの中には、年間チケットを購入する人もけっこういるようですが、年間チケットも2019年9月30日までに購入すれば、値上げ前の料金でOKです。

もちろんディズニーランドに限らず、豊島園でも、後楽園遊園地でも同じことです。遊園地によく行く、というような人は要注意です。ただし、遊園地によっては、消費税増税前後の料金の扱いが変わってくることもありますし、ここで紹介したディズニーランドも、今後、変更することもあり得ます。なので、実際に購入する際には、遊園地側に一応、確認してみましょう。

映画館の入場券など

消費税の増税時の経過措置では、映画館の入場券などにも「前売りの特例」があります。具体的に言えば、消費税増後(2019年10月以降)に行く映画の入場券を、消費税増税前に購入した場合は、消費税率は8%でいいことになっているのです。

映画好きの人は、映画上映の予定を調べて、見たい映画の入場券は増税前に買っておくと非常に得をします。映画の料金が、消費税増税によりどうなるかは、現在のところまだ判明していません。

しかし、増税後は、いずれかのタイミングで上がりこそすれ、下がることはないと思われます。だから、映画の前売りチケットなどは、早めに購入しておいて損はないのです。

また映画に限らず、演劇、美術館、水族館などの施設の入場券も該当します。演劇、コンサートなどは、相当先のものも前売り券で発売されるのが常なので、予定が決まっている人はぜひ増税前に購入しておきましょう。

年末に劇を見に行きたい、などと考えている人も、早めに購入した方がいいでしょう。

スポーツ観戦のチケット

消費税の増税時の経過措置では、スポーツ観戦のチケットなども「前売り特例」があります。具体的に言えば、消費税増後の2019年10月以降に行くスポーツ観戦の入場券を、消費税増税前の2019年9月30日までに購入した場合は、消費税率は8%でいいことになっているのです。

スポーツ観戦のチケットも、かなり前から前売りチケットが販売されることがあります。野球や大相撲なども何か月も前から販売されますよね。消費税増税後に、大相撲を観に行く予定がある人などは、ぜひ早めにチケットを購入しましょう。

また年間席などを、消費税増税前に購入した場合も、消費税は8%でいいことになっています。だから、熱狂的な野球ファンなどは、増税前にチケットを購入しておくべきだといえます。

ディナーショーはOKだけどディナーだけはNG

消費税の増税時の経過措置では、ディナーショーも「前売り特例」の対象になっています。消費税増税後に行なわれるディナーショーであっても、増税前にチケットなどを購入しておけば、8%で済むのです。

ただし、ディナーショーはOKだけれども、ディナーだけはダメなのです。ディナーは、単なる飲食の提供なので、消費税増税後に食する場合は、前払いをしていたとしても10%となるのです。

また、ディナークルーズの場合もダメです。ディナーショーがいいんだから、ディナークルーズもよさそうなものですが、そこは、お堅い官庁のこと、両者には明確に線を引いているのです。

image by: RosnaniMusa / Shutterstock.com

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