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我が子の心を育てるために「8秒ギュッ(抱っこ)」が効果的な訳

子育て中はやらなければならないことが山積みで忙しく、ふとしたときに「心は育てられている?」と不安になる親御さんが多くいるようです。メルマガ『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』の著者、柳川由紀さんが、そんなママやパパのために、短い時間のコミュニケーションとスキンシップで子どもの心を育てるためのコツを教えてくれます。さらに、心の発達を確かめる3つのポイントも指南してくれました。

抱っこという魔法!

Q. 子供が生まれ、毎日が大忙しで、自分の気持ちに余裕が持てません。三つ子の魂百までというので、今の時期がとても大切なのにと焦ります。子どもの「心を育てなくちゃ」と思うのですが、なかなかできません。(0歳、1歳10ヶ月のママより)

柳川さんからの回答

お子さまのお誕生、おめでとうございます。おむつ換えやミルクなど育児に大忙しで本当に大変ですね、お察しします。「心を育てる」という思いがあれば焦らなくても大丈夫です。心を育てるためには、親として何に心がけるのがよいのかお伝えします。

1.心の育児は手作り

どんなテクノロジーが発達しても、子どもの心を育てることは、手作りです。動物の中で一番未熟な脳を持って生まれる人間は、赤ちゃんに多くの手を掛け、守り、慈しんでいかなければ育ちません。

だからこそ人間には心、言葉、文化が発達したのです。親として、毎日、必ず、子どもの目を見て愛していることを伝えるよう心がけましょう。

2.子どもの感情を否定しない

赤ちゃんは泣きたいときに泣きます。成長し、言葉を話せるようになってくると親は子どもが泣くと「泣かない、泣かない」「お兄ちゃんなんだから泣かないね」。怒ると「そんなに怒らないの!」などと我慢させるようになってしまいます。これは子どもの感情を否定していることになります。

心を育てるためには「悲しいね」「痛かったね」「そりゃ怒りたくなるよね」などと共感し、感情を受け入れて思う存分泣かせたり、怒らせたりしましょう。特に「泣く」という行為にはストレスを発散させる力があります。

3.たくさんの抱っこを

発達心理学や、認知心理学では、「子どもが愛されていると最も強く感じ取る道具は皮膚である」と言われています。そこで私は、スキンシップは大切であるということを元に「8秒ギュ(抱っこ)」を提唱しました。

なぜ8秒か?8秒間とは「充分という満足を感じる最短時間」(※2015年5月:マイクロソフト発表)なので、最低でも8秒間はギュっと抱きしめましょう、と言う意味です。

抱っこをすることで幸せホルモンとも言われているオキシトシンが分泌されるために、

  1. 幸せな気分になる
  2. 脳、心が癒され、ストレスが緩和する
  3. 不安や恐怖心が減少する
  4. 他者への信頼の気持ちが増す
  5. 社交的になり、人と関わりたいという好奇心が強まる
  6. 親密な人間関係を結ぼうという気持ちが高まる
  7. 学習意欲と記憶力向上
  8. 心臓の機能を上げる
  9. 感染症予防に繋がる
  10. 睡眠を促し、質の良い眠りをもたらす

とされています。「8秒ギュ(抱っこ)」が愛されていると感じ幸せになる、というのは、1、3、4、6の効用からでしょう。是非、子どもを抱っこして、心を育てましょう

家庭教育アドバイス…心の発達を確かめるポイント3つ

子どもが幼稚園くらいになってから、子どもの心が順調に育っているかを確かめることができます。もちろんその後の児童期、思春期でも同様に確かめられます。次のポイントに注意しましょう。(※参照:渡辺久子氏講演「乳幼児期の子育てに大切なこと」より)

1.親、特に母親の前で安心して自分の本音を出せているか。

2.自分の考えを持ち、親が良いと思って提案したことでも「嫌だ」とはっきり断れるか。

3.周囲の友だちと、緊張せずにありのままに近い自分の気持ちを出せているか。

幼ければ幼いほど、子どもとしっかり関わることが必要です。べたべたしすぎ?と思うほど密接な関わりをお勧めします。子ども時代の幼い時間というのは、子育て中のほんのひと時しかないのです。大切にしましょう。

image by: ANURAK PONGPATIMET, shutterstock.com

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家庭教育のプロとして、教育相談員の経験を生かしながら、親としての接し方のコツをお伝えします。子どもは、親のサポートの仕方でずいぶん変わります。子どもの能力を最大限に引き出せるよう、まずは親力をアップさせましょう。専門である教育心理学、家庭教育学をベースに家庭の中でできる「子どもを伸ばすためのコミュニケーション術」を「親の力」に視点を置き配信予定です。乳幼児、小学生、中学生、高校生、大学生など発達段階に応じた子どもへの声掛けを具体的にご紹介します。

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【著者】 家庭教育アドバイザー 柳川由紀 【月額】 初月無料!月額508円(税込) 【発行周期】 毎月 第1月曜日・第2月曜日・第3月曜日・第4月曜日(年末年始を除く) 発行予定

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