「臭い物に蓋」では無く、透明性を持った対応が必要
まるか食品株式会社でやきそばに虫が混入した事の対応で工場の操業を対応が取れるまで停止すると発表がありました。
食品工場のクレームの発生をゼロにすることは非常に困難なものです。すばらしい管理を行っている工場でもクレームの発生率は0.1PPM(1000万パックで製造しクレームが1件の発生)にはなかなか出来ないものです。
クレーム対策を考えるときに、クレームが発生したときのお客様に対する対応、再発防止策を同時に考え、24時間以内に、お客様対応を行い、48時間以内に製造場所の初期対応を終わらせ、お客さまに報告すべきです。
携帯電話にカメラが付き、誰でも手軽に異物等のクレーム写真が撮れるようになりました。撮った写真はネット上に簡単にアップされ拡散されます。「臭い物に蓋」の対応では無く、透明性を持った対応が必要なのです。
虫の混入であれば、混入した虫が工場内のモニタリング装置に捕獲されたことが無い事が重要です。
蠅であれば、直近一ヶ月蠅が捕獲されていない事、シバンムシであればフェルモントラップに捕獲されていない事、ゴキブリであれば、歩行昆虫のモニタリング装置に捕獲されていない事が必須になります。
クレーム発生後に工場のモニタリング装置に捕獲されていれば工場での混入は否定する事は出来ないのです。モニタリング装置の捕獲数に対する処置が決められているかの再確認が必要です。
大型蠅、ゴキブリ、シバンムシ等が捕獲された場合は、徹底した対策が必要になります。
クレームの受付からの流れについて
クレームの受付からの流れとしては、以下の項目が挙げられます。
1 クレームの受付
2 クレーム受付表記入
3 原物の回収
4 原因分析
5 再発防止策検討
6 お客様への報告
7 クレーム受付表の記入終了
8 毎週の報告
では 項目に従って詳しくお話したいと思います。
1 クレームの受付
大学ノート等に発生日、時間を記入する。
クレームは電話で入るのが一番多いです。クレームの電話は誰もとりたく有りませんので、つい担当者に回してしまいます。
しかし、電話は回されると、かけた方が二次クレームになったりしまいますので出来れば、クレームは、始めに電話をとられた方が、初めの受付をされることをお勧めします。クレームを受け付けたら、受付簿に記入し、電話に出る可能性のある方は、毎日見られた方がいいと思います。再度お客様から問い合わせがあったときの対応が必要になる場合があります。
2 クレーム受付表記入
クレームの受付表を記入する →帳票が必要です。
関係者へメールで一報を同胞配信する。
最近は皆さん携帯電話を持っています。受け付けた本人が気が付かない対応が必要な事もありますので、クレーム等については、関係者に同胞で配信することをお勧めします。休日に携帯電話のメールが鳴っても迷惑にはならないと思いますので受け付けた時点での、配信が基本となります。
3 原物の回収
24時間以内の回収が基本です。
クレームの原物は、24時間以内の回収が基本です。つい担当者が不在、休日、土日、深夜、等々の理由で時間をかけてしまいますが、クレームは時間が勝負です。
相手にクレームを起こしているのに、いい会社と思ってもらえるか、やっぱりクレームを出しても仕方ない、会社と思われるかの違いがこの一報からの動きになると思います。
4 原因分析
再発防止策を考えるための原因分析を行います。原物回収で原物が有りますので、関係者とケンケンがくがくと原因を考えてください。
5 再発防止策検討
直ぐ出来ること、直ぐ出来ないことがあるのできちんと分類して考える。
お金がかかるので、出来ませんとは言えません。時代が変化してきていることを再度認識する必要があります。
6 お客様への報告
現場で直ぐ出来ること、少し時間がかかる対策について十分な対策を、練って、直ぐ出来ることを実施してから報告する。
→ここまでが48時間以内です。
7 クレーム受付表の記入終了
この時点で関係書類を、工場長に確認をもらいファイリングする。
8 毎週の報告
毎週月曜日先週のクレーム実績、問題点を報告する。
毎週の報告が大切です。月曜日の朝、火曜日の朝と定期的に関係者が集まる時間を決めて、先週の問題点を話すといいです。
クレームはゼロを目指します。
でもクレームに真剣に取り組む事が一番必要です。
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食品工場の工場長の仕事
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