「仕事ができる人・できない人」を瞬時に見分けることはなかなか難しいものですが、どんな状況でも「できる人の言動に共通項がある」とするのは、無料メルマガ『ビジネス真実践』の著者で人気コンサルタントの中久保浩平さん。中久保さんは、成功を手中に収めたビジネスマンと、中途半端に終わる残念な人々の言動のそれぞれの事例を紹介し、その違いを解説しています。
「満足しない」と「不平不満をいうこと」とは同じじゃない。
仕事のできるビジネスマンに多数お会いしてきた中で感じることがあります。それは、たとえどのような状態であっても、「感謝からはじまり、感謝で終る」という人が多いということです。
一方で、言い方は悪いですが、中途半端な結果しか出せないビジネスマンへの印象は、とにかく今ある状況において常になにかしらの不満を感じ、それがそのまま言動や態度に出ている、といった感じです。一言でいうと、とにかくいつもしかめっ面なのです。
例えば、「会社のために何十年も頑張ってきたのになぜあいつより評価が低いんだ」とか、「こんなに地域社会のために貢献してきたのに市場から評価されないのはどういうことなんだ」なんて不平不満を漏らすも、その後、評価されたとします。それで不平不満は解消されたと思いきややっぱり、不平不満がタラタラと出てきます。「なぜ評価されてもあいつより給料が安いんだ」「市場に受け入れられたというのに、なぜ売上がこれだけしかないんだ」なんてふうに。
結局は、評価されたらされたで、以前よりも良い状態になったにも関わらず不平不満が出るのです。
と、このようなことをいうと、さらに上を目指すんだったら、現状に満足してはいけないのではないか!なんてことを思う方もいるでしょうが、さらに上を目指すというのは、自社・自分の欲を満たすためのものではありません。現状に不平不満を漏らすことでもありません。自分の欲を満たすこととと、さらに成長や進化するというものは、違うのものです。
そうしたことが分からずにいると、前出の「なぜあいつより…」とか「なぜ売上がこれだけしか…」となるのです。
要は、自分の欲・エゴだけしか頭に無いのです。そして、そうした人は、都合が悪い状態になれば決まって、他人のせいにしたり、社会、地域など他のせいにします。ですから、当然、人望もありませんから、人も集まってきませんし、信用も信頼も得られません。
反対に、成功してなお成長や進化をし続けている人というのは、冒頭でも申し上げたとおり、感謝ではじまり、感謝で終わります。つまり、どんな苦境な状態に立たされていようとも、その状態に「感謝」しますし、上手く行けば行くで、当然、そのことに感謝します。
以前、借金が、ン億円あるという女性経営者のご相談を受けたことがありましたが、その経営者は「この借金があるからこそ私達は頑張れているように思うのです。そう考えると、借金に感謝しているくらいなんですよ」なんて笑いながらサラッと言っていました。
また、別のある経営者は、「信じていた社員に1,000万持ち逃げされたことがある。その時は、憎いし、殺してやりたいくらいの気分になった。だけど、あの経験があったからこそ、今があるんですよ。おかげで、人を育てることがいかに大切かを学ぶことが出来ました」なんてことを言ってました。
どちらも、相当に辛い状況であったにも関わらずそうした体験をさせてもらった、と感謝していたのです。この経営者は2人ともそれぞれの課題を感謝しながら乗り越えていきました。感謝できたからこそ乗り越え、さらに成長意欲を持ってさらなるステージに向かえたのです。
たとえば、こんなことがあります。仕事のやり方を効率よくしようという会議で、1人の社員が、必死で考えた企画を提案したとします。ですが、受け入れらず、あえなく不採用となった。たった1回の提案が通らなかっただけで、逆ギレし、「こんな会社でやってられるか!」と不平不満を周囲にぶちまける。しかし、こうした人というのは、たとえ案が採用されたとしても「自分のイメージしていたことと違う」とかなんとかいって、新たな不満要素を探しては、愚痴を言います。よって、成長も進化もないのです。
しかし、同じような状況であっても成長・進化できる人というのは、自分の案が不採用になったところで、「自分がまだまだ甘かったんだ。もっと、工夫ができることがあるってことだよな。よし、もう一度案を練り直してみよう」というように、不採用になったことを「成長のチャンスを貰った」と感謝します。
逆に案が採用され、自分の描いていた通りのことでなくても「あっ、まだまだ改善できる余地があるということだな」「まだまだ工夫が足らない、出来ることがあるということだな」とさらなる成長の機会を貰ったことにまたまた感謝します。
どういった場面、状態にでも感謝できること、そうした人こそ、常に成長・進化していけるし、どんどん魅力ある人になり、人望も厚くなっていくのです。そして、そういう人こそ、知恵や工夫を生み出しながら、信頼・信用を得、ビジネス・商売を成功させていくのです。
■今日のまとめ
「どんな状況下でも感謝する」
- 現状で不満に思っていることをノートに列挙していく
- 上記に書き出した不満を解消するにはどうすればいいか?考え、書き出す
- 上記で書き出したことに対して感謝の言葉を列挙していく
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