6月中の開催を目指していた先進7カ国首脳会議(G7サミット)を9月以降に延期する意向を明らかにしたトランプ米大統領。同時に、日本など正規の参加国に加えてロシア、韓国、オーストラリア、インドの各国を招待する考えを示したと時事通信が伝えている。そこには「中国包囲網」を狙うトランプ大統領の思惑が透けて見えてくる。
G7サミット、9月以降に延期 トランプ氏意向、ロシア・韓国も招待 https://t.co/2dMlpj8S3P
— 時事ドットコム(時事通信ニュース) (@jijicom) May 31, 2020
米中対立激化で選択を迫られる韓国
トランプ大統領はG7を「時代遅れの集まりだ」と述べ、新たな枠組みを構築する必要があると指摘。1977年から始まったG7は、米国とドイツ、フランス、英国、イタリア、カナダ、日本の先進7カ国の国際会議。1998年にロシアも含めG8となったが、2014年にロシアはクリミア半島併合で参加資格を剥奪されている。
なぜ、今回ロシアや韓国、オーストラリア、インドの各国を招待しようとしているのか。これには明らかに中国を孤立化させる狙いがあるとみられ、大統領報道担当官もこのサミットで中国問題が話し合われるとの見通しを示したという。
このG7招待に、嬉しいけど困ったというのが韓国だろう。米国の同盟国とはいえ、経済面や北朝鮮問題で中国の影響を大きく受ける韓国。今回のサミットの枠組みは、明らかに中国包囲網を狙うものと見られ、韓国はまさに米か中か、踏み絵を迫られたことになる。
聯合ニュースによると、韓国青瓦台(大統領府)の高官は事前に米側から要請はなかったとした上で「今後、米国側と協議する必要がある」と話したとしている。
韓国は中国が可決した香港への国家安全法問題でも、米国から対応を求められたばかり。トランプ大統領からプレッシャーを与え続けられている。G7へ招待枠での参加となれば、より激しい踏み絵を迫られることになるとみられ、韓国は難しい立場に立たされている。
●韓国の板挟み。米中に睨まれた隣国は香港問題でどちらを選ぶのか
G7招待に困惑する韓国
事前通告もなく、突如トランプ大統領が明かした韓国のG7招待。現地メディアの報道を見てみると、困惑しているというところが本音のようだ。これを受け、ネット上ではさまざまな声が上がっている。
トランプ大統領、中国孤立作戦「G7に韓国招きたい」 https://t.co/xKj0O20pv0
韓国的に、喜んでホイホイ出て行って中国に反旗を翻したものと受け取られるのはまずいでしょうね…— マクガン (@Makugan32) May 31, 2020
トランプが今後のG7の枠拡大示唆&露、豪、印に加え韓国を招待予定。中国包囲網作るためだろうけど、「普通の日本人」がどうリアクションするか見ものだなー。
— 芝 翫 P a r a d o x (@ParadoxShikan) June 1, 2020
#トランプ大統領 の #中国外し どんどん進めてくれ!#G7 に韓国とロシアを招待と言っているが、韓国にとっては踏み絵、ロシアも中国よりだから相当な圧になるだろう。まあ、韓国とロシアはすぐに裏切るからあてにはならないし、メンバーに入れない方が良いかもだが…https://t.co/hNKBFoAShf
— A.A@S🇯🇵 (@akira_japan_no1) May 31, 2020
国家安全法を巡って、米中はもつれる可能性があるので、暫く材料になりやすい。
また、今月末に予定していたG7開催も延期報道となった。また、トランプ大統領からはこのG7にロシアや韓国もいれることを発言していることも、今後のG7の結束力が低下する恐れにもある。
— うえさん (@1017Taka23) May 31, 2020
【アメリカ】G7にロシア、韓国を入れ中国潰しへ https://t.co/LzrgbbntaD
世界はどうなっていくのだろうか?— 中納言 (@chuunagon6) June 1, 2020
G7が9月以降に延期される。トランプ大統領はロシア、インド、オーストラリア、韓国を招待する意向のようだ。明らかな中国はずし。G7が中国包囲網に利用されかねない。日本は11月の大統領選以降への延期を狙うのも手ではないだろうか。
— かずぽん (@KazuponMay) May 31, 2020
トランプ大統領 G7、9月に延長する意向とともに、韓国、オーストラリア、インド、ロシアを招きたいと述べる ネット「ドイツが出席拒否してインドを呼び出した。その意味を文大統領が理解できるか?」
https://t.co/kLqILTBNkm— 政治知新 (@seijichishin) May 31, 2020
※本記事内のツイートにつきましては、Twitterのツイート埋め込み機能を利用して掲載させていただいております。
image by: ウィキメディアコモンズ経由で