MAG2 NEWS MENU

女子高生「友人たちの中にいるのが辛い」あなたならどう答える?

努力してもなかなか結果に結びつかず、頑張っているからこそ「劣等感」を抱き深く悩む子どもが多くいます。そんな高校生からの相談を受けたメルマガ『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』著者の柳川由紀さんが、「劣等感」とうまく付き合っていくための3つのポイントを伝えます。さらに、他の子と比較しながらの励ましや、わが子が褒められたときの謙遜など、親の言動が子どもの「劣等感」を植え付けることがあると注意を呼びかけています。

劣等感は前を向くためのエンジン

Question

頑張っても頑張っても、成績が上がらず、仲の良い友人との差が縮みません。劣等感に苛まれ、友人たちの中にいるのが辛くなります。(高校1年・女子より)

柳川さんからの回答

頑張るのはとても素晴らしいことです。そして、友人との成績の差を縮めたいと思っているのですね?劣等感があるからこそ、負けたくないという前向きな気持ちもあるのです。劣等感は「悪者」ではありません。劣等感とうまく付き合うためめのポイントをお伝えします。

1.「なぜ」ではなく「どうやって」

人は、何か課題を抱えたとき劣等感に苛まれます。そして「なぜだろう」と原因を考えがちです。「自分はなぜダメなんだろう」と考えてもダメな理由ばかりを考える訳なので、よりよく考える方法は思いつきません。ですから「どうやって」解決できるか、に目を向ける癖をつけましょう。

なぜ差が縮まらないんだろう、辛いんだろうと考えるのではなく、どうやったら差を縮められるだろう、辛さがなくなるだろう、と考えるのです。

2.劣等感をモチベーションに

劣等感を持つことで、「努力しない理由」や「いいわけ」を使い、自分を正当化させています。つまり「自分は劣っているからどうせやっても無駄」と努力しなかったり、「友達といるのが辛いのは、成績の差があるから」と本来因果関係がないはずの「成績の伸び」と「友達との関係」を結びつけ、いいわけに使ったりすることです。

一方で、「人より劣っているから、人の倍努力をすればできるようになる」と努力を惜しまなければ、劣等感は人の倍努力をするという行動のモチベーションにもなります。

3.自分と物事を分けて考える

できない自分を自己否定するのは間違いです。自分自身と、起きた問題(できないこと)はイコールではありません。自分と問題を分けて考えることが必要です。

成績が上がらないのも、友達と居るのが辛いのも自分がダメだからではありません。勉強方法が合わなかったり、友達に負けたくないという感情が大きかったりするからで、自分自身とは関係ありません。

家庭教育アドバイス…「親の無意識が子どもの劣等感を生む?」

「親の言葉」が劣等感の元になっていることがあります。例えば…「あの子はできるんだから、あなたもできるよ」と、子どもを励ましたつもりでも、できなかったときに子どもは劣等感を持ちます。他者と比べて子どもを励ますことはやめましょう。

また、人前で子どものダメなところを言うのはよくありません。親は、謙遜したつもりで「うちの子はできが悪いから」とか「うちの子は勉強苦手だから」などとママ友達や、先生に対して言うことがあるかもしれません。

これを聞いていた子どもは「ママは、私(僕)をそう思っているんだ」と感じ、自信をなくし、劣等感を持ってしまいます。それを聞いたお友達も「○○ちゃんは、ダメなんだなぁ」とレッテルを貼ってしまいます。

子どもを褒められたら「いえいえ、うちの子は…」と否定するのではなく「ありがとう」と素直に受け入れ、子どもに向かって「○○のママもちゃんと見てくれてるんだね、嬉しいね」と子どもを認めましょう。

親の声かけ一つで、子どもの気持ちは大きく揺れるのです。劣等感を持つような言葉は避けましょう。そして、もしも子どもが劣等感を持ったとしても、その劣等感がエンジンになるように「なぜ」ではなく「どうやって」と考えるように促しましょう。

●お知らせ:
お子さまに関するご相談、ご自身のご相談を随時お受けしています。時間、料金など詳細はお問い合わせください。まずは、「ライン公式」にご登録をお願いします。

image by: Shutterstock.com

家庭教育アドバイザー 柳川由紀この著者の記事一覧

家庭教育のプロとして、教育相談員の経験を生かしながら、親としての接し方のコツをお伝えします。子どもは、親のサポートの仕方でずいぶん変わります。子どもの能力を最大限に引き出せるよう、まずは親力をアップさせましょう。専門である教育心理学、家庭教育学をベースに家庭の中でできる「子どもを伸ばすためのコミュニケーション術」を「親の力」に視点を置き配信予定です。乳幼児、小学生、中学生、高校生、大学生など発達段階に応じた子どもへの声掛けを具体的にご紹介します。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料で読んでみる  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育 』

【著者】 家庭教育アドバイザー 柳川由紀 【月額】 初月無料!月額508円(税込) 【発行周期】 毎月 第1月曜日・第2月曜日・第3月曜日・第4月曜日(年末年始を除く) 発行予定

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け