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「客の前で叱る店長」は家庭環境の産物。一族の悪い文化を断つ方法

良くも悪くも人格形成を大きく左右すると言われる、家庭内の文化。あまり好ましくない文化が引き継がれてしまっていたとしたら、どこかで断ち切ることが必要となってきますが、具体的にはどのような手を打てばいいのでしょうか。今回の無料メルマガ『システマティックな「ま、いっか」家事術』では著者の真井花さんが、家族支援の資料として用いられる「ジェノグラム」が問題解決の大きな力になるとし、その作成法を紹介しています。

ドコが元だったのか?

さて、本日は元凶を探るお話。

以前東京でレストランに行ったときのこと。レストランには、料理をサーブしてくれるスタッフが控えている場所がありますね。あるときその場所に近い席だったことがあったんです。ま、フツーなら全然気にしませんが、この時は違いました。なぜなら、ごく小さい声でスタッフ同士が話す声が聞こえたんです。ま、それでもフツーなら気にしませんが、そう、この時は違ったんですよ。その内容が

だったからです。

チーフらしい人が他のスタッフを小声で叱っていました。前後関係や事情が分かりませんが、非常にねちっこいイヤミでした。それが食事中ずーーーっと聞こえていたので、途中から料理の味が分からなくなってきたほどです。

更にびっくりしたのは、その後。このお店を紹介してくれた弟にこの話をしたところ、

と語るんですよ。えええ、二代続けてチーフがイジメてるの?

このレストランに限らず、どんな職場にも人間の集団がありそこでは

と呼ばれるモノがあります。もちろんそれが良いモノであることばかりではなく、イジメやパワハラのような悪いモノであることもあるのです。しかも、それが

しまうというところがもっとも恐ろしいところです。

人間の集団があるところでは、当然人間関係が生じて、それをどのように処理するのかどう振る舞うのか、その人間関係の中で学びます。このため、

ヨイ振る舞いをすればヨイ文化が受け継がれ、悪い振る舞いをすれば悪い文化が受け継がれるということなのでしょう。

件のレストランのチーフは、まさに典型です。ヒラのスタッフにミスや失敗、気の利かないサーブがあったのは間違いないのでしょう。ですが、それをどのように諭し、再発を防ぐかについてイヤミ以外のやり方もあるはずなのです。それがなされず、長いコースの終了までの数時間、ずっとイヤミを言い続けるのは先代チーフから受け継いだ負の遺産だと思うのですよ。

で、ふと思ったんですよ。

同じなのではないか?と。

グループや集団内で良い文化も悪い文化も受け継がれる話でしたよね。

職場では、企業文化とか職場の雰囲気とか言われるものがあるように家庭内にも、

があるんです。そして、家庭内では、人間関係の基礎が育まれるので、

といったことも学ぶことになります。

で、当たり前ですけど、子供は大人や年長の兄姉たちからそれを学ぶので、姿形だけじゃなく

くるわけですよ。

私は、家庭内でもめごとがあると、傍観者的にふるまうクセがあるんです。こう、無言になったりフリーズしたりしちゃう。おそらくこれは実母から受け継いだものだろうと自覚しています。もう、そっくりなんですよね。フリーズしている姿が。好きで受け継いだわけじゃないのに。

ということは、

なにか学んで受け継いだんじゃないでしょうか。良い文化の場合にはそれほどモンダイではないですが、悪い文化の場合には結構モンダイです。自分を取り囲んでいる文化には気がつきにくいですから、問題を自覚しにくく、解決も困難になるからです。

で、こういう、家庭内の悪文化に苦しんでいる方にやってみてほしいのが

ことです。あなたの上に父と母がいて、父と母にもそれぞれ父と母がいて…っていうヤツです。

ここで書く家系図には、フツーと違う決まりがあります。それは

して書くということです。つまり、そこに現れる人間関係が

を書くんです。

一応決まりとして、挙げると

こんな感じです。

たとえば、父親と母親が離婚していれば、父親と母親の間に二重斜線を入れます。そして、あなたがそれ以降、父親とほとんど会っていなくて何年もなんの連絡も取っていないようなら、あなたと父親の間の線を点線にするのです。

人間関係について、疎遠や険悪、良好などの判断は曖昧ですが、そこは主観を元にしてください。たとえば、年に1回くらいしか会えなくても、いざとなったら頼りにし合えるなら「良好」と判断していいと思います。

この、人間関係がプラスされた家系図のことを

といい、本来は介護などの家族支援の資料にするために作成されるものです。有名な図なのでググっていただければ、いろいろな書き方が紹介されています。

是非やってみてくださいね。いや、ホントにいろいろ分かるんですよ。人間関係が(*^ー゚)。実際、自分自身の家系図でやってみて、とても面白かったです。書いてみた感想ですが、壮大な家系図を見た時のような

があるんです。あの叔父さんや、あのお祖母ちゃんを思い出しながら書くからでしょうか。そこでやりとりされたであろう、喜怒哀楽を思い浮かべると、長大な時間の流れの中に

ということが理解できるからかもしれません。

なにより驚いたのが

ことです。

みたいなんです。まあ、私自身や良く知っている人で書いてみただけの感想ですけどね。人間関係が文化で、文化が受け継がれるとするなら、これは当たり前かもしれません。親の人間関係の有り様を見ながら育つわけですから。

ただ、ハジメから険悪だったり良好だったりすることはないはずだし、永遠にそのままのはずもないでしょう。どこかに始めと終わりがあるんです。もっとも「始め」は数代遡ってしまうと、ほとんど分かりませんよね。他方、逆の「終わり」は分かります。悪い関係が文化としてあったのにある点から良くなっているとしたら、それは

ということです。

まあ、私の実父は、身内にとても甘いところがあるんです。いや、甘いって良い意味じゃないんですよ。具体的には言わないけどさ( ̄∇ ̄;) しかも、その甘さは、少なくとも祖父の時点で既に存在していましたんです。

ところが、一族の男である弟には受け継がれませんでした。弟は、厳しいところは痺れるほど冷たく、容赦のない男です。一時的な甘い顔が結局は不幸の種になるということをどこかで学んだのでしょう。彼の息子たちには、おそらく甘い顔は受け継がれないはずです。弟が頑張ったんですね。

家族間で引き継がれる人間関係の文化が誰で終わっているのか。それがどうしてなのか。まだ終わっていないなら、どうしたら終わるのか。一対一の関係でだけ考えると分からないことが、数世代数代同じことを繰り返しているとすると、解決の糸口が見えてくるのです。

などです。悪い文化がまだ終わっていないなら、

頑張ったらいいんじゃないかと思うんです。いや、数世代分の悪癖を自分一人で背負えないと思うなら、それはアリです。但し、その悪癖にあなた自身が悩まされ続けることになるし、あなたの後の世代も苦しむことになりかねないわけですけど。

人間関係をプラスした家系図・ジェノグラム。一度書いてみて下さい。

image by: Shutterstock.com

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食べるのは大好きだけど、作るのは超苦手。棚拭きとアイロンがけが何より嫌い。そんな家事オンチだった私がソレナリに家事をこなせるようになったワケ。家事全体を見渡して、最小の手間で最大のリターンを得る、具体的なシステムをお知らせするメールマガジンです。

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【著者】 真井花(まないはな) 【発行周期】 週3回(月水金)刊

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