後継者不足にコロナ禍が重なったこともあってか、今、スモールM＆A市場が活況を呈しています。今回、そのマッチングサイトにおける「買い手側」への注意点や成功法を紹介しているのは、現役税理士の今村仁さん。今村さんは自身の無料メルマガ『税金を払う人・もらう人』で、買い手がかならずハマるトラップや選ばれる買い手になるためのヒントを記しています。
ネットを使ったお相手探しは本当に上手くいくのか（買い手編）
テレビや新聞を見ていても、あまり報道されませんが、スモールM＆Aの現場に出ていると、社会現象かとも思われるほど、「M＆Aにおける買い手が急増」しているのを実感します。
ネットのマッチングサイト登録者でみると、大体9割は買い手です。つまり、10人のマッチングサイトへの登録があれば、そのうち9人は買い手であるということです。
また、買い手の属性は、数年前と比較して大幅に多様化しています。
■ 買い手の7属性
- 大企業や中小企業
- 年商1億円以下の小規模企業
- サラリーマン（副業や起業のため）
- 主婦（第二の人生として副業や起業のため）
- 高齢者（社会への恩返し、社会との繋がり維持のため）
- 中国を中心とした外国由来の企業や個人
- 連続起業家を目指す若手経営者
買い手の属性が様々ですので、購入理由も多様化しています。特に、このコロナ禍で、「拡大戦略」としての従来の同業や川上・川下産業への買収だけではなく、異業種や他エリアへの進出等、「リスク分散」を考えてのM＆Aも増えています。
買い手が必ずハマるトラップとは？
先ほど、買い手9割と申し上げましたが、そのことをきちんと理解してマッチングサイトを利用されている買い手は、まだまだ少数です。ケースによっては、「買い手がお金を出すのだから」と上から目線で交渉に臨まれる方もおられます。
ネットのマッチングサイトに買い手が初めて登録して、この案件少し興味あるなと思って、質問や実名開示依頼をした時に、ほとんどの方がハマるトラップ、それは、メッセージを送ったのに、「何も返信が無い」又は「返信は有るが素っ気ない」です。
マッチングサイトを利用された方は、ご経験あるのではないでしょうか。まさに、マッチングサイトでの買手初心者アルアルです。
選ばれる買い手になるためには
現在では、圧倒的に買い手が多いということをきちんと理解して、売り手やそのアドバイザーに、特に最初は、丁寧に、相手の立場を尊重して、掲示板への登録やメールの返信をされることをお勧めします。
最終的には対等で交渉するのが正しいとは思いますが、これだけ圧倒的買い手多数の状況では、まずはきちんと取引の場に参画するために、初動の丁寧な対応は、選ばれる買い手になるために重要です。
従来のリアルM＆Aと違い、ネットM＆Aでは、最初は、パソコン等を使っての文章でのコンタクトのみです。いかに相手の立場や想いをくんで、またこちらの本気度をきちんと伝えて、誠意を持った文章をつくれるかが、そもそも交渉の場につかせてもらえるのかどうかの分岐点です。
不安な買い手の方は、最初からネットM＆Aに長けた買い手アドバイザーを選任されるのがいいでしょう。
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