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現役精神科医が断言。「不眠で死ぬことはない」という医学的事実

以前掲載の「現役精神科医が『悪夢は脳を健康にする』と言い切るエビデンス」では、良い夢よりも悪夢の方が脳にとっては有用という意外な事実を紹介してくださった、精神科医のゆうきゆうさん。今回ゆうきさんは、眠れないという悩みを抱えている人に、「不眠で死ぬことはない」としてその医学的理由を記すとともに、不眠に対して過度に恐れを抱かないよう呼びかけています。

【関連】現役精神科医が「悪夢は脳を健康にする」と言い切るエビデンス

不眠で死ぬことはない!「眠れない」という悩みが少し軽くなる話

こんにちは、ゆうきゆうです。

皆さんは「体が疲れてるから眠らないと…!」「疲れてるのに全然寝られない、どうしよう…」と思うことはありますか。今回は、そんな方に知っていただきたいお話をします。

疲れには種類があります

日々生活していると「疲れた~」「疲労がたまってる…!」と感じる場面はあるでしょう。疲れには種類があり

この2つに分けられます。

よく「体が疲れた…!」という方もいますが、実は、肉体はそんなに簡単に疲れません。

よく、働きすぎて亡くなることを「過労死」と呼びますね。しかし、肉体的にダメージを受けて過労で亡くなることは、非常にまれです。では、大半は何かというと「自殺」なのです。

もちろん筋肉痛などを起こす場合、「痛み」は危険を知らせるサインですので休めた方が良いです。それは体が疲労している、と言っていいでしょう。

伝説「マラトンの戦い」

ここで、マラソンの語源になった「マラトンの戦い」という伝説をご紹介します。

ある兵士が、勝ったことを市民に知らせるために故郷へ向けて走ったのですが、走りきったところで亡くなってしまいました。このとき彼が走った距離が42.195kmだったため、いまでもマラソンにはこの距離が設定されています。

しかし現在、マラソンを走り切った人がどんどん亡くなってしまう、という話は聞いたことがありません。それだけ長い距離を走っても体は大丈夫なのですから、まして日常的に勉強や仕事をしているときの肉体的な疲労は、ほぼ無視してかまわないものです。

つまり体は皆さんが思っているほど弱くなく、なかなか疲れないものだ、と思っていただけますと幸いです。

頭脳的疲労について

では、もう一つの疲労「頭脳的疲労」に移りましょう。

脳は、確実に疲れます。そして脳が疲労してしまう最大の要因は「飽きてしまうこと」です。

例えば、同じ勉強をずっと繰り返していると、飽きて集中が切れてしまったり眠くなったりすると思います。でも、ゲームは長時間でも飽きずに楽しくできますね。なぜかというと、ゲームはわかりやすいごほうびが手に入ったり、レベルアップしたりと人間の気持ちを高める工夫がそこかしこにあるからです。

このことからも、脳は「時間」が長いことで疲れるのではなく、「飽きる」ことによって疲れるのだとお分かりいただけるでしょう。

睡眠は、脳が退屈になってしまったのをリセットするためにあるのです。このため、「疲れた」と感じるときは「肉体的疲労」と「頭脳的疲労」を思い出してください。肉体疲労は必要以上に恐れる必要はありませんが、脳の疲労は甘く見てはいけません。

また、肉体疲労を回復させるとき、必ずしも「睡眠」は必要ありません。睡眠のときは意識を失いますが、体を休めるために意識を失う必要はないのです。横になっているだけでも、十分に回復します。

サッカーの試合を例に出すと

サッカーの試合を思い出してみてください。前半後半の間に休憩があると思いますが、このとき寝ている選手はなかなかいないと思います。もし、睡眠しないと体の疲労が回復しないというのなら、彼らは全力で眠らなければなりませんね。筋肉は動かさないだけで、十分に回復できるのです。

夜寝て、朝起きたら体が回復している気がすると思いますが、それは「時間」が経ったからで、睡眠のおかげではありません。

これは不眠の方にもよくお話しているのですが、実は、「体が疲れているから寝ないと!」と考える必要はないのです。眠れなくても肉体は時間とともに回復しますし、そもそも死んでしまうほど疲れることもありません。どうか心配しないでくださいね。

最後まで読んでくださって、ありがとうございました。

image by: Shutterstock.com

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