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あなたの仕事を定義すると?この問いに役職を答える人が「甘い」訳

もし「あなたの仕事を定義してください」と言われたら、どのように答えますか? 「○○株式会社の○○課の課長です」などと答えようとしたあなたは、定義が「甘い」ようです。ビジネス数学者でメルマガ『深沢真太郎の「稼ぐ力がつく! 数学的思考の授業」』著者の深沢真太郎さんは、ビジネスにおいて「定義する」ということはとても重要な要素であるとしながら、どんなものでも「定義」できる思考法を身につけるコツを教えてくれています。

「数学的思考」は定義・定義・定義

今日のテーマは3回も繰り返すほど重要だと思っている概念です(笑)。私のビジネス数学における根幹の部分。今までよりも深掘りして学んでいただこうと思っています。

数学的思考を身につけるための要素の一つに「定義」があります。

これは前回の授業でもお伝えしていることかと存じます。数学は定義が命です。だから数学的思考も定義が命です。

でもいかがでしょう。お仕事をしているビジネスパーソンの皆さんは、定義が「甘い」ように思えてなりません。

例えば「あなたの仕事」を定義してください。

もしこのリクエストに対して「営業部門の課長」と定義する方は、残念ながらまさに定義が甘い人となります。なぜなら、「課長」が仕事ではないからです。

例えば映画製作という仕事があったとします。

映画製作という仕事は、映画を制作することではありません。映画というものを通じて、人々に感動や興奮、時に問題提起を提供すること。それが映画製作に携わる人たちの仕事です。

定義が間違っていると、いい仕事はできない。定義が命。だから、定義、定義、定義、です。

ではここでひとつ問題。

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Q 定義するとは何をすることか、定義せよ

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前回のこの授業のタイトルは「数学的思考を数学的思考で説明する」でしたが、どうも私はこのような類(?)の思考が好きなようです。

AをAで説明する。BをBする。

いやあ、知的な行為だ。さて、あなたの答えは?

ちなみにこの授業は数学的思考の授業ですので、少し数学の素材も持ち出しましょうか。

例えば素数の定義はなんでしょうか。

「1と自分自身以外に約数を持たない自然数」となるでしょうか。

だから2は素数であり、11は素数であり、しかし12は素数ではないと判別できます。ここで重要なのは、素数というものを定義することで、世の中には「素数だけど素数じゃない数」はひとつも存在しないということ。

当たり前?

そうですね、当たり前です。でもここが肝です。

もし素数だけど素数じゃないものが存在したとすると、数学は成立しません。数学という学問が始められないのです。これはとても困ります。だから定義はとても大事なのです。

そして定義することの機能とは、本質的には次の1行と考えられます。

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A 定義とは、「そうであるもの」と「そうでないもの」をはっきり区別できるルールを用意することである

——————————-

はっきりさせる機能。

あなたはかつて数学の教科書を使って学んでいる時、「定義」というものをそのような認識で捉えていたでしょうか。

この感覚があると、私たちは実生活やビジネスシーンにおいても「定義」を有効活用することができます。

「あなたの仕事」を定義する話題に戻します。

「あなたの仕事」を定義することは、「そうであるもの」と「そうでないもの」をはっきり区別することを意味します。

「あなたの仕事」であって「あなたの仕事でない」ものを存在させないのです。

映画製作という仕事の定義は、「映画というものを通じて、人々に感動や興奮、時に問題提起を提供すること」です。

ということは、人々に感動や興奮、問題提起を提供することができない映画を作ってしまったら、それは映画製作の仕事ができなかったということを意味します。

「そうであるもの」と「そうでないもの」をはっきり区別できるルール。そろそろあなたにも伝わったでしょうか。

主たるメッセージは以上です。

あとはとにかくエクササイズをすることで、定義することの重要性と思考法を身につけましょう。(メルマガ『深沢真太郎の「稼ぐ力がつく! 数学的思考の授業」』より一部抜粋)

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深沢真太郎この著者の記事一覧

日本大学大学院総合基礎科学研究科修了。理学修士(数学)。予備校講師から外資系企業の管理職などを経てビジネス研修講師として独立。大手企業・プロ野球球団・トップアスリートなどの教育研修を手がけ、一部企業とはアドバイザリー契約を締結し人材開発のサポートを行っている。さらにSMBC・三菱UFJ・みずほ・早稲田大学・産業能率大学などと提携し講座を提供。2018年には「ビジネス数学インストラクター制度」を立ち上げ、指導者育成にも従事している。
数学的なビジネスパーソンを育成する「ビジネス数学」を提唱し、述べ1万人以上を指導してきた教育の第一人者。世界中の学校と企業で「ビジネス数学」が学べる世の中にすることを使命としている。テレビ番組の監修やラジオ番組のニュースコメンテーターなどメディア出演も多数。著作は国内累計25万部超。実用書のほか作家として小説も発表しており、多くのビジネスパーソンに読まれている。BMコンサルティング株式会社 代表取締役 一般社団法人日本ビジネス数学協会 代表理事 国内初のビジネス数学検定1級AAA認定者 国内唯一のビジネス数学エグゼクティブインストラクター

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