ポスト『鬼滅の刃』との評価も高い『呪術廻戦』の映画化が決定した。26日深夜に放送されたテレビアニメの中で発表され、『劇場版 呪術廻戦 0』のタイトルで今冬劇場公開される。映画公式サイトがオープンし、解禁映像とともに原作者・芥見下々氏描き下ろしのビジュアルも同時に公開された。
第2の鬼滅として大人気の『呪術廻戦』
Netflix、dTVといった動画配信サービスでは常に上位にランキングされるなど、『呪術廻戦』の勢いが止まらない。
呪いが具現化した存在である呪霊と、それを祓う呪術師たちとの戦いを描いた本作は、アニメ効果で原作漫画もシリーズ累計発行部数3600万部突破、新刊15巻は初版150万部(いずれも2021年3月初旬現在)と、人気は鰻登りだ。
日曜の長寿番組「笑点」で、齢83歳になる林家木久扇が目隠しをして「私は五条悟だ」というネタをカマしネットがザワつく様などからは、その社会現象クラスの浸透っぷりが窺える。老若男女問わず魅了する本作は、名実ともに“第2の鬼滅の刃”と呼ばれるに相応しい存在感を放っている。
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アニメの映画化は“スピード勝負”の時代に
そこでささやかれていたのが、『呪術廻戦』の映画化について。
昨年(2020年)10月16日に公開され、興収387億円、動員2812万人突破(2021年3月下旬現在)の大ヒットとなった劇場版「鬼滅の刃」無限列車編のことを思えば、製作陣もファンも、喉から手が出るほど映画化は祈願であったに違いない。
『呪術廻戦』の映画化は間違いないだろうとみられていたが、いつ劇場公開されるかが焦点となっていた。
アニメの映画化のタイミングといえば、かつては「アニメ1期→アニメ2期→人気が出たら映画化」という順番が主流だった。一方で、近年は少し事情が変わってきているようだ。
『呪術廻戦』と同じ「ジャンプ」作品なら、『鬼滅の刃』『ハイキュー‼︎』『僕のヒーローアカデミア』といった最近の人気作は、「アニメ1期→映画化→アニメ2期」と、以前より映画化が前倒しになっていることに気づかされる。
じっくりと機を見て、確実にヒット作を——というのが以前のスタイルだとしたら、今は「鉄は熱いうちに打て」ではないが、とにかく人気が加熱している時に、需要があるうちに提供すべしというスピード感が身上のようだ。
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『呪術廻戦』劇場版公開が今年の冬になったワケ
『呪術廻戦』もやはり『鬼滅の刃』と同じ戦略を取ってきた。しかも、劇場公開は今冬ということでサイクルとしてはかなり早い。アニメ終了から1年も経っていない内から勝負を賭けてきた。
近年の「ジャンプ」アニメを振り返ってみると、『ハイキュー‼︎』はアニメ終了から1年3カ月、『暗殺教室』は1年10カ月、そして『鬼滅の刃』は1年6カ月で劇場版の公開となっている。
ファンの間では、『呪術廻戦』も概ねこのパターンを踏襲し、劇場版の公開は2022年4月頃が有力かと目されていたが、その予想を大きく裏切った。
では、なぜ『呪術廻戦』は今冬の劇場公開となったのか。そこには2つの理由が考えられる。
理由①アニメで掴んだファンを逃がさない
通常、アニメを制作する際には、原作コミックス7巻分ほど消費することが多い。第1期のアニメは全24話で終了し、6巻54話までをカバーした。
まだアナウンスはないが、仮にアニメ2期が「渋谷事変」完結までを描くとすれば、この3月に発売されたばかりの15巻までがその対象になる。
となると、現実的に考えれば、アニメ2期の放送まではもうしばらく時間がかかるに違いない。アニメ1期で掴んだファンを逃したくなかったと考えられる。
理由②“鬼滅ブーム”が冷め切らない期間を狙う
製作サイドも、そのブランク期間中に、ファンの心をつなぎ留めておきたいと考えるのが自然だ。そうした観点からも、映画版の公開はそう遠くないとみられていた。
そんな現状の中でも、“最速”と思われる今冬の映画化に至った背景には、鬼滅ブームが完全に冷め切らない内にという強い思いがあったに違いない。
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いくら今、「第2の鬼滅の刃」と言われていても、時間が経ってしまえばその印象はどんどん薄れてしまう。少しでも鬼滅の恩恵に預かろうと急いだ結果、今年の冬という結論を導き出したことは間違いない。
なぜコミックス0巻が映画化になるのか?
劇場公開版のタイトルが『劇場版 呪術廻戦 0』と発表された通り、コミックス0巻の内容を映画化することがわかっている。実はファンたちの間で「どのエピソードを映画化するか」ということも話題となっていた。
映画という約2時間程度の尺で完結する物語を成立させるとなると、さまざまな制約がかかってくる。
『ドラえもん』『クレヨンしんちゃん』『名探偵コナン』のような1話完結モノや、短いスパンで1つのエピソードが完結するような漫画ならば映画化は容易だ。映画用のオリジナル脚本を用意すれば済む。
しかし、『呪術廻戦』のような連続ストーリーもので、かつ原作漫画が現在進行形だったりすると、そうした形をとることは簡単ではない。
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スピンオフをやろうにも、内容や設定によって向き・不向きがあるだろうし、なにより聖典たる原作「外」の物語は、ファンに認められるかどうか、というシビアなジャッジをもクリアしなければならない。
本来なら原作内のエピソードを映画用に膨らませる、みたいな形がベストなのかもしれないが、そうなると、TVアニメと時系列的に齟齬が出ないようにしなければならない。
しかし、放送が終了したアニメの「次」に来るエピソードが、都合良く映画化に適しているとも限らない。
さらに言えば、そうした過去の放送を見た人間でなければ楽しめない、つまり初見の観客が置いていかれるような内容になるとしたら、それはダイレクトに動員にも影響するに違いない。
新規ファン獲得とTVアニメへの誘導がポイント
こうした観点から見ると『呪術廻戦』には“強み”があった。
それは「週刊ジャンプ」での連載以前に、「ジャンプGIGA」で連載されていた「東京都立呪術高等専門学校」という前日譚の存在。コミックス0巻として、ファンの間でも根強い人気を誇っていたのだ。
本編とつながりながらも独立した内容である本作は、「これをやるしかないだろ」との声が多々上がっていた、映画化最有力候補だった。
他にも、コミック8、9巻に、メインキャラクターの五条悟と夏油傑の過去が描かれる「懐玉・玉折編」という、映画用に切り出し可能そうなエピソードがあり、このいずれかが映画化になるだろうとみられていた。
この2パターンなら、映画を契機にTVアニメへの誘導も見込め、新規ファンの獲得が期待できるからだ。
そして、今冬の映画化は大方の予想通り0巻に落ち着いたというところだろう。
想像したいたよりも早い映画化の発表となった『呪術廻戦』。大きな話題と期待をもって迎えられることは間違いない。『鬼滅の刃』を越えることはできるのだろうか?その行方を今から楽しみに待ちたい。
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Twitterの反応
呪術廻戦0巻映画化おめでとうございます!!
しゃべって動く乙骨先輩がたのしみ pic.twitter.com/ghKOMIdcKy— 柚 (@knk_039) March 27, 2021
呪術0巻映画化おめでとうございます!!!!🎉
めちゃくちゃ嬉しいです🙏まだ興奮が止まらない…どうしよう#呪術廻戦 pic.twitter.com/5QsTw4mykU— 藤 未都也@呪術本誌注意 (@fuji_mitsuya) March 27, 2021
呪術廻戦0巻映画化するんか!
俺は乙骨先輩の声優は入野さんか豊永さん派だなー
でもTwitterで予想されてる人誰でも合うw— re (@re89191) March 27, 2021
去年の冬は鬼滅の刃 無限列車編、今年は呪術廻戦 百鬼夜行編、、生きる希望だ……映画化本当にありがとうございます
— もる ▼ (@MR6as) March 26, 2021
鬼滅の刃、呪術廻戦とアニメ化から劇場版の流れが最高過ぎますし、テンション上がりますわね!!0巻映画化最高!
— ポケカお嬢様🔰 (@OJxJAqZlp9dhg8b) March 27, 2021
呪術廻戦はここまで人気出てるから、続編の発表か、鬼滅の刃のように映画化かな、それだったら、本編の続きの五条先生高校編か、エピソード0のどっちかかなと思っていました。
どっちに転んでも、現在の主人公たる虎杖くんや伏黒、野薔薇は出てこないんですが、これはこれでとても楽しみ。#呪術廻戦— たるたる@読書垢 (@MiyabiTale) March 27, 2021
呪術0巻映画化決定でグッズになるとしたら夏油傑が拾って五条悟の手から乙骨憂太の元に戻ってきた学生証で決まりだな…#呪術廻戦 pic.twitter.com/evRJmEJAyj
— ◎ (@rickmisa) March 26, 2021
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