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遺伝子を研究し尽くした男が発見した、人間が持つ「無限の可能性」

「サムシング・グレート」という言葉をご存知でしょうか。「人智を超えた偉大なる存在」をそのように名付けたのが、先日亡くなった遺伝子工学の権威である村上和雄氏です。今回の無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、村上氏が生前に提唱し続けた「サムシング・グレート」という言葉の持つ本当に意味について詳しく紹介しています。

追悼・村上和雄先生──サムシング・グレートの伝道師

『致知』で「生命科学研究者からのメッセージ」を連載されている筑波大学名誉教授の村上和雄先生が13日、逝去なさいました。謹んでご冥福をお祈りいたします。

村上先生は長年、『致知』をご支援いただいた識者のお一人です。遺伝子工学の世界的権威として高名な先生ですが、遺伝子を研究する中で、その構造や働きが偶然に生まれることはあり得ず、「人智を超えた偉大なる存在」なしに到底説明はできないという結論に至られました。先生は「人智を超えた偉大なる存在」を「サムシング・グレート」と名づけられ、その言葉は仕事のジャンルや世代を超えて広く人々に知られるようになりました。

先生の偉大なご功績はいつまでも後世に語り継がれることでしょう。

ご生前の村上先生を偲び、ご著書『スイッチオンの生き方』(致知出版社)から心に残る言葉をご紹介します。

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【人間の無限の可能性】

眠っている遺伝子のスイッチをオンにすることができれば、「こうあってほしい」と望むようなことは、ほぼ100%可能といってもいいと思います。それどころか、頭で考えて「こんなことはダメだろう」と思うようなことも可能にする能力を、私たちの遺伝子は持っていると考えられます。科学的に見た可能性の限界など、全く意味がありません。人間の想像をはるかに超えた情報が、遺伝子には書き込まれているのです。

【能力の差を生むもの】

人間という存在を遺伝子レベルで見れば、学校の成績が良かろうが悪かろうが、身体が強かろうが弱かろうが、99.5%以上は誰でも同じです。能力に差があるとすれば、遺伝子を眠らせているか、目覚めさせているかの違いだけです。その違いは、心のありようや環境などによって生じます。人との出会いや環境の変化などによって、眠れる遺伝子のスイッチがオンになるとき、人は生きながらにして生まれ変わることができるのです。

【サムシング・グレート】

万感の書物に匹敵する膨大な遺伝子情報を極微な空間に書き込み、しかも、それを一切の休みなく作動させている遺伝子とは、まさに奇跡としか表現のしようがないものです。人間の理性や知性をはるかに超えたものの働きによって誕生したと考えるしかありません。私はそこに人智を超えたものの存在を感ずるのです。そういう存在を、「偉大なる何か」という意味で、私は「サムシング・グレート」と呼んできました。

【生かされている生命】

人間の生命については、まだわからないことだらけなのです。呼吸にしても、血液循環にしても、人間の力で調和的に持続的に働かせることは不可能です。しかし、それでも私たちは生きている。何もわからないままに──。そう考えてみると、いったい私たちは何事が起こっているのかと思うのです。これは「生きている」というようなものではなくて、「生かされている」というしかありません。

【生き物を生かす不思議な力】

サムシング・グレートとは、具体的なかたちを提示して、断言できるような存在ではありません。大自然の偉大な力ともいえますが、神といってもいいし、仏といってもいいような存在です。とらえ方は自由なのですが、ただ、私たち生命体の大本には何か不思議な力が働いていて、それが私たちを生かしている。私たちはそれによって生かされている、という気持ちを忘れてはいけないと思います。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 致知出版社 【発行周期】 日刊

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