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「異物混入」のミスがない食品工場は、面接時から教育を始めている

食品工場などでの異物混入は企業を危機に陥れる可能性をはらんでおり、絶対に避けなければなりません。そこで、今回の無料メルマガ『食品工場の工場長の仕事』では著者の川岸宏和さんが、面接時からわかる、人由来の異物混入を防ぐポイントについて紹介しています。

教育は面接の時から始まっている 人由来の異物の混入を防ぐポイント

食品工場の品質は働いている従業員の方の個人衛生が最終商品の品質の全てを決めてしまいます。

・包装室で作業される新規採用した従業員の方の手荒れがひどくさらに手を十分に洗わずに弁当のトッピング作業を行ってしまった
・家庭で子供の下痢がひどく子供の下痢の手当をした新規採用の従業員の方が手を十分に洗わずにおにぎりのオペレーターを行っていた
・娘の結婚式が近いので正装をするために爪を伸ばしたままで包装作業を行っていた

従業員に対して充分に教育を行っていないとこういった個人衛生に関する要因で食品事故が起きてしまいます。従業員の衛生教育は新規採用の面接時点から始まっています。面接官がまず衛生的なこざっぱりした服装で面接を実施する必要があります。

もちろん面接場所も清掃が行き届いている必要があります。私が面接に行った訳ではありませんが、ある工場の応接室に動物の置物が置いてありました。その置物は埃だらけで頭の所にうっすら埃が溜まっているのが近づかないでも確認できるほど埃が溜まってしました。工場の応接室を良く確認すると掛かっている額の埃、蛍光灯の埃が目に付き、片隅には蜘蛛の巣も貼っていました。この食品会社は結局倒産してしまいました。ここまでひどくなくても、面接に使用する机、部屋の清掃は十分に行います。

面接時に注意すること

従業員の面接時点に化粧が濃い、爪が伸びている、手荒れがひどい等の場合は、「工場で作業する場合は臭いのきつい化粧は困ります」ときちんと今の状態を伝えて入社してからの化粧などの変更ができるかどうか確認をもらう必要があります。

食品工場で働く一般従業員の場合は作業上の注意ができて履歴書などに問題が無ければ採用になると思います。採用までに検便の提出などの確認事項を経て、入社当日の注意を書いたメモを渡します。このメモの内容が出勤当日の教育の内容になります。

「初日教育の内容」の中で特に体調管理に注意が必要で、「下痢、発熱が有る場合は連絡の上出勤しないことが大切です」と注意が必要になります。食品工場で働くためには自分自身の体調管理を万全に行っておく必要が有ることを面接時点でも充分に教育を行います。

食品工場では特に惣菜弁当工場などは、深夜労働が多いのと、季節、曜日要因で生産量が変化しますので、派遣従業員を採用している工場が多いと思いますが、派遣会社から事前に、検便結果、体調管理の状況、教育の状況を確認しておく必要があります。初日教育は人材派遣管理会社に工場で働く前に事前に行ってもらいます。

面接時は、相手から面接官、面接場所を通じて会社も面接されて居る事を忘れてはならないのです。面接は工場側もお客様に面接されて居る事を忘れてはいけないのです。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 河岸宏和(食品安全教育研究所 代表) 【発行周期】 ほぼ 週末刊

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