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国民猛反対でもエルサルバドルが「ビットコイン」を法定通貨にした裏事情

今年9月、世界で初めてビットコインを法定通貨として正式に採用し話題となったエルサルバドル共和国。しかしその裏には、権力者たちの良からぬ思惑も存在しているようです。今回の無料メルマガ『出たっきり邦人【中南米・アフリカ編】』ではエルサルバドルの首都サンサルバドル在住の日本人著者・ピンクパールさんが、同国がビットコインを国として認める真の目的を暴露しています。

エルサルバドル・サンサルバドル発 『コンパクトさが唯一の取り柄』・エルサルの都会から 第53回 エルサルバドルってどんなとこ?

当国・エルサルバドルのニュースが世界中を一瞬ですが騒がせました。なんと、バクチの対象で実体のない暗号通貨であるビットコインを国の公式通貨として認めたのです。しかも、指定のアプリをインストールして登録すると、30ドル分を進呈するというのです。

はっきりいって、大義名分なんか嘘っぱちです。

一応、銀行口座を持てない国民の、アメリカからの送金を受け取る窓口として、手数料が爆安のビットコインを使えるようになんてアナウンスしています。しかしですね、これを発表した途端に、ビットコインは17%も下落したのですよ。

価値の変動幅が定まってないうえに、実体のない暗号通貨を国として認めると、今後はマネーロンダリング(以下、マネロンと表記)が追えなくなるということです。これまで、過去の大統領や国の機関のトップは、退任後に、軒並み国のカネの横領で裁判にかけられています。ビットコイン使うと、これが証拠も残さずに横領やり放題、ってことになるのですよ。

国は国民に30ドルという餌を最初に撒き、指定のアプリを使わせて、個人番号(日本のマイナンバーに相当)により出入金を把握できます。これで、アメリカからの送金を丸裸に出来るって寸法です。

ただ、ビットコインを扱う業者や口座は世界中に存在します。これを現政府高官の連中が使って横領したカネをマネロンしたら…、そう、退任後に摘発される可能性が限りなくゼロになるのです。これこそが暗号通貨・ビットコインを国として認める目的なのですよ。

あ、これ、当然、法律作って国会で通ってます。というものの、現在国会議員連中はビビリハゲ(久々~)の子分が余裕で過半数超えているので、なんでも好き勝手な法律を作れるのですよ。

商取引でのビットコイン決済を拒否できないという法律まで作ってしまいましたから、商売人は大変です。端末が絶対に必要になりますからね。ちなみに、複数のスーパーマーケットの買収を繰り返し、当国最大のスーパーマーケットになったスーペルセレクトスなんか、さっそく2次元コード端末をレジに置いて対応が始まりました。ただ、政府の、利用する側への説明不足のようで、アプリには残高があっても、店側の決済用2次元コードが読み込めないというトラブルがレジで起きているのですよ。原因は、利用側の2次元コード読み取りアプリが未インストールなのでした。これって後ろに並んでいる買い物客の列が掃けないから、普通の買い物客にとっては迷惑なだけなんです。

なお、普通に銀行口座を持っていて、クレカやデビカを持ってる国民にはビットコインは無用です。どうせ、個人の財産は筒抜けなんですからね。一部では、ビビリハゲの真意を見抜いているようで、「ノー・ビットコイン」なんてデモまでやってましたけど、法律作る側がやったことなので、どうしようもありません。

さて、次の選挙は大統領と国会議員のダブル選挙です。これまで国民を子分と共に欺いてきているのがバレてきているので、次の選挙は荒れるでしょうね。又、マラス(編注:ギャング)を手下として使うんでしょうけどね。(『出たっきり邦人【中南米・アフリカ編】』より一部抜粋)

著者/ピンクパール(「『コンパクトさが唯一の取り柄』・エルサルの都会から」連載)

image by: Juan Carlos Caos / Shutterstock.com

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【著者】 出たっきり邦人【中南米・アフリカ編】 【発行周期】 隔週

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