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Helsinki, Finland - August 30: Unidentified people in Helsinki Old Town, Finland at August 30, 2018. Helsinki is the capital city and most populous municipality of Finland

【書評】ほぼ残業なしで定時退社。羨ましすぎるフィンランドの日常に迫る

幸福度世界1位のフィンランドでは、残業はほぼなしで定時退社が当然、4週間連続の夏季休暇を取得できるそうです。何とも羨ましい限りですが、今回ご紹介する無料メルマガ『1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』』では、日本とは大違いなフィンランドの現状を伝えています。

【一日一冊】フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか

フィンランド人はなぜ午後4時に仕事が終わるのか

堀内都喜子 著/ポプラ社

北欧フィンランドの社会人の75%は、4週間連続の夏季休暇を取っている!! 残業もほとんどなく、在宅勤務も3割。6~8月の夏季休暇のシーズンには、10人の社員のうち4、5人は職場にないというのが、通常の風景なのです。

さらに定時退社は当然であり、「18時過ぎに帰ってくる父は、家庭を大事にしない父親失格の人」と言われているという。

それでいてフィンランドの一人当たりGDPは5万ドルで日本が4万ドルなので円高の余地があるとすればほぼ同じ。日本と同じ収入を確保しているのです。いわゆるワークライフバランスが現実社会の中で実現しているのがフィンランドなのでしょう。

調査によると、30歳以下の社会人のうち、約半分が4週間連続の夏季休暇をとれていない。全ての社会人では、4週間連続でとれていないのは27%である。(p140)

そもそもフィンランドでは新卒採用がなく、業務の決まった職種別採用なので、年齢、性別、全く関係なしの実力主義であることがわかります。

子どもが3歳までの育休を多くの人が取るので、その代理として3年未満の期間限定雇用という形でカバーします。こうした期間限定雇用や学生インターンを活用しながら、休暇を取っても代わりに仕事を進める人がいる体制を取っているようです。

日本のように誰もが休みを取らないと休みにくいですが、フィンランドのように誰もが休みを取るのであれば、非常に休みやすいのではないでしょうか。

上下関係は、肩書だけでなく勤務年数や年齢、学歴、性別にも左右されない…。年功序列はないし、実力や成果が重視される。(p91)

これまで2回、3週間の休みを取り、3回目を計画している本のソムリエも、フィンランドでは社会人失格なのでしょう。

日本は儒教的文化がありますので、あと100年くらいすれば、北欧のような乾燥したドライな文化を若干取り入れることができるのではないでしょうか。

データに基づくフィンランドの職場というより著者の経験を中心としたものでしたので、もう少しフィンランドを調査してみたいと思います。良い面と悪い面を把握して判断しないと間違うこともありますので、フィンランドの悪い面も見ていきたいですね。

堀内さん、良い本をありがとうございました。

【この本で私が共感した名言】

<産休・育休は法律で認められた権利である。子どもが3歳になるまで育休は認められているため、長ければ休みが3年に及ぶこともある。(p107)>

<新卒採用システムのないフィンランドでは、この1~3年の期間限定の雇用は、フルタイムへの第一歩となり、いい経験になる。(p107)>

【私の評価】★★★☆☆(75点))

<私の評価:人生変える度>
★★★★★(お薦めです!ひざまずいて読むべし)
★★★★☆(買いましょう。素晴らしい本です)
★★★☆☆(社会人として読むべき一冊です)
★★☆☆☆(時間とお金に余裕があればぜひ)
★☆☆☆☆(人によっては価値を見い出すかもしれません)
☆☆☆☆☆(こういうお勧めできない本は掲載しません)

image by: astudio / Shutterstock.com

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【著者】 本のソムリエ 【発行周期】 ほぼ 平日刊

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