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露プーチン政権への“クーデター”を恐れる習近平。絵空事ではない中国大崩壊

3月30日に行われた外相会談で協力関係の強化を確認した中ロですが、習近平政権サイドが抱えるジレンマは相当に深刻なもののようです。今回のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では台湾出身の評論家・黄文雄さんが、ロシアの政変が中国崩壊に直結しかねない理由を解説。それ故に習近平国家主席は、ロシアとプーチン大統領を支援せざるを得ない苦しい立場に追い込まれていると指摘しています。

※本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2022年3月30日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:黄文雄こう・ぶんゆう
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

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【中国】ロシアでクーデターが起これば習近平政権も中国も大崩壊

中国資産巡る警戒感、強まるばかり-中ロ首脳の結束で政治リスク

ロシアのウクライナ侵略以降、中国に対する投資家の警戒感が高まりつつあります。ブルームバーグによれば、外国投資家が中国投資の際に参照するMSCI中国指数が、他国の株価指数に対して、過去20年余りで最大に近い定位で推移しているということで、外国投資家が中国株から逃避していることがわかります。

習近平もプーチン同様に全体主義国家の独裁者であり、何をしでかすかわからないという不気味さがあるからです。ロシアへの軍事協力により西側諸国の制裁対象になる可能性もあり、また、台湾侵略を強行するかもしれないという懸念があるため、外国人投資家は手を出しにくくなっているのです。

中国政府は株式市場の安定や経済成長を支える政策を打ち出し、また、これまで行ってきた巨大IT企業などへの締め付けを早期に終わらせるとアナウンスすることで、外国人投資家の懸念を払拭しようとしています。

中国は株式市場を安定維持へ、国外上場も支持-本土・香港株急騰

これにより一時的に株価は上昇に向かったようですが、冒頭の記事によれば、外国人投資家は利益を確定するための準備に入っており、持ち直しは長くは続かないと予測しています。

いずれにせよ、習近平政権のリスクについて、投資面でも世界は気づき始めたということなのです。つい数年前まで、外国企業も外国政府も中国にどっぷり浸かっていたことから考えると、隔世の感があります。

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そしてもうひとつ、世界が懸念しているのは中国の「ゼロコロナ政策」です。これについては1月のメルマガでも書きましたが、中国はこれまで新型コロナに対して完全に封じ込めていると「勝利宣言」をしてきました。

ところがオミクロン株という感染力の強い変種が出てきたため、中国国内で感染者が激増してきています。ただしオミクロン株は感染力は強くても重症化率や死亡率が低いのはご承知のとおりです。

そのため、多くの国々では「ウィズコロナ政策」へと転換しているのですが、中国共産党は絶対に誤りを犯さないという無謬の存在ですから、ゼロコロナ政策から転換したくても、出来ないのです。

【関連】習近平の面目丸つぶれ。ゼロコロナ失敗の中国は「尖閣奪取」に動く

3月28日から、中国最大の経済都市である上海がロックダウンされました。ユニクロもテスラも休業や工場停止に追い込まれています。

上海ロックダウンで「ユニクロ」休業、テスラも工場停止…コロナ新規感染は最多更新

今年の秋に最高指導者として異例の3期目を目指す習近平にとって、コロナ対策で失敗することは命取りとなります。いまさら「ゼロコロナ政策は失敗でした」などとは、口が裂けても言えないでしょう。

そのため、無理をしてもゼロコロナ政策を続けているというのが現在の中国なのです。現在では、クラスター感染を起こした地域では、感染対策を怠ったとして、地方幹部がどんどん処罰されており、3月だけで150人以上が免職や停職などの処分を受けたそうです。

「ゼロコロナ」の中国、大学クラスターで市長免職…3月だけで地方政府幹部ら150人超処分

こうなると、幹部は感染者数をごまかそうとするでしょうし、それによって感染者が爆発的に増え、そしていずれロックダウンをせざるを得なくなるという負の連鎖が始まります。外国投資家も、怖くて中国に投資できるはずがありません。これも独裁国家であるがゆえの負の部分です。

新型コロナが世界的流行を見せた初期の頃、決定が遅い民主主義国家よりも、トップダウンで物事が決まる独裁国家のほうが、パンデミックに対しては有利なのではないかという意見がありました。しかし、ロシアのウクライナ侵略から完全に潮目は変わりました。全体主義、独裁国家の危うさがはっきりと露見したのです。

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そして世界は、中ロなどに対して備えるようになりました。台湾ではウクライナ情勢を踏まえて、自衛力強化を図る動きを強めており、2018年に事実上廃止された徴兵制の復活を検討し始めていると報じられています。

徴兵制を事実上廃止した台湾、ウクライナ戦争で4年ぶりに回帰か

中国にとって最悪なのは、ロシアで政変が起こることでしょう。プーチン政権内部では、高官の辞任や国防相が表に出てこないといったことが続き、国民の不満の高まりもあって、クーデター説が絶えません。

プーチン政権に不満渦巻く くすぶるクーデター説 ロシア高官辞任、国防相は雲隠れ

もしもロシアでクーデターが起これば、中国でも失脚させられた高官や弾圧されてきた民主派、あるいは反習近平派の逆襲が始まる可能性が高まります。西側諸国からロシアと同一視されることを回避したい習近平政権としては、本来はプーチン政権と距離を起きたいはずですが、とはいえプーチン政権が倒れれば、その余波は自分にも向かいかねません。だからプーチン政権を支えざるをえないというジレンマに陥っているのです。

かつてソ連が崩壊しても中国は崩壊しませんでした。その理由としては、鄧小平が毛沢東路線を捨てて改革開放路線に舵を切って西側に近づき、個人の独裁体制から集団指導体制に変わったことも大きな要因だったと思われます。

しかし習近平は現在、毛沢東路線へ回帰し、個人崇拝の独裁体制を強化しています。プーチン独裁が終わりロシアに政変が起これば、それは中国でも個人独裁の弊害が意識され、習近平下ろしの権力闘争が始まるかもしれません。それどころか、ロシア崩壊が中国崩壊に直結して共産党独裁体制が終わる可能性すらあります。

習近平は、そのような厳しい状況にあるため、ロシアとプーチンを支援せざるをえないのです。

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