デリバリーやテイクアウトが大きく伸びたコロナ禍の飲食業。生活様式の変化により、感染状況が落ち着いても中食の需要は大きいままです。そこで宅配弁当事業に新規参入し、10坪の厨房で「月商800万円」を達成した企業の事例を紹介するのは、船井総合研究所で史上最年少のフード部マネージャー職に就き、現在は京都で外食・中食業態を複数経営しつつ、多くの企業をサポートする堀部太一さんです。今回のメルマガ『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』で堀部さんは、「冷凍保管」で「業務の平準化」を実現するために備えた厨房機器や、目標月商達成のための製造と保管の戦略を具体的に明らかにしています。
この記事の著者・堀部太一さんのメルマガ
10坪厨房で弁当宅配月商800万円を実現した企業の製造戦略
今月は非常に嬉しい結果報告がご支援先からありました。コロナ禍が始まってからデリバリーに参入したご支援先ですが、10坪の厨房ながら6月月商800万円を達成とのこと。これを社員さん1名で回されるので素晴らしいです。
この辺りのポイントをまとめましたので、また参考になることがあれば幸いです。
どのような会社?
こちらは飲食業の企業ではありません。今まで「自分達で作る」ということは一切なく、本当にゼロからスタートされた企業でした。そのため、圧倒的な「実行力」がありました。わからないのでまずはやってみて判断します。
この前提があったのでゼロからの立ち上げながら、3ヶ月ちょっとで事業開始を実現しました。
厨房のキャパシティ
いきなり大きな投資はリスクとのことで、かなりのミニマムでスタートしました。厨房のキャパは10坪ちょっとくらい。立地も3等立地ですので家賃は坪単価で9,000円ほど。
本当に社会情勢が読めなかったので、固定費は徹底的に抑えて始めました。
立ち上げた事業
高級弁当宅配とゴーストレストランです。前者に関しては「市場規模」が大きいど真ん中。ピザと寿司は先行企業が強かったのですが、高級弁当宅配は先行企業が3社だけ。
うち1社はコロナで経営が不安定だったので、実質超えるべきは2社の状況。うち1社は母体からして強いため勝負を避け、もう1社を圧倒的に包み込むことにしました。(この辺りはバックナンバーにて)
それと同時に固定費分を補うため、トレンド業態を立ち上げてゴースト展開。この2本柱で走らせることにしました。
厨房機器で重視したもの
基本的には「クックフリーズ」で対応するため、下記を中心に設計していきました。
- スチコン
- 二槽フライヤー
- コンロ(3口)
- 真空包装機
- 急速冷凍機
大多数は「冷凍保管」です。
焼物と煮物はスチコンで作成。焼物は全て冷凍させ、煮物は冷凍不可な食材以外は冷凍。揚物はフライヤーで作成。これも全て冷凍させます。冷凍NG食材を除いてレシピ化を行ったため、どんどん冷凍させていくことになります。
ポイントは「業務の平準化」です。忙しいとか暇とか関係なく、粛々と計画的に製造していくことになります。
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計画製造の捉え方
- 目標月商を決める
- 食材別の想定出数を決める
- 食材別の在庫回転を決める
このように進めていきました。
例えばこんな感じです。
- 目標月商300万円
- 月間食数は2,000食(単価1,500円)
- 南瓜の煮物は1,400食
- 南瓜の在庫回転は2週間
- 1回で700食仕込む
このような考え方です。少量をちょこちょこ仕込み・調理するよりも、まとめて一気にやった方が当たり前ですが、人時売上は良くなります。
あとは在庫回転です。売れないものを過剰在庫してもいけませんし、「何がどの程度出るのか」これの把握を正しく行えるかどうかが大切です。
そのため、「食材SKUは少なくする」のが重要なポイントになります。品揃えは多いようで似た食材が多いので、店舗での管理は楽になる。このバランスが大切になります。
出数が多いものは「在庫2週間」ルールとし、それのストックが可能な分の冷凍庫を10坪のキャパに詰め込みました(扉が全開に出来ないくらい詰め込んでます。笑)。
1件500万円の大口対応
高級弁当宅配だと坪月商50万円はいけるので、10坪だと500万円は設備的にいけます。しかし今回は月商800万円。
内訳で見ると、
- 通常:300万円
- 大口:500万円
(ゴーストで+50万円程)
このような感じです。この500万円をどう作るかがポイントでした。
3つの大きな問題点
月商500万円は数ヶ月前から決まっているため、計画製造自体は何の問題もありませんでした。
ただ重要になってくるのは、
- お米をどうするの?
- 保管場所どうするの?
- 物流をどうするの?
この3点でした。
これの詳細をみていこうと思います。(『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』2022年6月20日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)
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