人口減少や人手不足が進む地方都市では、飲食業を取り巻く環境は年々厳しさを増していると語られることが少なくありません。一方で、すべての企業が苦戦しているわけではなく、地域特性を踏まえた業態設計や出店戦略によって継続的に成長している事例も存在します。外食・フードデリバリーコンサルタントの堀部太一さんは自身のメルマガ『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』の中で、地方都市で成果を上げ続ける企業に共通する考え方として、市場規模(MS)・商圏人口・シェアという視点から、業態展開や店舗運営、メニュー戦略のポイントを整理します。
地方都市で業績を上げ続ける企業の業態展開と重要指標
■本当に地方都市は厳しいのか?
確かに地方都市は人口減少スピードが早いですし、人手不足もより深刻。かつ値上げに対する許容度もやはり低いと言えます。
人手不足に関しては人口20万都市のご支援先が「若手の社員さんを採用しました!50代前半です!」というのが冗談ではなく起きている感じ。
ここだけ切り取ると「地方都市」は厳しい!となります。しかしマクロではそうでもミクロでは違う。それが飲食業でもありますよね。
■売上の方程式で考える
売上=MS×商圏人口×シェア
こう考えた時に、商圏人口は減り続けるのでここはコントロールできない部分。
しかし適切なMSがあり、シェアを獲得できるならば?これで見ると実はまだまだチャンスがあるケースもたくさんあります。
特に地方都市に敢えて展開されるご支援先が声を揃えて仰られるのが「競争が激しくない」という事。都心部と比べると確かにそれも事実。
ただ広告をうてば流行るみたいな簡単なものでも無い為、都心部の強みをどう地方で落とし込んでいくか。ここが大切であり、それを下記で見ていこうと思います。
■業種選びで気をつけるべき事
絶対に失敗してはいけないのが業種選び。ニッチなんて考える必要はなく基本は総合化。デカく勝つ!を大切にしています。
上記の方程式で見れば「MS」ですよね。
ベーカリーをやるとしても、ベーカリーカフェにして「パン」「カフェ」「トレンドスイーツ」などの市場を幅広く狙っていきます。
蕎麦をやるとしても、それは専門性を出しつつ「昼の定食」「夜の居酒屋」まで狙っていきます。
居酒屋をやるとしても、何居酒屋かの専門性を出しつつ80アイテム以上の総合型にしていきます。
商圏人口が小さいなら、シェアを取るかMSを取るか。しかしMSがそもそも小さければシェアを取っても伸び代小さく。
その為、最初からMSを大きく攻める。しかし「何でも屋」は誰からも選ばれないので入り口の専門性はしっかり打ち出すのは大前提になります。
この記事の著者・堀部太一さんのメルマガ
■最優先指標はこれ
MSを大きくする。これのリスクは初期投資の大きさと教育コストがかかる事ですね。
・初期投資について
MSを大きくするのに席数が小さい。それはアンマッチ過ぎますよね。MSが大きいという事は基本的に席数も大きくなります。
ロードサイドの場合は100席をベースに考えますし、駅前でも80席くらいを狙っていきます。
その分、どうしても設備投資は大きくなります。やはり今は1億でコロナ前に作れたものも2億弱かかるのが現状。このリスクはあるので、財務力あるか否かで攻めの意思決定が出来るかどうかにもなってます。
今までは3-5年回収。ここを狙う事も多かったですが、今は「5-7年回収」が実態かと思います。
初期投資の上昇率分、利益も上がれば良いですが外部環境はそんなに甘いものでなく。
投資回収5-7年でも財務戦略に問題ないか。ここは気をつけるところですね。
・教育コストについて
人手不足なのに総合化。これはどうしても教育コストがかかりやすい部分です。そのため意識したいのが「どこまで自分達で抱え」「どこからは外部を使うのか」の視点です。
単品の原価率の視点だけでいけば、既製品・OEM・PBなど使えなくなります。しかし製造原価として捉え、食材原価と労務費を足した分が適正の範囲内でいける。その結果、厨房の基本人員数を抑えられる。
こうなるのが大事です。手作り比率が高くて、仕込みも調理も工数が多くて、原価率は低いが人員数が多い。このモデル自体はかなり難しくなっています。
最小人員数で最大アイテム数。そのためのメリハリをどう考えるか。ここは大事にしたいですね。
■FD比の大きな変化
これは夜の業態になりますが、居酒屋でもFD比率、フードドリンク比率が60%・40%に達するケースが増えてきました。飲まないという事ですね。
郊外寿司居酒屋のご支援先では、飲まない比率でも特に「とりあえず水で」が多いので、ドリンク1杯を導入されました。喧喧諤諤議論はあったのですが、ドリンク1杯の導入。結果それによるマイナス影響は特段ありませんでした。
しかし売上で見てみると、
・1年前と比べてドリンク杯数は増加
・1年前と比べてドリンク売上は減少
このような状況にありました。1杯導入なので飲む方は増えたとはいえ、1年前よりも飲まない人が増加。その結果、このような状況に陥っていました。
そのため、こちらではプレイアムラインのソフトドリンクを強化。しゅわしゅわ炭酸系・お茶系・甘い系の切り口で準備。完全手作りだと回らないので、全て抜栓複数杯取りで導入。
中心的な金額はサワーやハイボールなどのアルコール類と同等程度の金額で原価率は20%台半ばほど。これにより今はドリンクABCの上位はこの辺りが占めてくれました。
売上に占めるインパクトはまだまだメインではありませんが、飲まない人でも選んでくれる居酒屋ポジションをしっかり得ていく。ここを大切に見られています。
■メニュー展開で気をつける事
FD比率が60%・40%。こうなってくると、食事の魅力はとても大切になります。また同時に「ターゲットを広く取る」のを意識した構成を作られています。
例えば、ーーー(『飲食・デリバリー企業向け/業績アップメルマガ』2026年6月15日より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)
この記事の著者・堀部太一さんのメルマガ
image by: Shutterstock.com
[touorku]