「Web3.0」で一番盛り上がっているのは高校生や大学生
内田:私は、中島さんは経営者であり、投資家でありというイメージをずっと持っていたんですけど、色んな情報発信をされているのを聞いていると、エンジニアとしてまた再びワクワクしているなって感じがするんです。
中島:もう本当に童心に帰ったような感じです。
内田:「Web3.0」には年代問わず本当にワクワクしている人がたくさんいて、ここから未来がうごめきながら出来上がっていくんですね。
けんすう:やっぱり「Web3.0」だと、高校生とか大学生が本当に盛り上がっていて、実際に会いに行くと、大体やっぱりそのぐらいの年齢だったりするので、それが結構いいなと思っています、ここ10年ぐらいは、あんまり見なかったんです。大学生が自分でも何かできると思って盛り上がるっていう場所がなくて、メルカリを作ろうと思っても、スマホゲームを作ろうと思っても、やっぱり大資本がいるし、作ったらたくさん広告費を払わないといけないし。やっぱり資金調達とか、マネジメントとか、大人の戦い方が求められるので、高校生、大学生の出る幕があまり無かったんです。でも「Web3.0」の登場で、今それが変わっているのが面白いです。
内田:確かに、これまでは起業にはお金が切っても切り離せなくて、それを大きくしたいと思ったら、またお金が必要になっていたんですよね。
中島:そうです。ちょっと前までは大資本が必要だったのが、「Web3.0」で突然時代が変わった。だから、高校生や大学生には大チャンスです。
内田:高校生になりたい気がしてきました。
中島:僕は、アスキーにいて、大学の時に「CANDY」ってソフトを学生の時に出して、荒稼ぎしたじゃないですか。あれってパソコンの黎明期だったからできたわけで、それがもう、iPhoneアプリではできなくなってるわけです。iPhoneアプリだったら、広告費を出して、かけた広告費より多く返ってくればラッキーというぐらいのビジネスになっている。
内田:要するに、レッドオーシャンになっているっていうことですか?
中島:そう。でも、「Web3.0」には大チャンスがある。
けんすう:「Web3.0」で大事なことは、やっぱり「暇と体力」だと思っています。
内田:「暇と体力」ですか?
けんすう:「暇と体力」が無いと、膨大な情報についていけないし、よくわからないところに時間を投資することはできないので、高校生や大学生は、めちゃくちゃ有利だなと思っています。
内田:暇があるし。
けんすう:そうです。体力もあるし。
そもそも「Web3.0」とは?
内田:改めて今日の対談テーマを紹介させていただきます。「日米IT連続起業家が考えた、稼げるウェブ3.0の最前線」ということで。
けんすう:稼げる…。
内田:稼げるっていう言い方はともかくとして、ビジネス面でも今日はお話を伺っていけたらなと思います。まず「Web3.0」そのものがよくわからず、まだなんとなく悶々としている人たちが、世の中の大半で、お二人のようにグッと魅力を掴んでる人の方が少ないんじゃないかと私は思っています。お二人ともVoicyとかを使われて、「Web3.0」を分かりやすく、中学生でもわかるようにと発信されているじゃないですか。私はそれを聞いて、なんとなくイメージすることが、最近できてきたような感じはしているんですけど、まず、中島さんから「Web3.0」を、短く簡単にご説明いただけますか?
けんすう:これは難しい(笑)。
内田:とっても難しいとは思うんですけれどもね。
中島:悩んじゃいますけど、基本は「ブロックチェーン」と、その上に「スマートコントラクト」があるという仕組み。「ブロックチェーン」と「スマートコントラクト」は技術なんです。それによって色んなものが可能になりつつある。例えば「NFT」とか「暗号通貨」もそうだし、色んなものが出始めているけど、まだ出始めなんです。その基本の技術、例えばインターネットとかスマホみたいな基本の技術があると、そこからいろんなアプリケーションが出てくるじゃないですか。その色んなアプリケーションが出るための、根っこが今出来たところなんです。
内田:インターネットみたいな仕組みができた。
中島:それが「ブロックチェーン」と「スマートコントラクト」で、その上にこれからものすごくいろんなものが出てきます。「NFT」なんて、まだ最初の一歩なんです。
内田:本当にじゃあ駆け出しみたいな感じ。
中島:「ブロックチェーン」は誰にも管理されないものなんです。GoogleとかAmazonに依存せずにプログラムを出せるのが、僕としては嬉しくて。アプリケーションをポンと放てる。野に放して勝手に走ってもらえて、月々いくらとかAmazonに払う必要がないんです。
内田:今だったら、Amazonとか色々アプリとかをダウンロードするにはお金がかかったりしますよね。
中島:それとはちょっと違っていて、Amazonのサーバーの上でサービスを僕がやろうと思ったら、今は月々いくらかをAmazonに払わなきゃいけない。ユーザー数が少なければ大したことはないけど、基本的には永遠には動いてはくれないんです。僕がお金を払うのを止めたらポンと止まるし、万が一爆発的な人気が出て、もの凄い数のユーザーになったら、すごいお金がかかるわけです。でも「ブロックチェーン」の「スマートコントラクト」って、本当にポッと野に放つと、何もしなくても走り続けてくれる。それがいくらユーザーが増えても全然関係ないんです。逆にユーザーが増えると、お金が入ってくるくらいなので、ものすごく楽しくてしょうがないんです。
内田:使う人たちも、そんなにすごいお金はかからないんですか?
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