MAG2 NEWS MENU

台湾以上に危険な日本。自衛隊に中国系ノートPCを支給する我が国の平和ボケ

2018年の米国政府による国内企業と中国の通信会社ZTEとの取り引き禁止に端を発し、西側諸国に拡がった中国製IT機器排除の動き。しかし日本においては除外するどころか、政府系企業に流れ込んでいる疑惑が明らかになっています。今回のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』では著者で台湾出身の評論家・黄文雄さんが、8月2日のペロシ米下院議長の訪台時に台湾各地で起きたハッキング事件を取り上げ、中国製ネット機器を使用する危険性を指摘。さらに自衛隊に中国系メーカーのノートパソコンが支給されている事実を紹介するとともに、日本政府に対して、ハイテク分野の安全保障問題に危機感を持って取り組むよう訴えています。

※本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2022年8月24日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

この記事の著者・黄文雄さんのメルマガ

初月無料で読む

 

プロフィール:黄文雄こう・ぶんゆう
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。 

【日本】中国IT機器を排除しきれない日本は台湾以上に危ない

だから台湾各地のセブン-イレブンは混乱に陥った…「中国製ネット機器」の危険性を見くびってはいけない

8月2日、アメリカのナンシー・ペロシ下院議長が台湾を訪れた際、台湾高速鉄道の新左営駅の壁面ディスプレイや高尾駅のスーパーのディスプレイなどがハッキングされ、「老魔女の姑息な台湾訪問は、祖国の主権に対する重大な挑戦だ」「戦争屋ペロシ、とっとと台湾から出て行け」といった文言が表示されたことは、以前のメルマガでも紹介しました。

【関連】メンツ丸潰れ。ペロシ訪台で苛立つ習近平政権に懸念される大暴発

同様のハッキングは、南投県珠山郷役所の大型看板やセブン‐イレブンの店内モニターで行われたようですが、情報安全保障研究所首席研究員の山崎文明氏によれば、その原因は中国製ネット機器を使用していたことにあるということです。

たとえば、台湾には19の駅にデジタルサイネージが設置されていますが、新左営駅だけが中国企業カラーライト社製ソフトウェアを使用していたそうです。その他、花蓮駅にも中国製デジタルサイネージがあったものの停止中で、その他17駅のデジタルサイネージは台湾製の製品やソフトを使用していたとのこと。

台湾政府は公的機関に対して、中国製品の使用制限を行ってきました。しかし台湾鉄道ではいまだファーウェイ製ルーターを使用していたことから、今回のハッキングにつながったと見られています。

そのため、台湾政府は使用を禁じる中国製通信機器の対象を拡大する方針を示しています。

中国製機器禁止、対象拡大へ コンビニや駅の液晶にハッキング/台湾

この事件は、改めて中国製品を使用する危険性が明らかになったといえるでしょう。公的機関のみならず、民間のスーパーやコンビニ、金融機関のコンピュータがハッキングされれば、社会は大混乱をきたしてしまいます。また、いかに簡単にフェイクニュースを流すことができるかということも、証明されたといえるでしょう。

現在の日本でも、コンビニやスーパーのみならず、電車、タクシーなどの社内でもデジタルサイネージが設置され、さまざまな広告やニュースが流れています。そこにフェイクニュースを流せば、パニックを起こすことも可能です。

この記事の著者・黄文雄さんのメルマガ

初月無料で読む

 

アメリカでは、2018年の国防権限法により、アメリカ企業に対してファーウェイなど中国ハイテク企業の機器の使用を禁止すると同時に、これを同盟国などにも要求してきました。これを受けて、カナダやオーストラリア、イギリスなどが次々とファーウェイやZTEなど中国通信機器メーカーを排除する決定が行われました。また、日本でも政府調達からファーウェイとZTEを事実上、除外することが決定されたと報じられました。

日本政府の中国通信機器メーカー排除、日中関係に悪影響=商務省

ところが、日本の場合には他国と異なり、政府調達に関するガイドライン改定にあたりファーウェイやZTEを名指しせず、「事実上排除」を匂わせるだけのものでした。そのため、現実にはファーウェイ製品が政府機関に流れ込んでいるらしいのです。

国際ジャーナリストの山田敏弘氏は、「文春オンライン」において、自衛隊に中国系ノートパソコンが支給されている事実を明かしています。また、日本政府も政府調達のガイドライン改定にあたり「特定の事業者や機器を名指しするような記載はしていない」と述べており、中国製通信機器への規制が機能していない実態を暴いています。

「自衛隊に中国系メーカーのPCが配られて唖然」「LINEの情報もダダ漏れ」“ファーウェイ排除”を進めない日本の超危険

山田氏も述べていますが、ファーウェイのホームページに記載されているQ&Aでは、「ファーウェイは日本の5Gネットワーク構築から排除されているのですか?」という問いに対して、「日本政府が発表した調達ガイドラインは、特定の国や会社について詳細を述べたものではありません。」と回答しており、ファーウェイは日本市場から排除されていないと主張しています。

ファーウェイは日本の5Gネットワーク構築から排除されているのですか?

つまり、日本は台湾以上に危険な状況なのです。「台湾有事は日本有事」とはいいますが、台湾有事の際に、日本の混乱が台湾危機を拡大させてしまう可能性すらあるのです。

先の山崎氏によれば、中国はコピーやスキャン、印刷といった機能を統合した日本の複合機技術や、ハイブリッド車で培ったパワー半導体技術の盗用を目論んで画策しているといいます。

先日の内閣改造で高市早苗氏が経済安全保障大臣に就任しました。高市氏はスパイ防止法の法制化に強い意欲を抱いているとされています。また、デジタル庁の大臣に就任した河野太郎氏は、7月26日に開催された台湾の国際フォーラムにリモートで参加し、中国の台湾への武力侵攻圧力に警戒感を示しました。

ハイテク分野の安全保障は極めて重要ですが、平和ボケの日本ではこれがなおざりにされてきたといわざるをえません。新内閣がどれほどの危機感をもって、この問題に取り組むのか。それが今後の日本の不沈を左右するといっても過言ではありません。

この記事の著者・黄文雄さんのメルマガ

初月無料で読む

 


 


最新刊
バイデン政権がもたらす新たな米中危機 激震する世界と日本の行方
好評発売中!


image by: Ink Drop / Shutterstock.com

※ 本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2022年8月24日号の一部抜粋です。初月無料の定期購読のほか、1ヶ月単位でバックナンバーをご購入いただけます(1ヶ月分:税込660円)。

こちらも必読! 月単位で購入できるバックナンバー

初月無料の定期購読手続きを完了後、各月バックナンバーをお求めください。

2022年7月配信分

2022年7月のバックナンバーを購入する

2022年6月配信分

2022年6月のバックナンバーを購入する

2022年5月配信分

2022年5月のバックナンバーを購入する

2022年4月配信分

2022年4月のバックナンバーを購入する

2022年3月配信分

2022年3月のバックナンバーを購入する

2022年2月配信分

2022年2月のバックナンバーを購入する

2022年1月配信分

2022年1月のバックナンバーを購入する

2021年12月配信分

2021年12月のバックナンバーを購入する

2021年11月配信分

2021年11月のバックナンバーを購入する

2021年10月配信分

2021年10月のバックナンバーを購入する

2021年9月配信分

2021年9月のバックナンバーを購入する

2021年8月配信分

2021年8月のバックナンバーを購入する

2021年7月配信分

2021年7月のバックナンバーを購入する

2021年6月配信分

2021年6月のバックナンバーを購入する

2021年5月配信分

2021年5月のバックナンバーを購入する

2021年4月配信分

2021年4月のバックナンバーを購入する

2021年3月配信分

2021年3月のバックナンバーを購入する

2021年2月配信分

2021年2月のバックナンバーを購入する

2021年1月配信分

2021年1月のバックナンバーを購入する

2020年12月配信分

2020年12月のバックナンバーを購入する

2020年11月配信分

2020年11月のバックナンバーを購入する

2020年10月配信分

2020年10月のバックナンバーを購入する

2020年9月配信分

2020年9月のバックナンバーを購入する

2020年8月配信分

2020年8月のバックナンバーを購入する

2020年7月配信分

2020年7月のバックナンバーを購入する

2020年6月配信分

2020年6月のバックナンバーを購入する

2020年5月配信分

2020年5月のバックナンバーを購入する

2020年4月配信分

2020年4月のバックナンバーを購入する

2020年3月配信分

2020年3月のバックナンバーを購入する

2020年2月配信分

2020年2月のバックナンバーを購入する

2020年1月配信分

2020年1月のバックナンバーを購入する

[/touroku_block]
黄文雄この著者の記事一覧

台湾出身の評論家・黄文雄が、歪められた日本の歴史を正し、中国・韓国・台湾などアジアの最新情報を解説。歴史を見る目が変われば、いま日本周辺で何が起きているかがわかる!

有料メルマガ好評配信中

  初月無料で読んでみる  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」 』

【著者】 黄文雄 【月額】 初月無料!月額660円(税込) 【発行周期】 毎週 火曜日 発行予定

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け