8日午後、イギリスの君主として歴代最長となる70年にわたって在位したエリザベス女王が、夏期休暇で滞在先のスコットランド・バルモラル城で亡くなった。96歳だった。この訃報が伝わると、各国の首脳はすぐさま弔意を示したが、我が国の岸田文雄総理大臣が弔意を発表したのは翌9日の午前9時を過ぎてから。8日に国会の閉会中審議において、安倍元首相の国葬をおこなう理由を「弔問外交のため」と言ったにもかかわらず「行動が遅すぎる」と批判の声が多く上がっている。さらにネット上では、「エリザベス女王の葬儀こそが本物の国葬」であると、「本物の国葬」という言葉がトレンド入りし、国民の総意に反する葬儀はニセモノだとする「本物の国葬論」が巻き起こっているようだ。
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安倍元首相の国葬「弔問外交」が聞いて呆れるショボい参列者たち
8日の閉会中審査で岸田首相は、安倍元首相の国葬を適切だと判断したとし、その理由を4つ挙げた。
- 国政選挙に6回にわたり勝利したこと
- 首相在任期間が歴代最長で、東日本大震災の復興や経済の再生に尽力したこと
- 外交に尽力し、平和秩序に貢献したこと
- 各国から弔意の声が寄せられていること
その上で、安倍元首相が銃撃によって命を落としたことから「わが国は暴力に屈せず、民主主義を断固として守り抜く決意を示していく」と語った。
在任期間の最長記録だけは事実だが、国民からは残りの3つについて「曖昧な成果ばかり」という声も少なくない。何よりも、国民が「国葬」に反対する理由は、今までの旧統一教会との関係であることは明白だ。
さらに岸田首相は同日の閉会中審査で、本来なら国葬の3日前に公表するはずだった海外の弔問客を“フライング”発表した。国葬の必要性を説明するため前倒しで発表されたのは、アメリカのハリス副大統領、カナダのトルドー首相、インドのモディ首相、オーストラリアのアルバニージー首相、シンガポールのリー首相、ベトナムのフック国家主席、EUのミシェル首脳会議常任議長ら。やはり主要各国トップの名前はなく、「弔問外交」で各国との関係強化をはかることをアピールしたかったようだが、逆に参列者のショボさを露呈する結果となった。
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2000年に在任期間中に亡くなった小渕恵三元首相の合同葬には、アメリカのクリントン大統領(当時)、韓国の金大中大統領(当時)も参列したが、ネットでは「今回それよりも格落ちになることは間違いない」との声も多く出ている。
弔意の表明に出遅れた日本。どの口が「弔問外交」と言うのか?
前日の閉会中審議のストレスでヤケ酒でも飲んでいたのか、弔意の表明に大きく出遅れた岸田首相。それに対して世界各国の首脳はいち早くエリザベス女王への弔意を示していた。
あのロシア・プーチン大統領でさえも「エリザベス女王は、世界が権威を認めた」との弔意を岸田首相より先に発表している。
第一報が出てから数時間がたったネット上には「弔問外交を言う資格もないほどの失態」「外交能力の低さが露呈」「よく安倍の国葬で外交をとか言えるな」「こういうところにも外交センスが表れる」と、対応の遅さに批判の声があがった。
本当に、「弔問外交」とは一体どの口が言うのだろうか?
「本物の国葬」がトレンド入りも「不謹慎だ」、賛否両論に
問題だらけな安倍元首相の「国葬」と比較して、日本のネットではエリザベス女王の葬儀を「本物の国葬」と呼び、その言葉は一時トレンド入りするほどに広まっていた。
そんな「本物の国葬」というパワーワードに対して不満を示す声もある。「英国でも王室嫌いの人はいる」「別人の死を利用して暗殺された人の葬儀を叩くな」「本物とか偽物とか言うのは品性下劣だ」「不謹慎だろ」という意見である。
しかし、そうした指摘に対してネット上には「弔問外交と言い出したのは政府だから比較されるのは当然」「弔意なら自民葬で十分では」「エリザベス女王の国葬の前に消し飛んだだろ」「残念ながら赤っ恥弔問外交となる公算大」と手厳しい反論が多くあがっている。
“品性下劣”といえば、森友問題で文書改ざんを強要され自殺した近畿財務局職員・赤木俊夫さんについて問われた際の、安倍元首相の「ニヤニヤ答弁」を思い浮かべる国民は多い。「因果応報」の声が上がるのはある意味当然とも言える。
世界の関心は一気にエリザベス女王「本物の国葬」へ
地元メディアによると、エリザベス女王の葬儀は10日後にウエストミンスター寺院で行われるという。
エリザベス女王の夫だったフリップ殿下(享年99歳)の葬儀は、2021年4月にウィンザー城の聖ジョージ礼拝堂で行われたが、コロナのパンデミック対策のために、近親者30人だけの小さな葬儀となった。そのため、イギリスでは約70年ぶりの王室の葬儀となり、かなり大がかりな「国葬」になると予想される。
ちなみに日本の昭和天皇の葬儀費用は約100億円。その内訳は「大喪の礼」に70億円、御陵(天皇の墓地)の造営費用に30億円とされている。
王室にしても首相にしても、「国葬」には国民の税金から莫大な費用が支払われる。最低でも17億円近くかかるという安倍元首相の「国葬」は、エリザベス女王「本物の国葬」を前にして、ますますその存在意義を無くしているようだ。
Twitterの反応
女王死去とメディアが報じてから4時間以上経過したのに、日本政府は何のコメントも出していない。弔問外交を言う資格もないほどの失態。報道前に本来は知らなければならない情報ではないか。
— 閑居 (@doatease2313) September 8, 2022
「安倍元首相の国葬は『弔問外交』として最大限有効活用すべき」と思っていたけれど、今後実施されるであろう、エリザベス女王の国葬の前には消し飛んでしまった感じ。
— やまとたいし (@yamatotaishi) September 8, 2022
安倍氏とエリザベス女王の
国葬を比較するなんて
不謹慎だというツイが多数でも
政府が「弔問外交」だと言っているんです
外交なら他国と比較して
評価する事は妥当だと思うんですただの弔意なら自民党合同葬で充分なのではありませんか?
— かんみ (@kanmi___kanmi) September 8, 2022
有名人が亡くなると、功績だけを取り上げて罪過を隠蔽するのは、被害の軽視と加害の正当化ではないだろうか?
国葬における英国人の反応を気にしていたが、植民地支配された国や扮装当事国の人は、謝罪すらしなかったエリザベス女王の死を祝っているという。植民地の傷は深い。https://t.co/XN6NjJ0pg4— トリ (@tori20100505) September 9, 2022
嘘と癒着と恫喝で誤魔化し続けて築いてきたものが、本人が地獄に逝ってから次から次へ崩壊していく…
俺は無神論者だけど、やっぱり神様はいるのかもしれないな
人の世は諸行無常
悪人には所業無情葬式で全てを失う人生…
哀れだ…#本物の国葬— singing (@singing72583927) September 9, 2022
イギリス、日本の議論なんか消し飛ぶ本物の国葬が来てしまうのでは……
— アオイ模型 (@aoi_mokei) September 8, 2022
世界が弔意を示す英国による本物の国葬と、国民の多くに反対される中で強行されようとしている日本の国葬風儀式。違いを感じてしまう。
エリザベス女王が死去、96歳 英王室が発表 在位70年、身近な王室を目指し改革:東京新聞 TOKYO Web https://t.co/xDFqNY9Pb4
— レナ・カルニ (@renocalni) September 8, 2022
茂木幹事長の言葉が本物なら
「国葬」どころか「自民党葬」すらできないはず。統一協会と関係を絶てない議員とは
「同じ党で活動できない」と、茂木氏。
安倍氏を総理総裁として
政権与党内で支えてきた自分を
猛烈に恥じていなければ、おかしい。https://t.co/3HOM64J1lf— 東京新聞労働組合 (@danketsu_rentai) September 5, 2022
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