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安倍氏銃撃で状況一変。ついに外れた五輪汚職という不正隠しの蓋

東京地検特捜部の捜査により次々と明らかになる、東京オリンピックを巡る不正の実態。なぜ開催から1年というこのタイミングで、「五輪汚職」というパンドラの箱は開かれたのでしょうか。今回のメルマガ『上杉隆の「ニッポンの問題点」』では、ジャーナリストで『暴走検察』の著者でもある上杉さんが、これまで時の権力に左右され続けてきた東京地検が蘇った理由を考察しています。

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【五輪汚職】蘇った東京地検特捜部、続々逮捕の3つの理由(1)

  1. 安倍晋三元首相の銃殺
  2. 甲斐行夫検事総長の就任
  3. 市川宏東京地検特捜部長の存在

五輪汚職のパンドラの箱の蓋が開いた。連日、東京地検特捜部による捜査が続いている。期待してよいのだろうか。何度も裏切られた特捜部に、私たちは期待してもよいのだろうか。

「検察は、厳正公平・不偏不党を旨として、事案の真相を明らかにし、刑罰法令を適正かつ迅速に適用・実現することを使命としています。安全な社会があってこそ、国民の皆さんは安心して、仕事をし、学校に行き、日常生活を送ることができるものだと思います。検察としては、警察等関係機関と連携しつつ、安全・安心な社会の実現に貢献するため、基本に忠実に、一つ一つの事件に取り組むことにより、国民の皆様の期待に応えられるよう、力を尽くしたいと思っております」(甲斐検事総長)

長年、検察では「安倍=黒川」ラインの暗黒時代が続いていた。とくに2012年の第二次安倍政権以降、時の権力に左右される検察の姿に世間の期待は低かった。

私たちの税金を何兆円も使ったスポーツイベントにおいて、私腹を肥やす輩をジャーナリズムが糾弾しても、黙殺されるのが関の山だった。いや、それどころか、検察幹部は、不正を追及するジャーナリストたちをマスメディア、とくに記者クラブと一緒になって排除する始末だった。これは『ニューズ・オプエド』で報じ批判し続けてきた通りだ。

【検証!東京2020贈賄疑惑事件第4弾 事件の本質を暴く!何故事件は起きたのか!?】ニューズ・オプエド

ところが、7月8日に状況は一変した。安倍晋三元首相という、本人も無自覚の大きな存在が暗殺によって消えたのだ。不正隠しの蓋が外れ、闇の中に光が差し込み始めた。

端緒は、広告代理店最大手の電通本社と五輪組織委員会理事の高橋治之容疑者への捜査だった。東京地検特捜部は、本丸である電通と高橋容疑者の自宅と会社への家宅捜索を行い、高橋容疑者を逮捕したのだ。

AOKIやKADOKAWAなどのスポンサー企業は捜査のための「階段」にすぎない。ターゲットのひとりが高橋治之氏だった。

筆者にとって、元電通で五輪理事の高橋治之容疑者の逮捕は何よりの驚きだった。

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22年前(2000年)のニューヨークタイムズ時代、初めて高橋容疑者にインタビューして以来、高橋氏に目の仇にされていたというちっぽけな個人的感情ではない。五輪のみならず、日本のスポーツイベント、いや、テレビ放映権まで含めた日本の利権構造の闇を知る数少ない当事者の逮捕は、うんざりするようなこの国の腐敗システムを変える可能性を持つ、一筋の光明に見えたからである。

果たして、本丸の高橋逮捕はどこにつながるのか。この後、高橋氏の再逮捕が繰り返されて、事件を固める作業が続くだろうが、最終的に東京地検が狙うのはどこなのか。特捜検事といえでも人の子である。承認され、組織の評判の高まることを嫌う理由はない。

あの黒川氏のキャリアが「麻雀賭博」で絶たれ、同期の林検事総長が退任した6月、検察は新しい体制でスタートを切った。これは検察再生の始まりとなるのか。

このメルマガでは、『暴走検察』(朝日新聞出版)の著者でもあるジャーナリスト上杉隆が、地検による五輪汚職追及のきっかけ、背景には何があったのか、また今後の捜査状況と事件の進捗、さらには最終ターゲットは誰なのかなどを、同時進行の取材を交えながら最新情報をお届けする。

まずは、冒頭にも記した次の3つの要素を基に、今回の東京地検特捜部の動きについて解説していこう。

  1. 安倍晋三元首相の銃殺
  2. 甲斐行夫検事総長の就任
  3. 市川宏東京地検特捜部長の存在

(つづく)

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image by: F.Adler, Public domain , ウィキメディア・コモンズ経由で

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