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「部下がデキないから…」と自分で仕事を抱える上司が最もダメなワケ

お世辞にも有能とはいえない部下がついてしまった……そんな悩みをお持ちの上司は多いのではないでしょうか。そんな時、自分で仕事を抱え込んで部下に仕事を回さないなんてことをしていませんか? メルマガ『石川和男の『今日、会社がなくなっても食えるビジネスパーソンになるためのメルマガ』』の著者、石川和男さんはその方法を真っ向から否定。それをするのはデキない上司だ!とし、その理由を説明しています。

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お世辞にも有能とはいえない部下がついた場合は?リーダーのもっとも重要な仕事

リーダーには、AI時代にかかわらず、重要な仕事がたくさんあります。もっとも重要な仕事が、部下を育てることです。そのためには、部下に仕事を振らなければなりません。失敗と成功を繰り返し経験することによってのみ、部下は成長するからです。部下の失敗を恐れ、仕事を振らない状態が続けば、部下は成長することができません。

裏を返すと、もっとも仕事がデキないリーダーとは、部下に仕事を振らない人です。仕事を振らない理由は以下のどちらかです。

■有能な部下がついた場合

部下に仕事を任せると自分の仕事がなくなる、部下が成長して万一自分を追い抜かれるのが心配、これらの理由で仕事を部下に振らなくなる可能性があります。

■逆にお世辞にも有能とはいえない部下がついた場合

仕事を依頼してミスされるのが心配、自分でやったほうが早いなどの理由で仕事を振らない状態になりがちです。

結局、仕事がデキないリーダーは、どんな部下がついても、きちんとした仕事を振らず、1人で抱え込んでしまいます。部下を一人前に育て上げるという、もっとも重要な仕事を放棄したうえに、何から何まで自分でやろうとするため時間もかかり、部下が帰った後もひとり黙々と残業を続けているのです。

愛の反対は、憎しみではなく無関心

私は大学卒業後に建設会社に入社しました。所属は事務部門。工事部門がメインのため事務部門は少人数でした。本社社員240人のなかで総務はたったの4人。財務、広報、教育、保険を、その道20年以上のベテラン社員が各1人ずつ担当していました。そんな少数精鋭の総務に5人目として新入社員の私が入社したのです。右も左も分からない22歳。事務部門全体の補佐として私が配属されました。

さすがに新入社員の私に抜かれるという危機感は無かったと思いますが、誰一人として仕事を振ってくれる人はいませんでした。

・長年1人で勤めてきたルーティンワークを崩したくない
・自分でやった方が速い
・仕事を振ってミスされるのが面倒

このような理由からだったと思います。その結果、私は5時の終業チャイムが鳴るまで、ひたすらデスクに座っているだけでした。新人が新聞を広げて読むわけにもいきません。また、ネット以前にパソコンも普及していない時代。ネット検索やエクセルの練習ができれば時間も潰せましたが、「無」でいると、時間がとてつもなく長く感じるのです。そして何より仕事を振ってもらえないことは、必要ないと言われているのと同じなのです。

この体験からもリーダーになった今、部下には仕事を振るようにしています。部下は仕事を振らないことには成長しません。そして部下にとって「無」でいる時間は途方もなく長く感じてしまうのです。

マザー・テレサが「愛の反対は、憎しみではなく無関心」と言ったのは有名な話ですが、仕事を振らないのも「あなたに無関心。必要ないですよ」と言っているのと同じす。

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この3つのポイントさえ押さえれば、部下も安心できる

あなたが部下に仕事を振りたい、しかしイマイチ不安が残る。そう思っているときは、仕事を振られる部下もまた、不安に思っているケースが多いのです。

ここでお互いに不安を取り除く3つのポイントをお伝えします。それは

1.期限を設ける
2.優先順位を決める
3.中間報告を受ける

この3点だけに注意すれば良いのです。

まず、「いつまでに」という期限を設けます。仕事がデキないリーダーは、この指示が曖昧です。「いつでも良いから」「暇なときに」「来週中ぐらい」こんな指示は論外です。また、「月曜日まで」「明日の昼まで」というのも注意が必要です。なぜなら、月曜日が、月曜日の朝一番なのか、夕方5時までなのか、それとも残業して深夜24時までOKなのかが分からないからです。昼まで、というのも12時までなのか、昼休み明けの13時までなのかというのが曖昧になります。

次に、優先順位を決める、についてお話します。リーダーの思っている優先順位と、部下の思っている優先順位は、一致しない場合が多いものです。自分が指示した仕事はお客様対応の後で構わないのに、それを後回しにして先に行っていたり、重要度が低いと認識していたものを部下は指示された順番通りに行っていたりなど、リーダーと部下で優先順位が食い違うことはよく起こります。ですから、優先順位は常に明確に意思統一を図らなければなりません。

最後に、中間報告を受けること。定期的に進捗状況の報告を受けることで、仕事が間違った方向に行っていないか、予定通りに進んでいるかをチェックできます。翌日お客様に持っていくプレゼン資料の内容がメチャクチャだった、期限が迫っているのにまだ10%しか終わっていない、などのリスクを、中間報告を義務付けることによって回避することができるのです。

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仕事を振らないことは悪循環のスパイラル

部下に仕事を振ること、部下に仕事を教えることは、最初は手間がかります。しかし部下がその仕事をできるようになることで、あなたは、リーダーとして一つ上の業務に集中することができるのです。仕事がデキるリーダーは部下に仕事を教え、権限も委譲していきます。委譲しないと、その業務をいつまでも自分が行うことになり、そのポジションから上へといくことができないからです。

一方、仕事のデキないリーダーは、仕事を自分で抱え込むので毎日残業し、仕事を振ってもらえない部下はモチベーションが下がり、忙しい自分はいつまでも一つ上の業務ができない。悪循環のスパイラルに陥ってしまうのです。

そもそもリーダーは、部下より一歩高い俯瞰(ふかん)的な視点で仕事をしていかなくてはなりません。たとえプレイングマネージャーだとしても、できることは部下に振り、マネジメントの方に力を注いでいくようにしていきましょう。

部下に仕事を振ることが、あなたと会社全体の利益につながる

自転車に初めて乗る練習をしたときは、傷だらけになるけど、上達すれば歩くのより格段と速く移動できます。パソコンを始めたときは、1本ずつの指でキーボードを叩き、大変だったけど、上達すれば手書きより格段と速く仕上がります。部下に初めて仕事を任せたときは……そうなんです。最初は遅くてミスがあっても、最終的には、振ること、任せることで、仕事が格段と速くなるのです。

仮に「部下育成」が人事評価に直接影響しない評価制度でも、あなたのグループが高いパフォーマンスを見せれば、評価は自ずと上がっていきます。部下に仕事を振り、次世代のリーダーを育てることが、あなたを含め会社全体の利益につながるのです。

仕事がデキるリーダーは、部下に仕事を振ります。権限委譲をすることで、一歩上の業務に集中でき、組織全体が底上げされ、仕事が速いチームになるのです。

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image by: Shutterstock.com

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アナタの会社はなくなる?? 平均寿命が80年、働く期間は約45年。一方、会社の平均寿命は23年と言われています。会社のほうが圧倒的に寿命が短い。さらに、AI時代の突入で、10年~20年の間に現在の仕事の9割は無くなると言われています。同じく9割の人が、今の仕事と違う仕事をしていると言われています。そんな状況のなかで、会社がなくなっても食えるビジネスパーソンになる方法をお伝えします。

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【著者】 石川和男 【月額】 ¥330/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎月 第2木曜日・第4木曜日

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