旧統一教会の信者たちが、韓鶴子総裁から目標として掲げられているに等しい「天寶(てんぽう)家庭」なる存在。一体それはいかなる状態を指し、目標達成には何が必要とされているのでしょうか。今回のメルマガ『詐欺・悪質商法ジャーナリスト・多田文明が見てきた、口外禁止の「騙し、騙されの世界」』ではかつて旧統一教会の信者だったジャーナリストの多田文明さんが、「天寶家庭」の何たるかを解説するとともに、そう認められるために信者がクリアしなければならない条件を紹介しています。
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統一教会信者らが目指す「天寶(てんぽう)家庭」とは? 今後、vs救済新法となる!?
これまで、旧統一教会の信者らは文鮮明夫妻の合同結婚式(祝福)を受けて、原罪のない神の子を産み増やすことを目標にしてきました。私の信者時代、祝福を受けるための条件として、伝道と経済(お金集め)の活動が必要でした。
しかし数年前から「天寶家庭」「天寶入籍」という言葉が、韓鶴子総裁から、盛んに発せられています。
簡単にいえば、合同結婚式を受けた、信者らの家庭(祝福家庭)が次に目指すものが「天寶(てんぽう)家庭」になったわけです。もっといえば、天寶(てんぽう)家庭」にならなければ、より霊性の高い霊界、つまり(真の父母・文鮮明夫妻のいる)天国に入れないというわけです。
今後、必死になって、「天寶家庭」を信者らは目指すことになります。
では、天寶家庭になるために、何をしなければならないのでしょうか。
大きくは2つです。
霊界で苦しむ先祖たち「430代の先祖解怨」と、430の家庭を伝道することです。注目すべきは、430代の先祖解怨です。
この役事(解怨の儀式)にはお金がかかります。
先日の立憲民主党を中心とした国対ヒアリングのなかでも、阿部克臣弁護士からは「時代によって異なるが、1,176万円ほどになるのではないか」という指摘もあり、1,000万円以上の献金が必要になると考えられています。つまり、それだけの献金が信者らに課せられたわけです。
すでに多くの方に指摘されているところですが、年頭に神様の立場である韓鶴子総裁が、これを述べたということは、教団として、救済新法は眼中にないということ示している可能性があります。
さて、この動きによる被害を今後、救済新法で止められるのかも、大事な点になります。
今後、「天寶家庭vs.救済新法」がヒートアップしてくると思っています。
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救済新法が施行されるまでのタイムに、教団のオウンゴールがあったとみる理由
ワールドカップの決勝では、反セクト法のあるフランスが負けて、残念な思いでみていました。しかしその後、旧統一教会が解散命令の請求に反対する2万件以上の嘆願書を国に提出したという報道があり、思わず「オウンゴール!」と叫んでしまいました。
教団内の信者らはトップダウンで動きます。アベル(神に近い人)の指示に従って行動しています。
今回、信者らに向けて、教団側が「世界平和統一家庭連合の宗教法人解散請求に関する嘆願書」と題されたフォーマットを送っていたことが明らかになりました。
そこには、次のような言葉があります。
「信仰は私たちの人生の糧であり、家庭連合は信仰のよりどころです」「私たちの信教の自由と人権が守られるようにお願いします」との概要文があり、そうした嘆願書を出すように促しています。おそらく、この内容に沿った嘆願書が2万件以上あると思われます。
フォーマットの中盤には「私がこれまで幸せな人生を歩めたのは、家庭連合の教えがあったからであり、信仰は私の人生と切り離せません」などという例文をもとに、「自筆で自分の気持ちを書いて下さい」となっています。
教団の意向に沿った発言、行動をしなければ、サタン(悪魔)的としてみられてしまいます。そうした点から「して下さい」とお願い口調にはなっていますが「気持ちを書くように」との指示にとらえて、その通りに書いた信者は多くいることでしょう。
しかも、最後に、信者本人の住所、氏名を書かせる部分があります。マインドコントロールされている信者らは、この部分を指示通り、しっかりと書いているはずです。この部分が、オウンゴールです。
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image by: Sun Myung Moon, CC BY-SA 4.0, ウィキメディア・コモンズ経由で