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これからは「女性皇族」が担う時代へ。皇室制度の将来をめぐる論点を整理する

皇族数の減少が課題となる中、衆参両院の正副議長は皇族数確保に向けた「立法府の総意」案を公表しました。女性皇族が結婚後も皇族の身分を保持する案や、旧宮家の男系男子を養子として迎える案などが示され、皇室制度の将来をめぐる議論が改めて注目を集めています。今回のメルマガ『ジャーナリスティックなやさしい未来』ではジャーナリストの引地達也さんが、皇族数の確保と安定的な皇位継承をどのように両立させるのかについて考えを巡らせています。

女性皇族の活躍を自然に受け止めると

高齢化などにより縮小する皇族数の確保に向けて、衆参両院の正副議長が「立法府の総意」案を公表した。

総意案では「女性皇族が結婚後も皇族の身分を保つ」「皇室典範で禁止されている皇族の養子縁組を可能にする。その対象は旧11宮家の男系男子を対象とする」で、どちらも「了」として示された。

メディアで報じられている女性皇族の活躍は、現状、自然な成り行きで、もはや公務の中心的な担い手は女性皇族と指摘されている。

そのため前者は国民的な理解を得られるものと思われるが、後者は「安定的な皇位継承」に向けて「男系皇族」を維持しようとする硬直した考えに基づいたもので、見方によっては、前者と矛盾するように見える。

柔軟な姿勢で時代に応じた皇室の形を考えることはできないだろうか。

この議論はまずは「皇族数の確保」を維持した上で、「安定的な皇位継承」に繋がっていくのが必須であるから、後者は与党が是とする男系天皇に固執する結果であろう。

皇室典範が成立したのは戦後であり、皇室の現在の活動、そして国民の受け止め方も様変わりしている。

だからこそ、柔軟に国民の考えを聞いた上での見直しを求めたい。

その視点の1つが社会における女性の在り方である。

国際社会でジェンダー指数の改善に伸び悩む日本社会の根底にある男尊女卑の社会文化。

これを反映している皇室の在り方である。

「女性天皇」と「女系天皇」を避けようとする考えの根底に何があるのか、それは普遍的な価値として私たちは未来も共有するべきなのか。

男性を優位にみる価値観は文化として根付き、気づかないまま一方の人の生きる糧を搾取していることもある。

それに気づかないまま、社会を運営していくのか。

皇室は現在16人で、皇室に生まれた女性は天皇家の長女愛子さま、秋篠宮家の次女佳子さま、三笠宮家当主の彬子さま、妹の瑶子さま、高円宮家の長女承子さまの5人。

2024年春に大学を卒業された愛子さまは日本赤十字社で勤務しながら、両陛下とともに沖縄や長崎で戦没者を慰霊、東日本大震災の被災地を訪問するなどの公務も活発である。

佳子さまは全日本ろうあ連盟の活動中、手話でのあいさつが印象的だ。

彬子さまは英国留学体験をまとめた書籍が書店に平積みされており、親しみある内容に読者も多い。

女性皇族のこれらの活動は、国民とともにある皇族を体現したものとして、大きな貢献をしている。

特に社会においてケアが必要な場所に出向き、その笑顔と柔らかい表情で寄り添う姿は、私たちの社会に皇族という仕組みがあることを実感させ、また幸せをも感じさせている。

これを男系にこだわる議論を助長させるものと受け止めてよいのだろうか、との思いがよぎる。

男性と女性が「共生していない」ことで、私たちの社会が成しえていないことは多い。

ケアのコミュニケーションを推進する立場からすれば、どんな人も水平型のコミュニケーションをすることで、最も社会のパフォーマンスが高まる。

その考えの中で、男尊女卑は社会の障害でしかない。

女性皇族の活躍する姿に親しみと温かみを覚えている私たちが考えるべきなのは、それぞれの役割を尊重しながら、自然な形を抽出することではないだろうか。

「立法府の総意」から、まずは男系へと寄せる議論に惑わされず、立ち止まって、国民的な議論をする工夫をしてほしい。

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image by: Cris Foto / Shutterstock.com

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障がいがある方でも学べる環境を提供する「みんなの大学校」学長として、ケアとメディアの融合を考える「ケアメディア」の理論と実践を目指す研究者としての視点で、ジャーナリスティックに社会の現象を考察します。

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【著者】 引地達也 【月額】 ¥110/月(税込) 初月無料! 【発行周期】 毎週 水曜日 発行予定

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